仕事先でのワンシーン。うず高く積み上がったカラのダンボール箱を同僚と片付けていました。
同僚とワイワイ言いながら片付けていたのですが、ふと気付いた事が頭を駆け抜けました。
ダンボール箱は英語で「cardboard box」なのに日本語だと「ダンボール箱」。一体この「ダンボール」という言葉はどこから来たのか?!
そうやって考えていると「日本語で『ボール』が付く言葉がいくつかあるなぁ」との思いが巡りました。
今回は、日本語のなかで、「ボール」と付く言葉を集め、その意味や由来をご紹介します。
目次
「ボール」という言葉の意味
というわけで、今回は「ボール」という言葉を集め、その由来や意味を紹介しますね。
ボール
日本でも「ボール」という単語は球の意味で一般的に使われていますね。
名前に「ボール」が付くスポーツといえばこういうものがあります。
「ボール」のつくスポーツ
- basketball(バスケットボール)
- baseball(野球)
- softball(ソフトボール)
日本語も英語も同じだと思ってしまいそうですが、「球」を使用するスポーツだからといって、必ず「~ball」と命名されているわけではありません。
たとえばこういうものがあります。
「ball」の付かないもの
- 卓球(table tennis)
- 水球(water polo)
日本では高年齢層に人気のあるゲートボールは英語圏ではあまり知られていません。
実はゲートボールは「croquet(クローケー)」というスポーツを元に、1947年に日本で発明されたものなのでした。
ちなみに四足動物の「肉球」は、「paws」と言います。
こちらもballとは関係がありませんね。
手のひらに当たる部分は「pad」と呼ばれています。
ダンボール
収納に欠かせないアイテムといえばダンボール箱。
私のパソコンで「ダンボール」と入力して変換すると、全てカタカナで「ダンボール」と出てきますが、元々の表記は「段ボール」なのです。
段ボールという呼び名は、断面の波型が階段状に見えるところから「段」が使われていて、 外側にボール紙を用いていたところから「ボール」が来ました。
ボール紙(ボールがみ)とは、ある程度の硬さがある板紙。
そもそも「ボール紙」の「ボール」はどこから来たかというと、実は英語の「board」から来ています。
では段ボールは英語で何というかというと、こちらになります。
英語ではこう言います
- 段ボール紙corrugated cardboard
- ダンボール箱cardboard box
「Corrugated」とは「波状の」という意味ですが、一般的には段ボール紙のことは「cardboard」と呼ばれています。
厳密にいえば、これだと「厚紙(cardboard)」と区別がつかないのですが、両方を同時に扱う機会もめったにないので混乱したりすることはありません(笑)。
調理に使う「ボウル」
料理の際に欠かせない調理道具はいくつかありますが、包丁とまな板の次に多用しているのが「ボウル」です。
英語では「Bowl」と書き、日本語だと「ボウル」と「ボール」の両方の表記があります。
試しにアマゾンで検索を掛けてみるとボールで表示される商品が並んでいます。
「フィンガーボール」は「bowl」
レストランでエビやカニを手で食べる場合、指を洗うためにお湯やウーロン茶が入った器が出されていることがあります。
これは「フィンガーボール」、もしくは「フィンガーボウル」と呼ばれています。
「フォークボール (forkball) 」や「スクリューボール (screwball) 」といった野球用語に似ていますが、ぜんぜん違います。
「フィンガーボール」の場合は「ball」ではなく「finger bowl」ですので気をつけましょう。
ボール盤
台の上に設置された大型ドリル。
右手で操作してドリルを上下させ、鉄板などに穴を開ける機械、これを「ボール盤」と呼びます。
実はこの「ボール」、語源は、オランダ語の「boor-bank(「ドリル台」の意)」と言われています。そして「bank」に「盤」の漢字が当てられたわけですね。
なお、ガソリンなどを掘削するために地面を掘るときは英語で「boring」と言います。
もうひとつの「boring(つまらない)」の意味にかけてこんなダジャレが言えます。
Boring is boring(掘削はつまらない)
え?聞いてない?
ボーリング? ボウリング?
10本並んだピンを狙いすましてボールを投げ、どれだけ倒せるかを競うゲーム「ボウリング」。
日本語では実は、「ボーリング」ではなく「ボウリング」と表記するんですよね。
英語のつづりは「bowling」で、通常は
「ten - pin bowling」と呼ばれます。
球を使うのなら「balling」と書きそうなものですが、まったく語源が違うようです。
「ボウリングをすること」などを意味する "bowl" という英語は、ラテン語で「泡」や「瘤」を意味する "bulla" に由来する。一方、同じ綴りで食器や容器(ボウル)を意味する "bowl" や「球」を意味する "ball" は、ゲルマン語に由来し、本質的に異なる。
ボウリング - Wikipediaより引用しました。
語源がラテン語で、しかも「泡」や「瘤」を意味する「bulla」だなんて、本当に知らないことっていっぱいありますね。
ボールルーム
ヨーロッパでは盛んな舞踏会。
80年代には日本でも仮面舞踏会が流行りましたね。
舞踏会のことを「ball」と呼び、この舞踏会が開かれる場所は「ball room」と呼ばれています。
ここで使われる「ボール(ball)」は、「踊る」という意味のラテン語「ballare」から由来しています。
オーストラリアでも、高校生は舞踏会があり、パートナーを連れておめかしして参加しますよ!
「Having a ball」とは?
オージーの友人家族と公園に行ったときのこと。
その家族のお子さんが夢中で遊んでいて、楽しそうにしているのを見て、オージーお父さんが一言、こんなことを言いました。
She’s having a ball.
実はその子はボールで遊んでいなかったし、意味が分からなかったんです。
あとで調べて見ると、こんな意味でした!
楽しいひとときを過ごす、大いに楽しむ
「Having a ball」は文面上の意味であれば「ボールを持っている」と訳したくなりますが、慣用句的に「めっちゃ楽しんでいる」という意味合いで使われているんですね。
まとめ
いかがでしたか? ひとくちにボールといっても、英語には色々な単語があり、その起源や由来によっても意味が全く違ってしまう場合もあります。
また日本語で同じボールの発音で使われている言葉も、じつはその起源となる言語が違っていたり奥の深さがありますね。
次に「ボール」ということばを聞いたら、それはどんな使われ方をして、どんな言語から来ているかを考えてみてくださいね。
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