英語の2種類の「話法」って知っていますか?
「話法」というのは「人のセリフの伝え方」のことです。日本語の例だと「山岡さんが『帰りたいです』と言った」のような表現ですね。
「直接話法」と「間接話法」の2種類がありますが、伝える意味は同じでもニュアンスが変わってくるんですよ!
両者の違いや言い換えるときの注意点など、今回は「話法」について詳しく紹介します。
英語の「話法」について
まず、「話法」とは何かをお伝えしますね。
簡単に言うと、話法とは「人のセリフの伝え方」だと思ってください。
話法とは?
人のセリフの伝え方のこと
2種類の話法がある
例えば日本語で「オオカミが眠いって言ってたよ」という表現があるとしますね。
それを英語で表すと2つの種類(話法)があります。
英語の「直接話法」
まずはこのような言い方です。
直接話法
Ookami said, "I'm tired."
(オオカミが「眠い」と言ってた)
話しているセリフを説明していますよね?
後述しますが、こちらは「直接話法(direct speech)」と呼ぶ表現です。
ちなみに「tired」は「眠い」という意味で使われることが多いです。
英語の「間接話法」
そして、こちらのような形で言うことも可能です。
間接話法
Ookami said that he's tired.
(オオカミが眠いんだって)
この表現を「間接話法(indirect speech)」と呼びます。内容としては上で見た表現「Ookami said, "I'm tired."」と同じことを言っていますが。
このように2種類の「話法」がありますが、内容が同じでも「伝え方」が異なると覚えておいてくださいね。
2種類の話法の違い
では、2種類の話法「直接話法」と「間接話法」の違いについてです。
この2つは、伝える意味自体は同じですが、その違いが何か分かりますか?
ズバリ違いは「本人のセリフそのまま」かどうかです。
- 直接話法
- Ookami said, "I'm tired."
- 間接話法
- Ookami said that he's tired.
日本語の「カギカッコ」に該当する「 "(クォーテーションマーク)」で囲って、本人のセリフを1字1句ぜんぶ正確に再現するのが「直接話法」です。
それに対し、相手のセリフを自分の言葉でかんたんに言い直すのが「間接話法」と思ってもらえればOKですよ。
ちなみに「"」のことを日本語では「引用符」、英語では「quotation mark(クォーテーションマーク)」と言いますよ!
直接話法では「"」の中にピリオドを置く
気をつけたいのが、直接話法の表現でのピリオドの位置です。
ピリオドの位置に注意
Ookami said, "I'm tired."
「 " 」のあとではなく、「 " 」の内側に入れましょう。
そして、最後にはつけません。
直接話法のピリオドの位置
- Ookami said, "I'm tired".
- Ookami said, "I'm tired.".
- Ookami said, "I'm tired."
直接話法と間接話法を転換するコツ
では、実際に直接話法と間接話法を言い換え・転換する方法をやってみましょう。
基本の形はコンマと引用符の有る・無し
例えば以下のような「直接話法」の文があったとします。
直接話法
She says, "I'm hungry."
(彼女は「お腹空いた」って言ってるよ)
この文を「間接話法」に転換してみましょう。
まず見た目の基本は「コンマ( , )」と「引用符( " )」の有る・無しです。
直接話法を間接話法に転換するときは、それらを外しつつ「that〜」という形にすればOKですよ。
間接話法
She says that she's hungry.
(彼女はお腹空いたって言ってるよ)
「that」は省略されることも多いですよ!
コツは「主語」と「場所・時間」
話法の転換は大ざっぱに言えば「コンマ(,)」と「引用符(")」の有る無しなんですが、実は大事なコツ・注意点があります。
それは「主語」と「場所・時間」です。
間接話法の「主語」
先ほどの「お腹空いた」の例文の場合、主語が「I」から「She」に変わったことに気が付きましたか?
直接話法
She says, "I'm hungry."
(彼女は「お腹空いた」って言ってるよ)
間接話法
She says that she's hungry.
(彼女はお腹空いたって言ってるよ)
主語が「 I 」から「she」になりましたね。
本人のセリフを直接使わず、間接的に使うから「間接話法」って言うんですね。
間接話法の「場所」
話法を転換する場合、「主語」だけでなく「場所・時間」も文脈に応じて変えなければいけないんです!
例えば「彼女はもうすぐここを出発すると言っているよ」という以下の例文をご覧ください。
直接・間接話法の比較
- 【直】She says, "I'm just leaving here."
彼女は「私はここを出発するよ」と言っている - 【間】She says (that) she's just leaving there.
彼女はそこを出発すると言っている
場所が「here(ここ)」から「there(そこ)」に変化しましたよね?
このように、場所の副詞も必要に応じて形を変更してくださいね。
間接話法の「時制・時間の一致」
あと、過去や未来の話のときは間接話法では「時制の一致」が起こるので気をつけてください。
時制の一致とは「文のメインの動詞の過去形・現在形などに他の動詞も形を合わせる」という英語のルールのことです(参考: 時制の一致とは?)。
見てもらったほうが分かりやすいので、以下の例文をご覧ください。
直接・間接話法の比較
- 【直】She said, "I am very hungry now."
彼女は「私は今すごくお腹すいてるんだ」と言った - 【間】She said she was very hungry then.
彼女はそのときすごくお腹すいてると言った
例えばこれが「昨日のレストラン」で起こった出来事として、「彼女は言った」と「私は今とてもお腹が空いている」は同じ時点で発生していることですよね?
こういう場合を「時制の一致」と呼び、メインの動詞(say)が過去(said)になっているならば、同じ時点の動詞「am(be動詞)」も過去(was)にしなくてはいけないんです。
基本的には以下のルールになりますよ。
「直接話法」→「間接話法」に転換する場合の時制の一致
メインの動詞が過去形の場合……
- 直接話法の中の「現在形」
間接話法では過去形 - 直接話法の中の「過去形」
間接話法では過去完了形
なかなか厄介ですよね〜(笑)
ちなみに時間の副詞「now(今)」も「then(そのとき)」に変更する必要がありますよ!
「tell」や「if」に注意
最後に、「tell」や「if」について紹介しておきますね。
間接話法では「say」ではなく「tell」を使う
間接話法で「〜に〜を言った」というときは、動詞は「say」ではなく「tell」を使います。
直接・間接話法の比較
- 【直】He said to me, "I'm not a geek."
彼は私に「僕はオタクじゃないよ」と言った - 【間】He told me that he's not a geek.
彼は私にオタクじゃないよと言った
直接話法は「say to 人」、間接話法は「tell 人 that」と覚えておいてください!
セリフが疑問文のときは「if」を使う
そして、人のセリフが疑問文のときの間接話法は「if(〜かどうか)」を使って表しますよ。
直接・間接話法の比較
- 【直】He said, "Do you like sushi ?"
彼は私に「君はスシが好きかい?」と聞いた - 【間】He asked me if I like sushi.
彼は私にスシが好きかと聞いた
この「if」には「もしも〜」の意味はありません。
この場合は使う動詞も「say」ではなく「ask(尋ねる)」になりますよ!
【補足】時制の一致の例外
上の2つの例で時制の一致がされていないことに気づかれましたか?
この例では、過去形でも現在形でもいいんです。
過去・現在形のどちらも可
- He told me that he's not a geek.
- He asked me if I like sushi.
じつは「性格・所属・習慣や普遍の真理は時制の一致を受けない」という例外があるからです。
尋ねた時点に関わらず「オタクである」「スシが好きである」ということは不変であるので、時制の一致を受けません。
まとめ
さて、今回は英語の「話法」についてまとめました。
「話法」のまとめ
- 話法とは「人のセリフの伝え方」
- 直接話法と間接話法がある
- 話法の転換は「コンマ(,)」「引用符(")」「主語」「場所・時間」などに注意
- 「時制の一致」にも注意
ぜひ文章をイキイキと表現するために話法を使ってみてくださいね。