英語の先行詞とは?意味・種類・見つけ方や省略をわかりやすく紹介

英語の「先行詞」ってなに?
サッシ

執筆者

WEBライター。旅をしながらブログを書いて生活。塾で英語を約20年教えた経験あり。早稲田大学 教育学部卒業。→ サッシについてはこちら

関係詞を学ぶときに必ず出てくる専門用語が「先行詞」です。

先行詞は、関係代名詞や関係副詞に大きく関わっているので、基本的な仕組みをぜひ知っておきましょう。

今回は、先行詞の意味や、先行詞の見つけ方省略される先行詞など、英語の「先行詞」についてわかりやすく紹介します。

英語の先行詞とは?狭い意味と広い意味

はじめに、英語の「先行詞」の意味をハッキリさせましょう。

「先行詞」とは?

英文法を学ぶときに使われる「先行詞」とは以下のことだと考えてください。

英語の先行詞とは?
関係詞節によって修飾される名詞

※ 関係詞節とは「who」「which」などの関係詞によって作られる言葉のかたまりのこと(参考:関係詞節とは?

それによって「〜な〇〇」のように説明されるときの「〇〇」を先行詞と言います。

たとえば、以下の例文の「girl(女の子)」が先行詞で「who called you yesterday(昨日キミに電話した)」の部分が関係詞節です。

I know the girl who called you yesterday.
(昨日キミに電話したその女の子を知っているよ)

「昨日キミに電話した」の部分が「女の子」を説明していますよね?

先行詞とは、このように関係詞節によって修飾される名詞のことなんですよ。

【参考】関係詞節を使わない場合も「先行詞」は存在する

広い意味で言えば、実は関係詞節を使わない場合にも先行詞は存在します

以下の2つの例文において、固有名詞「John」は代名詞「He」の先行詞となっています。

John helped me yesterday. He is my hero.
(昨日ジョンは私を助けてくれた。彼はあたしのヒーローだ!)

この場合の「先行詞」とは「『he』という代名詞が指す対象」という意味合いです。

このように厳密には先行詞は「後で出てくる表現の対象となるもの」なのですが、日本の英文法で学ぶ場合には気にしないでください。

なぜなら「先行詞」とはほぼ100%「関係詞」の話のときに出てくる言葉だからです!

ざっくりと「先行詞は『who』や『which』で説明されるやつ」と覚えておいた方がはるかに実用的ですよ。

ちなみに英語で「先行詞」は「antecedent」と言います。

関係詞のときの先行詞の「種類」について

意味がわかったところで、お次は先行詞の種類について見てみましょう。

「who」「when」などの関係詞を使う場合は先行詞の「種類」が重要になってきます。

なぜなら先行詞がどんな種類の言葉なのかで使う関係詞が変わるからです!

たとえば関係代名詞では、以下のように先行詞が変わります(参考:主格の関係代名詞)。

先行詞関係詞
先行詞が「人」who
先行詞が「物事」which
先行詞が「人」&「物事」that
先行詞の種類と対応する関係代名詞(主格)

「〜なその女の子を知っているよ」のように、「先行詞」が「人」なら「who」を使って「I know the girl who〜」となります。

先行詞が「人」の場合

I know the girl who called you yesterday.
(昨日キミに電話したその女の子を知っているよ)

でも「〜なその車を知っているよ」のように先行詞が「物事」なら「which」を使って「I know the car which〜」となるんです。

先行詞が「物」の場合

I know the car which has a sunroof.
(サンルーフの付いているその車を知っているよ)

関係副詞の場合は先行詞が「時間」なら「when」、「場所」なら「where」のように使い分けます。

このように、関係詞で先行詞を説明するときは先行詞の種類によって使うべき関係代名詞・関係副詞が変化すると覚えておいてください。

英文の中での先行詞の見つけ方

種類についてわかったところで、続いては「先行詞」の見つけ方です。

英文の中で先行詞はどのように見つけたらいいでしょうか?

基本は「関係詞の直前の名詞」

基本は「関係詞の直前の名詞」と考えてくれればOKです。

以下の例文で言えば、関係詞「which」の直前にある「note(メモ)」が先行詞ですよ。

Look at the note which she left last night.
(昨夜、彼女が残したメモを見て!)

先行詞を探すのはかんたんですね。

【例外】先行詞と関係詞が離れる場合

ただし、例外もあります。

前置詞句が入る場合など、先行詞と関係詞が離れる場合もたまにあるので注意してください。

たとえば、先ほどの英文に「on the table(テーブルの上の)」という前置詞句を追加した例文をご覧ください。

Look at the note on the table which she left last night.
(テーブルの上の、昨夜彼女が残したメモを見て!)

この場合は関係詞「which」の直前には「table」が来ていますが、先行詞は「note」です。

「which」以降の「彼女が昨夜残した」の部分で説明される対象は「table」ではなく「note」ですよね?

「on the table」は「note」を詳しく説明している部分です。

このように絶対に関係詞の直前の言葉が先行詞というわけではないんですよ。

あくまでも訳してみて違和感がないかを大事にしてください。

先ほどの場合なら「彼女が昨夜残したテーブル」だと明らかにおかしいと気付けますので!

先行詞なし!? 省略されることもあるの?

先行詞の見つけ方もわかったところで、「先行詞の省略」についても触れておきますね。

先行詞は基本的には省略されない

先行詞は「説明される対象」なので基本的には省略されることはありません。

たとえば、先行詞を省略してしまったNG例をご覧ください。

先行詞を省略してしまったNG例

I know the girl who called you yesterday.
(昨日キミに電話したその女の子を知っているよ)

省略されたら関係詞節が何の説明をしているのかが不明になってしまいます。

先行詞のない関係代名詞「what」について

ただし関係代名詞「what」を使うときだけは例外的に「省略されている」と考えることができます。

たとえば、以下の例をご覧ください。

I don't know what you are saying.
(キミが何を言っているのかわからないよ)

「what」の前には「I don't know(私はわからない)」だけなので、先行詞になり得る名詞が何もないですよね?

実は関係代名詞「what」には名詞「the thing(そのこと)」と、関係代名詞「that」が含まれているから成立するという秘密があります。

つまり「what = the thing that」であり、そこに「thing」という先行詞になり得る名詞が存在しているんです。

先ほどの英文で「what」を「the thing that」に置き換えると次のようになります。

I don't know the thing that you are saying.
(キミが何を言っているのかわからないよ)

この形で見れば、関係代名詞「that」の先行詞は「thing」だと言えますよね。

このように実質的には先行詞があるのですが、「what」を使った場合は表に出てこないんです。

だから関係代名詞「what」を使う文には先行詞が省略されていると言えるんですよ。

言い換えれば「what」は先行詞を含んだ関係代名詞と考えてもOKです!

ちなみに、先行詞ではなく「関係詞の省略」はよくあります。

まとめ

今回は、関係代名詞を学ぶときに使われる「先行詞」がどういうものかについてまとめました。

「先行詞」のまとめ

  • 関係詞節によって修飾される名詞
  • 先行詞の種類によって使うべき関係詞が決まる
  • 基本的には関係詞の直前の名詞
  • whatの場合は先行詞が省略

関係詞節についてはこちらをどうぞ。

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中村サッシ
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塾講師として英語・国語の指導を約20年してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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