英語には「that節」という文法用語があります。
たとえば、「彼女は病気(sick)だと思うよ」を英語で言うとしましょう。
「I think that she is sick.」と言いますが、このときの「that」以降の部分を「that節」と呼びます。
今回は、英語の「that節」の意味や作り方、代表的な動詞などについてわかりやすく紹介しますね。
目次
英語の「that節」とは?
さっそく、英語の「that節」の意味を見ていきましょう。
「that節」とはかんたんに言えば「thatで作る名詞のかたまり」です。
順を追って説明しますね。
「that節」のない通常の文
たとえば「私はそれを知っている」と言いたいときは、代名詞の「it」を使って以下のように言うことができます。
I know it.
(あたしはそれ知ってるよ)
シンプルですね。
「that節」が必要な文
でも単純に「それを知っている」ではなく「彼がユーチューバーであることを知っている」と言いたいとき。
これを「I know it」のようにひとことで表すのは不可能なのです。そこで「that節」が活躍します。
句と節について詳しくはこちらをどうぞ。
「that」を使って表現する
「that」を使って、以下のように言うことができますよ。
I know that he is a YouTuber.
(彼がユーチューバーだって知ってるよ)
この文の中の「that」以降の節を「that節」と呼びます。
「that節」を使うことで、「彼がユーチューバーであること」という大きな名詞のかたまりを作っているわけですね。
これが英語の「that節」です。
英文法では「名詞節のthat」や「名詞節を導くthat」なんて呼ばれていますよ。
「that節」のイメージは「プルダウン」
この「that節」は、イメージとしては「プルダウン」のようなものをイメージするといいでしょう。
次のアニメーション画像を見てください。
「that」にある▼をクリックすると、さらに詳しい情報「he is a YouTuber」が出現するという感じです。
「he is a YouTuber(彼はユーチューバーである)」という文を「that」が丸ごと包んでいるイメージですね。
「that節」の基本的な使い方について
「that節」の意味がわかったところで、実際に使ってみましょう。
「that節」を作るコツ
「that節」の文を作るコツは、とりあえず「that」を使って文を完結させるくせをつけることです。
先ほどの例文の場合、「that」を使い、「I know that(アレを知っている)」とまず言います。
そして、「that」以降に詳細情報になる文をつけ足すのです。
「that」以降は1つの「文」になるのもポイントですよ。
「that節」が登場する文型は2つ
英語には5つの基本的な文の型(参考: 5文型について)がありますが、すべての型で「that節」が登場するわけではありません。
ずばり以下の2つの型でのみ使えますよ。
that節を使える文型
これら2つの型の「 O(目的語)」の位置に「that節」を置けばOKです。
それぞれ例文で練習してみましょう。
第3文型 SVO
まず、第3文型 SVOの場合です。
たとえば「(私は)彼女はかわいいと思う」と言いたいとしましょう。
「that節」を使って、次のように言えます。
I think that she is cute.
(彼女はかわいいと思うよ)
手順としては「that」を使い、「I think that(私はアレだと思う)」と言います。
そして、「that」のうしろに詳細情報についての文「she is cute(彼女はかわいい)」を入れるのです。
「that」以降の部分は、上のようにカッコに入っているように考えてもOKですね。
「 O(目的語)」のところに「that節」をど〜んと置いてしまえばOKです。
「第3文型 SVO」についてはこちらのページで詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
第4文型 SVOO
お次は第4文型 SVOOでやってみましょう。
上の図のように、第4文型 SVOOには「 O(目的語)」が2つありますよね?
「that節」は、そのうちの2番目の「 O 」の位置に置かれます。
第4文型でthat節を使う位置
2番目の「 O 」のところに置く
たとえば「私が天才だということを彼に見せよう」を「that節」に使って作文してみましょう。
I'll show him that I'm a genius.
(あたしが天才だってことを彼に見せてあげよう!)
作文するときの手順としては、まず2つ目の「 O(目的語)」の位置で「that」を使い、「I'll show him that(彼にアレを見せよう)」を言います。
そして、「that」の後に「I'm a genius(私が天才だ)」のように述べるだけ。
この「show 人 that節」の形はよく使われますよ。
「show 人 that節」の中の「人」の部分は「主格」ではなく「目的格」にしてくださいね(参考: 人称代名詞について)。
ほかに、「tell(言う)」や「inform(知らせる)」などもこの形を取ります。
第4文型 SVOOについてはこちらで詳しく紹介しています。
「that節」を導く代表的な動詞
あとは「that節」を導く「代表的な動詞」も見ておきましょう。
「that節」を導く代表的な動詞一覧
実は、どんな動詞でも「that節」を続けられるわけではないのです。
むしろ「that節」を導く動詞はあまり多くないんですよ。
では、「that節」を導く代表的な動詞を以下にまとめておきますね。
think | 思う・考える |
---|---|
know | 知っている |
believe | 信じる |
say | 言う |
learn | 覚える・学ぶ |
feel like〜 | 〜な気がする |
tell | 言う・教える |
show | 示す・見せる |
「that節」を理解するには、
まずこれだけ知っていれば大丈夫です。
あとは見かけたら覚えていけば十分ですよ。
「that節」を導く形容詞
ちなみに動詞だけでなく形容詞で「that節」が使える場合もあります。
たとえば、次のような例です。
I'm happy that you won the game.
(キミが試合に勝ってうれしいよ)
「形容詞」といっしょに「that節」を使う場合はそう多くないので、そんな表現もあるんだ〜くらいに思っておいてくださいね。
【参考】「仮定法現在」で使われる動詞・形容詞
「that節」を使うときに気をつけたいのが「仮定法現在」と呼ばれる用法です。
次の例文を見て、違和感がありませんか?
My father suggested that I be a pro gamer.
(父はあたしがプロゲーマーになることを提案したよ)
突然、「be」が出てきてモヤモヤとしますが、これは文法用語で「仮定法現在」と呼ばれるものです。
「suggest(提案する)」のような動詞(もしくは形容詞)が使われる場合、話される内容は「空想」の話であり、「仮定」なのですね。
つまり、過去でも現在でもないため、「原形」の「be」が使われます(参考: be動詞の原形「be」とは?)。
詳しくは仮定法現在についてをご覧ください。よく使われる動詞や形容詞も紹介しています!
まとめ
では最後に「that節」についてまとめます。
まとめ
日常会話でも非常によく使われるので、ぜひ使えるようにしておいてくださいね。