「パーティは土曜の夜に開かれる」を英語にするなら、未来形で言いますよね?
では「パーティは土曜の夜に開かれることになっているよ」はどう言うのでしょうか。
そういった客観的な「〜することになっている」を表すのにぴったりなのが「be to不定詞」です。
6つの用法・見分け方・覚え方など、今回は「be to不定詞」について詳しく紹介しますね。
目次
英語の「be to不定詞」とは?be to構文の形ともっとも大切なこと
はじめに、be to不定詞とは何かをハッキリさせましょう。
be to不定詞の形・基本的なイメージと「もっとも大切なこと」を紹介していきますね。
be to構文の形と基本的なイメージ
では、be to不定詞の形と基本的なイメージを見ていきましょう。
「be to不定詞」とは「be動詞」と「to不定詞」がくっついた表現です。
たとえば、以下の「is to come」が「be to不定詞」の形ですよ。
She is to come here by 3 pm.
(彼女は3時までにここに来ることになっているよ)
be to不定詞の基本的なイメージは「〜することになっている」です。
さきほどの例文だと「is to」がくっつくことによって「来る」ではなく「来ることになっている」という意味になります。
話し手の意志ではなく「客観的にそうなることになっている」というニュアンスなのがポイントですよ。
あくまで全体の流れや何かとの比較で「そうなっている・そうするべきだ」というときに使う表現だと思っておいてください。
なお「be to不定詞」は「be to構文」とも呼ばれますよ。
「be to不定詞」でもっとも大切なこと
では、用法の解説に入る前に「もっとも大切なこと」をお伝えしておきますね。
「be to不定詞」について声を大にして伝えたいのは「受験用には暗記! でも実際の会話で大切なのは前後の文脈!」です。
【実際の会話】前後の文脈で意味が変わる
たとえば、以下のような「be to不定詞」の文があったとしますね。
You are to go abroad.
(キミは海外に〇〇〇)
この場合、シンプルに予定として「行くことになっている」という意味かもしれません。
でも、仕事上の義務で「行かなければならない」というニュアンスかもしれませんよね?
You are to go abroad.
(キミは海外に行かなければならない)
もしかすると世界を救うために「行く運命なんだ」というニュアンスかもしれません。
You are to go abroad.
(キミは海外に行く運命なんだ)
つまり、実際の英会話では前後の文脈・シチュエーションによって意味が変わるということです。
そのため「この形では絶対にこの訳し方!」というのは無理があります。
【受験用】6つの意味をパターン化して覚える
「be to不定詞」は文法的に言うと6つの意味に分類できます。
受験対策としては、それらを暗記し、パターン化して判別できたほうがいいです。
でも先述したように、文脈によってニュアンスが変わります。
そこを踏まえたうえで、今回は6つの用法をそれぞれ紹介していきますね。
書き換えも可能!「be to不定詞」の6つの意味・用法
基本的なイメージがわかったところで、意味・用法を具体的に見ていきましょう。
be to不定詞には予定・運命・可能・意図・義務・命令という6つの意味・用法があるんですよ。
それぞれ順番に紹介していきますね!
予定
まずは「予定」の用法のbe to不定詞です。
訳し方は「〜することになっている」や「〜する予定だ」となります。
たとえば、以下の「is to take place」の部分が「予定」の用法のbe to不定詞ですよ。
The party is to take place on Saturday night.
(パーティは土曜の夜に開かれることになっているよ)
「予定」の用法の特徴は次のとおりです。
「予定」の特徴
予定の「be to不定詞」を「be going to」に置き換えた例をご覧ください。
「be going to」の場合
The party is going to take place on Saturday night.
(パーティは土曜の夜に開かれることになっているよ)
「will」との違いに注意
ただし「will」とのニュアンスの違いには気をつけてくださいね。
次のように「will」で表現すると意味が変わってきます。
「will」の場合
The party will take place on Saturday night.
(パーティは土曜の夜に開かれると思うよ)
「will」は「話し手の意志」というイメージの言葉です。
そのため、客観的ではなくその人の主観として「〜だろう」というニュアンスになりますよ。
【参考】「be to不定詞」に完了形を使う例
ちなみに「be動詞」を過去形にして「to不定詞」に完了形を使うと「予定は実現しなかった」という意味になります(以下の例)。
The party was to have taken place on Saturday night.
([開かれるはずだったけど実際は]パーティーは土曜の夜に開かれなかった)
運命
お次に紹介する「be to不定詞」の用法は「運命」です。
運命の用法のときは「〜する運命だ」というような感じに訳してください。
たとえば、次の文が「運命」の用法の「be to不定詞」です。
She was never to see him again.
(彼女は二度と彼に会うことはなかったよ)
「そうなる運命だった・必然だった」のようなニュアンスでよく使われます。
「運命」の特徴
絶対ではないですが「be never to」の形を見たら「運命」だと思ってください!
可能
続いては「可能」の用法を見てみましょう。
その名前の通り「〜できる」という意味で、助動詞の「can」とほぼ同じ意味と思って大丈夫ですよ。
「可能」の用法の例はこちら。
No fireflies are to be seen here.
(ここでは蛍は見られないんだ)
「可能」の用法の特徴は以下のとおりです。
「可能」の特徴
「be able to」に書き換えた例文はこちらになります。
No fireflies are able to be seen here.
(ここでは蛍は見られないんだ)
意図
4つ目は「意図」の用法です。
「〜するつもりだ」や「〜したい」と訳しますよ。
If you are to change the world, you must be more powerful person.
(世界を変えたいなら、もっと力のある人にならなくちゃ)
「意図」の特徴
「意図」の「be to不定詞」を「want to」に置き換えた例はこちらになります。
If you want to change the world, you must be more powerful person.
(世界を変えたいなら、もっと力のある人にならなくちゃ)
義務
続いては「義務」の用法です。
たとえば、以下のような具合ですね。
You are to take your shoes off in the Japanese-style room.
(和室では靴を脱がなきゃだめなんだよ)
「義務」の特徴
ルールなど客観的な根拠があって「〜すべき」というときに使われるため、主観的なニュアンスである「should」「have to」とは違います。
主観の場合は「should」
たとえば「タバコを吸うべきでない」という場合で考えてみましょう。
もし「健康によくない」や「私は煙がイヤ」という話し手の主観的な理由ならば「should」を使って以下のようになります。
主観で言う場合
You should not smoke.
(タバコを吸うべきじゃないよ)
客観的な場合は「be to不定詞」
それに対して「be to不定詞」は客観的に「〜すべきでない」という場合に使われます。
たとえば禁煙エリアにいるときには、次のように言えますよ。
客観で言う場合
You are not to smoke here.
(ここでタバコを吸うべきじゃないよ)
話し手の意志・好みではなく、全体的・社会的に決まっているからというニュアンスですね。
他の用法でもそうですが、あくまで「be to不定詞」の義務用法では客観性が大事だということを意識していきましょう。
ちなみに「be to不定詞」を否定で使いたいときは上の例文のように「to」の前に「not」を入れてくださいね!
命令
ラストの6つ目の用法は「命令」です。
たとえば、以下のような使われ方が「命令」ですよ。
You are to give my money back by today.
(キミは今日までにお金を返すことになっているんだよ)
借りたものは当然返すべきものですよね?
こういった場合も客観性があるので「be to不定詞」で表すことができます。
「命令」の特徴
「be to不定詞」の用法は予定・運命・可能・意図・義務の5つと考えてもそれはそれで問題はないですよ。
「be to不定詞」の6つの用法の見分け方はあるの?
6つの意味・用法がわかったところで、見分け方も見ておきましょう。
6つの用法を瞬時に区別する方法はない
「be to不定詞」はパッと見での6つの用法を区別できるかと言うと……答えは「No」。
どの用法も「be to 〜」なので、そこだけ見て「これは〇〇の用法!」というのは不可能です。
よって「be to不定詞」の6つの用法の見分け方は以下のように覚えておいてください。
be to不定詞の用法の見分け方
そう、「この意味になりやすいよ」という特徴はあるんです!
6つの用法の特徴まとめ
6つの用法のところでそれぞれ説明したものを改めてまとめますね。
「be to不定詞」の6つの用法の見分け方は以下のポイントを覚えておいてください。
義務の場合は本当は主観的な言葉である「should」や「must」とイコールではないので、「形だけを見ると」という目安にしてくださいね。
繰り返しになりますが、実際の会話では大事なのは前後の文脈です。
でも受験や資格などの試験問題では「高確率で当てはまるパターン」なので、筆記試験の対策としては参考にしてくださいね!
高校・大学入試や英検・TOEICなどを受けるなら、覚えておきましょう!
覚え方は?be to不定詞の代表的な語呂合わせ
見分け方もわかったところで、覚え方も見てみましょう。
「be to不定詞」の用法の覚え方は「語呂合わせ」がいくつか存在します。
代表的な語呂合わせを紹介しておきますね。
be to不定詞の用法の語呂合わせ
「業界(ぎょうかい)」と「鍵用意(かぎようい)」は予定・運命・可能・意図・義務の5つの頭文字を組み合わせたものですね。
業界は「be to」不定詞のところをもじった「ビートたけし」も付けて「ビートたけしは業界人」と言う覚え方もあります。
「命令」の用法まで入れて6つの場合は「妖怪ギメ(ようかいぎめ)」が有名です。
「be to」を「べと」と読み、ベトベトな妖怪をイメージしてもいいかもしれません。
なぜか僕はギメに子が付いた「妖怪ギメ子」で覚えています!
「be to不定詞」と「名詞的用法」の違いについて
あとは不定詞の名詞的用法との違いについて触れておきますね。
不定詞の名詞的用法でも「be to 不定詞」の形になることがあるんです。
以下の例文をご覧ください。
不定詞の名詞的用法
My hobby is to play video games.
(ボクの趣味はゲームをすることなんだ)
この場合は「to play video games」で1つの大きな名詞のかたまりと考えてください。
それがSVCの第二文型で補語(C)の位置に来ているという形です。
これは「be to不定詞」とは別モノだと思っておきましょう。
「be to不定詞」は「will・can・must」のような助動詞の役割をする表現と考えておくとわかりやすいですよ!
【暗記できたかチェック!】「be to不定詞」の6つの用法
「be to不定詞」を暗記できたかのチェックをしましょう(「妖怪ギメ」での例です)。
よ | 予定 |
---|---|
う | 運命 |
か | 可能 |
い | 意図 |
ぎ | 義務 |
め | 命令 |