否定疑問文とは?「答え方は日本語の逆」は本当なの?

否定疑問文とは
ヨス

こんにちは! 発音マニアのヨスです。

日本語にも英語にも「疲れてない」のような、否定形の質問「否定疑問文」があります。

そして、多くの日本人を困らせるのが否定疑問文への回答の仕方なんですよね……。

実は、日本語と英語では「Yes」で答えても、真逆の意味になるケースがあるのです。

本記事では否定疑問文について、そして否定疑問文への答え方や練習方法について紹介します。

否定疑問文とは?

否定疑問文とは、否定の形で質問する疑問文のことです。

「否定疑問文」の形

たとえば、次のような質問が日本語の「否定疑問文」ですよ。

日本語の否定疑問文

疲れてない?

通常だと「疲れてる?」と質問するところを「否定文で質問」していますよね?

否定から始まる質問だから「否定疑問文」と呼ばれています。

英語の「否定疑問文」でもまったく同じで、次のようになりますよ。

英語の否定疑問文

Aren't you tired ?

「否定疑問文」の作り方

では、英語の否定疑問文を作る手順を紹介します。

とは言っても、次の2つのステップなので簡単です。

否定疑問文の作り方

  1. 疑問文を作る
  2. 一番前の部分を否定の形にする

1疑問文を作る

まずは疑問文を作りましょう。

疑問文を作る

  • You are tired.(あなたは疲れている)
    Are you tired ?(疲れてる?)
  • You have a smartphone.(あなたはスマホを持っている)
    Do you have a smartphone ?(スマホ持ってる?)

疑問文の作り方はこちらをどうぞ。

2一番前の部分を否定の形にする(短縮形で)

続いて、一番前の部分を否定の形にしましょう。

否定の形に

  • Aren't you tired ?
    (疲れてない?)
  • Don't you have a smartphone ?
    (スマホ持ってないの?)

否定の形とは言っても「are notaren't」「do notdon't」のように必ず短縮形にして使います。

【補足】その他の否定疑問文

基本的には前項で紹介した形が「否定疑問文」です。

補足として、その他の「否定疑問文」の形も紹介します。

1「通常文」の形の否定疑問文

次のように「普通の文」の形なのに疑問形になっている否定疑問文もあります。

普通の文に見える疑問文

You don't like me ?
(あたしのこと好きじゃない?)

「You don't like me ?」で、形としては肯定文ですが、疑問文「Don't you like me」と同じですよ。

これは会話ではよく耳にします。

「Don't you like me ?」のように文末の声の高さを上げて発音します。

2動詞の前に「not」を入れる否定疑問文

一般的ではありませんが、動詞の前に「not」を入れる否定疑問文もあります。

動詞の前に「not」を入れる例

Do you not like me ?
(ボクのこと好きじゃない?)

「否定疑問文」への答え方

前項で説明したように「否定疑問文」の作り方は難しくありません。

多くの日本人を困らせるのは、否定疑問文で聞かれたときの答え方でしょう。

【日本語と英語の違い】「否定疑問文」への返事

否定疑問文と言えば「英語は日本語とは返事が逆になる」と聞きますよね。

では、日本語と英語の「否定疑問文」への回答の違いを比較してみましょう。

1【日本語】「否定疑問文」への返事

まずは日本語の「否定疑問文」への返事の例です。

日本語での応答

疲れてない?

うん。大丈夫!

「疲れてない?」と聞かれ、「疲れている」と答えたいときには「はい」になりますよね?

2【英語】「否定疑問文」への返事

次は英語の「否定疑問文」への返事です。

英語での応答

Aren't you tired ?
(疲れてない?)

No, I'm OK.
(いや、大丈夫!)

そうです。
日本語とになります。

え?
ややこしくね?

英語の「否定疑問文」への回答で混乱しない方法

では、英語の「否定疑問文」への回答で混乱しない方法をお伝えしましょう。

【重要】日本語に翻訳しない

まずは、絶対に日本語に翻訳しないようにしてください。

つまり「返事が日本語と逆になる」というルールを忘れ去ってしまいましょう。

え?
忘れてもいいの?!

はい、いいのです。

否定疑問文で聞かれるたびに「えーと『いいえ』と言いたいけど逆にするから……」と考えるなんてムダすぎます。

こんな「まやかしのルール」ではなく、本当のルールを身につければいいだけですから。

【ポイント】英語は否定疑問文も同じ返答

「日本語と逆」の代わりに覚えてほしいルールは、英語では「通常の疑問文、否定疑問文に関係なく同じ返答でいい」ということです。

では、先ほどの例にあった質問を「通常の疑問文」に置き換えてみましょう。

通常の疑問文に直した例

Aren't you tired ?
(疲れてない?)
Are you tired ?
(疲れてる?)

No, I'm OK.
(いや、大丈夫!)

通常の疑問文「Are you tired ?(疲れてる?)」に対し「疲れてないよ」と言いたいときは「No(いいえ)」です。

そして「Aren't you tired ?(疲れてない?)」に対して「疲れてないよ」と言いたいときも「No(いいえ)」になるのです。

つまり、どちらで聞かれても疲れている場合は「Yes」、疲れていなければ「No」と答えるだけ!

通常の疑問文も否定疑問文の回答は同じ
通常の疑問文も否定疑問文の回答は同じ

繰り返しになりますが「Are you tired ?」でも「Aren't you tired ?」でも
どちらも返事は同じなのです。

  • Are you tired ?
  • Aren't you tired ?

「疲れていない」と答える場合、
返事はどちらも「No」になる!

どうでしょうか? 英語の否定疑問文のほうがシンプルではありませんか?

【対策】否定疑問文を「普通の疑問文」に変えて返事をする

ルールがわかったところで、実際に否定疑問文で質問をされたときの対処法をお伝えします。

こちらの質問をご覧ください。

否定疑問文の例

Don't you have a smartphone ?
(スマホ持ってないの?)

すかさず、頭の中で「否定疑問文」を「普通の疑問文」に直しましょう

頭の中で通常の疑問文に変換

Don't you have a smartphone ?
(スマホ持ってないの?)
Do you have a smartphone ?
(スマホ持っている?)

あとは、この通常の疑問文に返事をすればOK。

否定疑問文も通常の疑問文も同じ返事になりますから!

Yes / Noの返事が不要な否定疑問文

「否定疑問文=必ず Yes / No で答える」というわけではありません。

たとえば次の例のように、返事が不要な場合もあります。

I bought the new game, but I haven't played it yet.
(例の新しいゲーム買ったけど、まだやってない)

What ?
Haven't you played it yet ?
(ええ? まだやってないの?)

形は「否定疑問文」ですが、これは「やっていないという事実」を知ったうえで驚いていますよね。

つまり「やったかどうか」を聞いているのではないため「Yes / No」で答える必要もありません。

「否定疑問文」への返答を練習する方法

さて、否定疑問文への返事の仕方を紹介してきましたが、慣れないと混乱するかもしれません。

では、英語式の返事の仕方に慣れるにはどんな練習をすればいいのでしょうか?

日本語でも英語式で回答して練習

日本語で話しているときも英語式で返事をする方法をだんぜんオススメします。

英語式に染まり切るために、日本語の否定疑問文でも英語式で答える!

たとえば次のようにです。

お腹すいてない?

うん、すいてるよ

ここでのポイントは「うん」だけで終わらせないこと。「うん」だけだと次のように逆の意味になりますから。

お腹すいてない?

うん=すいてない)。

そっかー、ボクはお腹ペコペコなんだけどな。

返事をするときに「うん」だけで終わらせずに、後ろにフォローする文章を加える。これだけで誤解はなくなります。

我々にとっては、英語よりも日本語のほうが簡単なので、誤解されない工夫もできますよね。

英語式の返事に染まりきってしまえば、英語の「否定疑問文」で聞かれてもとっさに答えられるようになります

ネガティブな意味を持つ単語に注意

否定疑問文への返答は、慣れると想像以上に簡単にできるようになります。

でも「過剰般化」には気をつけてください。

たとえば、ネガティブな意味を持つ単語で質問されたとき。

Do you hate onions ?
(玉ねぎは嫌い?)

Yeah.
(うん)

「hate(嫌い)」は「don't like(好きじゃない)」と似ているので、一瞬混乱してしまいそうですよね。

「Do you hate(嫌い?)」は通常の質問文なので「嫌い」と回答する場合は「Yes」が正解です。

「hate」を使って、さらに「否定疑問文」になると、さらに手強くなります。

Don't you hate onions ?
(玉ねぎは嫌いじゃないの?)

Yeah. I hate them.
(うん、嫌いなんだ)

この場合も、通常の疑問文「Do you hate onions ?」に変換して冷静に答えましょう。

【参考】英語の「否定疑問文」に慣れすぎて困った体験

アメリカ留学時、わたしは前項で紹介した練習で「否定疑問文」への返事に完璧に答えられるようになりました。

ところが、これが日本語のほうにも影響を与えてしまったんです。

帰国後、自動車の運転免許を取るために、筆記試験の勉強をしていたときのこと。

解答はすべて「はい / いいえ」で答える形式で、自信があったにもかかわらず毎回5問以上は間違っていたのです。

「なぜだろう?」と見なおしていたら間違っていた問題はすべて「否定疑問文」だったことに気づきました。

たとえば、次のような質問です(こんな質問はありませんが)。

否定疑問文の問題

【Q】目を閉じて運転しない
【A】はい / いいえ

もちろん、日本語だと「はい(=運転しない)」が正解になります。

でも英語の否定疑問文「You don't drive with your eyes closed.」だと「No」が「運転しない」の意味になってしまう。

ということで、英語式に慣れすぎるのはオススメですが「はい / いいえ」で答える筆記試験では気をつけるようにしてくださいね。

【補足】「否定疑問文」の返答がさらに逆になるケース

最後に補足として「否定疑問文」の返答が、さらに逆になるケースも紹介しましょう。

英語でも日本語でも、逆になるケースがあるので知識として知っておくとおもしろいはずです。

英語で「日本式」の回答が許容されるケース

渡邊 信 氏による論文では、日本式の回答も許容される可能性について書かれています。

英語の否定疑問文に対する日本語的な応答

渡邊 信 著『英語の否定疑問文に対する日本語的な応答』(2012年 麗澤大学英米文化研究会)より引用しました。

つまり、次の2つ目、3つ目の例文では、日本式の回答も許容されます。

日本式回答が許容されるか?

  • Didn't you go ?
  • You didn't go ?
  • Did you not go ?

日本式で返事をした場合、意味合い的には次のようなニュアンスだそうです。

ニュアンス

  • Yes, you are right. I didn't.
    (あなたの言う通り、行かなかった)
  • No, you are not right. I did.
    (あなたの言う通りではなく、行った)

「Yes / No」というのは「あなたの言っていること」に対してで、日本語式と同じニュアンスだということですね。

ただ、基本的には英語式の回答を使い、ネイティブの人が日本式で答える可能性もあると覚えておくといいでしょう。

日本語で「英語式」の回答が使われるケース

逆に、日本語でも「英語式」の回答が使われるケースもあります。

英語の否定疑問文に対する日本語的な応答

渡邊 信 著『英語の否定疑問文に対する日本語的な応答』(2012年 麗澤大学英米文化研究会)より引用しました。

行ったんじゃないの」のように「〜ではないのか?(〜じゃないのか?)」という聞き方だと、英語式の回答が期待されるのです。

どちらも「はい」という答えが期待されているようにも見えますね。

つまり、次のような期待が裏にあるのかもしれませんね。

回答への期待

  1. 「行かなかった」という答えを期待
    「行かなかったんですか?」と質問
  2. 「行った」という答えを期待
    「行ったんじゃないの?」と質問

なぜ日本語と英語では返事が逆になる?

そもそも、なぜ日本語と英語では返事が逆になるのでしょうか?

これは発想の違いでしょうね。

寺門 伸 氏と佐藤 利哉 氏の論文には次のように書かれています。

 日本語の否定疑問文は否定の答えを予想して発せられるが、英語の否定疑問文は肯定の答えを予想している。したがって、それに対する答え方が、日本語と英語ではまったく逆になる。

寺門 伸・佐藤 利哉 著『否定疑問文に対する日本語と独語・英語の考え方の相違』(2008年 愛知教育大学英語英文学会)より引用しました。

たとえば、次の例を見てください。

まだ食べてないの?
日本語で「食べてないの?」と聞くときは「はい、食べてません」を期待するときに言う
Haven't you eaten yet ?
英語で「食べてないの?」と聞くときは「Yes, I have(はい、食べてます)」を期待するときに言う

どちらも「はい」を期待したときに否定疑問文を使うのは同じです。

でも、日本語だと「〜ません」という否定の返事を、英語だと「〜ます(です)」という肯定の返事を期待したときに否定疑問文を使うという違いがあるのです。

本記事で紹介したように「否定疑問文」自体は簡単ですが、答えるときは少し練習が必要です。

とにかく、否定疑問文を日本的に翻訳するのは絶対にやめてください

頭がこんがらがるだけですから。

とにかく最初のうちは「not」を取りはらい、普通の疑問文だと思って返事するといいですよ。

よく似た文法に「付加疑問文」もあるので、こちらもご確認ください。

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執筆者:
アメリカ留学で言語に興味を持ち日本語教師に。その後、自分が「音声学」に猛烈に惹かれることに気づく。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。「ヨッセンス」という月間に100万回以上読まれている人気ブログも運営するプロブロガー。>>ヨスについて詳しくはこちら
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