アメリカの子ども向けのテレビ番組として世界的に有名な「SESAME STREET(セサミストリート)」、日本でも英語学習のために見ている人も多いと思います。
そもそも子ども(未就学児)向けの番組なので、子どもが楽しめる内容になっているのですが、実は、おとなが見ても楽しめるのです。
今回は、そんな「セサミストリート」についてまとめました。
目次
王道の子ども向けテレビ番組「SESAME STREET」
アメリカで子どもが見る教育番組の王道といえば、「SESAME STREET(セサミストリート)」です。
.@torikelly, @jasonderulo, @Sia and more are helping @bertsesame & @SesameErnie celebrate #RubberDuckieDay! Watch the full video: https://t.co/jeQZjbCf89 pic.twitter.com/ypAnDS1Byw
— Sesame Street (@sesamestreet) 2018年1月13日
日本でも、以前NHKのEテレで放送していたので、見たことがあるという方も多いと思います。
今も日本で放送されていると思ったのですが、2018年1月現在、放送されていないようです。
さて、この「SESAME STREET」は、日本人には「英語学習用」のイメージが強いですが、アメリカでも未就学児に大人気です。
アメリカの子どもたちも「SESAME STREET」を見て、たくさんのことを学びます。
実際、初回が1969年11月ですから、私の夫も
小さいころ、「SESAME STREET」を見て育ったよ!
……と言うくらい、国民的人気の長寿番組です。
私の住んでいる地域では、テレビでも放送されていて、もうすぐ3歳になる私の娘も大好きです。
おとなが見てもおもしろい「SESAME STREET」
ある日、夫が娘と一緒に「SESAME STREET」を楽しそうに見ていたのです。
「一緒に楽しく」というよりは、夫が楽しそうに見ているのです。その横で、娘も楽しそうに見ていました。
「同じものを見て、個々に楽しんでいる」感じだったのです。特に夫は、声に出して笑うこともあり、私には「???」な光景でした。
不思議そうにしている私に、
タカコ、「Iron Chef」ていう日本のテレビ番組を知ってる?
「アイロン・シェフ」? なに「鉄の料理人」って。日本のテレビ番組?
ちょっと前のテレビ番組なんだけど、絶対タカコも知ってるはず。日本でもすごく人気だったはずだから。
えー、そんなこと言われても……
あ!! 「料理の鉄人」か!!
今、そのパロディをやってるんだよ。けっこうおもしろいよ。
見ると、たしかに鹿賀丈史氏のきらびやかな衣装を真似たような服を着た人(アメリカでは有名人らしいです)が、特徴あるしゃべり方で、3人の鉄人と挑戦者らしき設定のキャラクターと一緒に演じています。
Jason Schwartzman hosts the 'Sesame Street' version of 'Iron Chef' & it's the greatest pic.twitter.com/k5LxXZXQZ4
— Cameron Williams (@MrCamW) 2017年10月20日
そう、1990年代に日本でフジテレビ系で放送されていた「料理の鉄人」のパロディを「SESAME STREET」がやっていたのです。
でも、私には、当時日本にいなかった夫が、なぜ「料理の鉄人」を知っていたのか、不思議でした。
ところで、どうして「料理の鉄人」を知ってるの?
アメリカで英語に吹き替えて放送されていたんだよ。「Iron chef」というタイトルで。
リメイクじゃなく?
そう。日本のテレビ番組のまま、言葉だけ英語にして。すごくおもしろくて、人気があったんだ。
へー! そうだったんだ!! でも、なぜそれが「SESAME STREET」に? 子どもたちが見ても、そのパロディだって気づかないのに。
子どもたちは「Iron chef」を知らないのに、パロディをしたところで意味があるの? と思いませんか?
知らなくていいんだよ。子どもたちは、「SESAME STREET」のものとして楽しめるし、一緒に見るおとなは「Iron chef」のパロディとして楽しめるから。
へぇ。でも、どうして、おとなも楽しめる内容になってるわけ?
だって、親は子どもと一緒に見る機会が多いのに、子どもだけに向けた内容だと、おとなが退屈でしょ?
え? そんな理由??
もしかしたら、日本の「仮面ライダー」の主役がイケメン俳優なのと同じ理由かもしれないですね。
あれは、子どもと一緒に見るお母さんが楽しめるように(見たくなるように)、ということでイケメン俳優が起用されているとか……。
たしかに、子どもにとっては、仮面ライダーは、イケメンであろうとなかろうと、あまり関係ないはずですから。
その後、「SESAME STREET」を見ていると、ミュージカルでおなじみの「レ・ミゼラブル」や有名な映画「ロード・オブ・ザ・リング」のパロディもありました。
もちろん、子どもたちは、ほぼ元の作品を知るはずもありません。それでも、楽しそうに見ています。一緒に見るおとなも、元の作品を思い出しながら、退屈することなく楽しめるのです。
つまり、「子ども向け」でありながら、「子ども向けだけではない」ということなのです!
むしろ、元の作品を知っている方が、そのパロディは楽しめるかもしれませんね。夫は、笑いながら見ていましたから。
子どもと一緒に見る、子ども向けのテレビ番組を、おとなも楽しめるなんて、素敵だと思いませんか?
学問ばかりではない「SESAME STREET」
さて、「SESAME STREET」は、さすが国民的な長寿番組なだけのことはあって、ちょっとした社会的なことを取り上げるなど、内容も充実しています。
アルファベットや数などの学問的なことだけではないんです!
例えば、自閉症の「ジュリア」が登場する回も印象的です。
ジュリア(Julia)はこちらです。
Julia, the 1st Sesame Street character with #autism is helping to teach children about #ASD https://t.co/tQiNj6yBQO #AutismAwareness
— Animate Behavior (@AnimateBehavior) 2018年1月14日
ビッグバードが、ジュリアと出会って握手しようとしますが、ジュリアは無反応。
ビッグバード(Big Bird)はこちら。
#ThrowbackThursday 💛 pic.twitter.com/K1FvAzeEnL
— Yellow Feather Fund (@YellowFeather) 2018年1月11日
自分が嫌われていると思って動揺するビッグバードに、エルモ(Elmo)が……
「ジュリアにはジュリアのコミュニケーションの取り方があるんだよ。ジュリアは自閉症なんだ」
と言うところから話は始まります。
こちらはエルモ(Elmo)。
Elmo is a sleepy monster today! Ha ha ha! pic.twitter.com/xXP1QUjV92
— Elmo (@elmo) 2018年1月17日
未就学児向けの番組の中で、「autism(自閉症)」という言葉がはっきり出てくることだけでも少し驚きました。
でも、「ジュリアにどう接するか」などのやり取りを含め、自閉症への理解を深める内容となっています。
アメリカの多様な価値観を象徴
ほかにも自閉症などの障がいについてだけではなく、異文化を紹介するような内容もたくさん見かけます。
アメリカでは、いろんな人種や民族の人々が暮らしていて、価値観も多種多様ですから。
「人はみんな違う。違っていていい」という考え方が根付いています。
それは「お互いを理解して受け入れる(=共存する)」という考えにつながっているのですが、子どもたちは、番組を通して、学問以外のことも学ぶのです。
アメリカ人の考え方を垣間見ることができますから、それ自体日本人には「異文化」で、新鮮だと思います。
まとめ
いかがでしたか?
おとなも楽しめる「子ども向けのテレビ番組」として、「SESAME STREET」はうってつけです。
アルファベットや数字の勉強だけの、ただの「子ども向け番組」ではありませんから。
ただ、ほかの子ども向けの番組よりは、少し話すスピードが速いのか、私は会話の聞き取りが難しく、慣れるまで少し時間がかかりました。
登場するキャラクターそれぞれが魅力的な個性を持っているのもいいですね。
会話の聞き取りに慣れてくると、そういうこともわかってくるので、さらに楽しめますよ。
こちらの公式YouTubeチャンネルでもいろいろ見られるのでぜひご覧ください。