わたしは2024年に、はじめてTOEICの満点を取りました!
この記事では、TOEICで満点を取るのに必要な学習時間や、TOEIC満点の価値があるケース、TOEICで満点を目指す勉強方法などを紹介します。
先にまとめておくと、次のとおりです。
本記事のまとめ
詳しくは、続きをお読みください。
この記事の「TOEIC」は、「TOEIC L&R」を指しています。
目次
TOEICの満点は990点
冒頭で述べたように、TOEICの満点は990点です。点数の内訳を表にすると次のとおり。
セクション | 点数 |
---|---|
Listening | 495点 |
Reading | 495点 |
合計 | 990点 |
TOEICは「Listening(リスニング)」と「Reading(リーディング)」のセクションがあり、それぞれ495点。合計で990点です。
なぜ中途半端な990点なのかを調べたこともありましたが、けっきょくわからずじまいでした……。
点数が決まる仕組み
TOEICの点数は、どのように決まるのでしょうか。
ひとつ言えるのは、1問=1点などと、問題ごとの点数が決まっているわけではないということです。
TOEICを運営する「国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)」の公式サイトには、次の解説があります。
このスコアは正答数そのままの素点(Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)と呼ばれる統計処理によって算出された換算点(Scaled Score)です。
【公式】テスト結果について|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
難しいことばが並んでいますが、「1問ごとの配点が決まっているわけではなく、何らかの統計処理をしてスコアを出している」ことがわかればOKです!
満点を取れる人は何%いる?
TOEICの満点である990点を取れる人は、何%ぐらいなのでしょうか。
残念ながら、公式サイトには情報がありませんでした。
ただ、同サイトによると2021年度に895点以上を取った人は4.2%だったそうです。
895点以上を取れるのは100人中4人ぐらい。
これでも少ない! 想像になりますが、きっと満点を取る人は1%もいないでしょうね。
TOEIC満点を取るのに必要な学習時間
TOEICで満点を取るのに、必要な学習時間はどれぐらいなのでしょうか。
残念ながら、公式の情報はありません。
ですが、TOEICで満点を取れるレベルは、「CEFR」という基準で「C1」というレベルです。
TOEIC満点とC1レベル
TOEICを運営する「国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)」の公式サイトに次の解説があります(太字はサトによる)。
CEFRはヨーロッパで作成された外国語学習者の習熟度レベルを示すガイドラインとして、欧米で幅広く導入されてきています。A1~C2までの6段階の言語力レベルのうち、TOEIC TestsではおおよそA1~C1程度の英語力(中略)を測定できます。
IIBC公式サイト
TOEICでは「C1」レベルまで測定できるということなので、満点=C1レベルということになります。
ちなみに「C1」レベルについてはイギリスの公的な国際文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」のサイトで次のように定義されています。
いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) | ブリティッシュ・カウンシル
「C1レベル=TOEIC満点」と言えるので、C1レベルに到達するのに必要な時間や語彙数が、TOEICで満点を取るのに必要な時間・語彙数と言ってもいいでしょう。
C1レベル到達にかかる時間
では、C1レベルに到達するのに、どれぐらいの時間が必要なのでしょうか。
坂田 浩氏・福田 スティーブ氏による論文「日本人の英語学習時間について」に答えがありました。
この論文のポイントは、次のとおりです。
「日本人の英語学習時間について」のポイント
C1レベルに到達するには、大学までに約2,200時間勉強した上で、その後も継続的な勉強が必要なんですね。図にすると次のとおりです。
やはり、自習のみだとかなりの時間がかかってしまうようです。かといって、英会話スクールなどに通っても3,350時間かかるので短いとは言えません。
がんばって1日に3時間勉強しても、1,000日=3年以上かかりますからね。
かんたんにはいかない時間です。
TOEIC満点を取るのに必要な語彙数
TOEIC満点を取るのに必要な語彙数を調べました。
こちらも公式の情報はないため、「C1レベル」に到達するのに必要な語彙数として紹介します。
結論から言うと、10,000〜15,000語をおさえれば、C1レベルにたどり着けます。
……と軽く書いてしまいましたが、よく考えると途方もない数字です……。
10,000〜15,000語という数字を出す根拠になったのは、次の2つの資料です。
「10,000〜15,000語」の根拠
- 文部科学省作成の「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」
- 「英ナビ!(公益財団法人 日本英語検定協会の公式サイト)」の作成する英検の語彙数の目安
1によると、C1レベルは英検1級と同等ということになっています。
そして2によると、英検1級に合格するのに必要な語彙数は10,000〜15,000語だそうです。
この2つの情報から、C1レベル到達に10,000〜15,000語が必要という結論に達しました!
英語力は語彙だけで決まるものではありませんが、ご参考まで。
TOEICで満点をとる価値がある人
前項で解説した通り、C1レベル=TOEICで満点を取れるレベルにたどり着くには、かなりの時間を勉強に注ぎ込まなければなりません。
そこまでして満点をめざす価値はあるのでしょうか?
TOEICで満点を取ることに意味があるかどうかは、ケースによります。
たとえば次のようなケースで満点を取りたいのであれば、価値があるでしょう。
TOEIC満点の価値があるケース
それぞれ解説します。
他と差別化したい場合
まず、他と差別化したい場合です。
差別化すると、たとえば次の可能性が開けます。
差別化で開ける可能性
それぞれ、掘り下げます。
就職・転職活動が有利に進む
まず、就職・転職活動が有利に進む……かもしれません。
「TOEIC990点」と履歴書にあると、採用担当者の目を引くことはできるでしょう。
わたしも大学4年生のとき「TOEIC800点台」を履歴書に書いていたからか、書類選考はすべて通りました。
ただ、一番行きたかった会社には採用されませんでしたが。
「TOEIC満点」の看板は、書類選考で有利になることは間違いありません。採用されるかどうかはまた別の話ですが。
名が売れる
それから「TOEIC満点」という看板を掲げることで名が売れる……かもしれません。
「TOEIC満点」を自身のブランドにして、インフルエンサーになるとかですね。
ただし、TOEICで満点を取ること自体、めちゃくちゃハードルが高いのですが、その先のブランディングも楽な道ではなさそうです。
なぜなら、TOEICで満点を取ったことのある方は、もはや珍しくないから。
たとえば、『英語がニガテで高校時代に「E判定」だったボクが超有名大学へ進学しカリスマ英語講師になってTOEIC(R) L&Rテストで満点を89回もとった 超効率! 英語勉強法 』という本の著者である森田氏は、タイトルの通り、89回も満点を取っています(2023年5月時点で100回を超えている)。
1回満点を取るだけでは希少価値が減ってきているのかも。
こういう話を聞くと感覚が麻痺してきますが、1回満点を取るだけでも非常にすごいことです。
とにかく満点を取りたい場合
理由はなく、とにかく満点を取りたい人の場合もTOEICで満点を取る価値があります。
「TOEIC満点を取ってあれをしよう、これをしよう」という考えではなく、満点を取ること自体が目的の場合ですね。
ここまで来たら、純粋に応援したくなりますし、尊敬します!(わたしにはできないので)
【参考】わたしはTOEIC満点をめざすのをやめていました
TOEICで満点を取ったわたしですが、近年では満点をめざすのをやめていました。そこまでする価値を感じないからです。
RPGでも、レベル1から2に上げるのと、レベル98から99に上げるのとでは大変さがぜんぜん違いますからね。
こんなことを言うとアレですが、わたしにとっては900点すらを突破する必要もありませんでした。
給料や昇進には、これっぽちも影響しませんでしたし……。
TOEICで満点をとるには莫大な時間だけでなく、運もあります。そこまでして完璧をめざすかどうかは目的で決定してくださいね。
TOEICで満点をめざす勉強方法
わたしがTOEICで満点を取った勉強法はこちらです。
TOEIC満点を目指す勉強方法
優先したい方法の順に並べました。
多読・多聴が1番目になっているのは、英語を使う力をつけ、結果としてTOEICで満点を取るという順で行きたいと思っているからです。
勉強方法について、詳しく解説しますね。
多読・多聴をする
まず、多読や多聴です。
何をするかと言うと、次のとおりです。
一見、遠回りに見えるかもしれませんが、英語力は着実に身につきます。
ここでいう「英語力」は、英語を実際に使う力と、英語の試験で点を取る力の両方です。
体験として、多読をするとなんとなく英語が頭に残って、TOEICの問題を解くときにも役立ってくれました!
TOEICの問題を解く→弱点を参考書でつぶす
次は、TOEICの問題を実際に解いて、弱点を参考書でつぶす方法です。
「参考書」には、単語集も含みます。
ふつう、参考書を読んでから問題を解くんじゃないの……?
……と思われたかもしれません。
でも、問題を解いてから参考書を読む方が効率がいいという研究結果があるんです。
TOEICで点を取るノウハウを少し学ぶ
最後に、TOEICで点を取るノウハウを少し学びます。
方法はいろいろありますが、個人的には本がおすすめです。
先ほど紹介した『英語がニガテで高校時代に「E判定」だったボクが超有名大学へ進学しカリスマ英語講師になってTOEIC(R) L&Rテストで満点を89回もとった 超効率! 英語勉強法 』という本にも、次のようなノウハウが載っているので、気になるならお読みください!
TOEICで点を取るノウハウ
- 各Partのパターンとは?
- リスニングで聞きとれる単語と聞き取れない単語の違いは?
- リーディングセクションで戦略的に捨てる問題パターンとは?
- リーディングセクションの攻略テクニックとは?
- リーディングセクションの時間配分は?
個人的には「戦略的に捨てる問題」という考え方が衝撃的でした。
限られた時間の中で、問題を全部解くことが大切だと思っていたので……。
よくある質問
最後にTOEICについてよくある質問をまとめました。
まとめ
この記事では、TOEICで満点を取るのに必要な学習時間や、TOEIC満点の価値があるケース、TOEICで満点を目指す勉強方法などを紹介しました。
結論は、次のとおりでしたね。
本記事のまとめ
この記事を読んで、TOEIC満点を目指すかどうかの判断材料になれば幸いです。