誰かが困っているように見えたときに呼びかける表現に「どうしたの?」があります。
英語であろうと日本語であろうと、日々の暮らしの中でよく使う言葉ですよね。
今回は、「どうしたの?」を英語でどう言うのかについてです。
いろんな表現の使い分けや注意点を詳しく紹介しますね!
目次
基本的な「どうしたの?」の使い分け
「どうしたの?」の英語表現は、いろんな場面で使えるのでいくつも言い方があります。
よく使うのはこちらの3つの表現になります。
例
- What’s the matter (with you) ?(どうしたの?)
- What’s wrong (with you) ?(何か困ったことがあるの?)
- What’s the problem ?(何が気に入らないの?)
上で紹介した3つの表現ですが、微妙に状況などによって使い方が違います。
全く同じというわけではないんですね。
まずこの3つの中で、マイナス(negative)な言葉が入っているのはどれでしょう?
例
- What’s the matter (with you)?
- What’s wrong (with you)?
- What’s the problem?
ぱっと目につくのが「wrong」と「problem」ですね。「wrong」は「right(正しい)」の反対語です。また、「problem」は「問題」ととらえていいと思います。
なので、この2つが入ったものは、明らかに何かがおかしい、よくないことが起こっている(ように見える)ときに使うようです。
では、この3つをもう少し見比べてみます。
What’s the matter ?(柔らかい表現)
まずは、「What's the matter ?」という表現です。
What’s the matter ?
(どうしたの?)
「matter」は、「事柄」とか「物事」という意味で、必ずしも起こっていることはマイナス(negative)とは限りません。
元英会話教師のアメリカ人の夫に聞いても、表現が一番やわらかいと言っていました(夫は「kind」という言葉を使っていました)。
一般的に「どうしたの?」と聞きたいときは、この表現がよさそうです。
What’s wrong ?(何がよくないの?)
2つ目はこちらの「What's wrong ?」です。
What’s wrong ?
(どうしたの?=何がよくないの?)
「wrong(悪い・良くない)」という単語を使っていることからわかるように、見た目から「not right(よくない)」というのが伝わってきます。
ここでは「何がよくないの?」というニュアンスです。
「浮かない顔をしているけど、どうしたの?」というようなときにはこの表現が合ってますね。
What’s the problem ?(きつめの表現)
3つめが「What’s the problem ?」というじゃっかんキツめの表現です。
What’s the problem ?
(どうしたの?=問題は何!?)
「問題(いやなことや困っていること)は何?」というニュアンスです。
もっと言うと「どうしたの? そんなに悪くないでしょう? どうしてダメなの?」というくらいのニュアンスで、表現としてはキツくなります。
補足:「What’s the problem?」の注意点
この表現に関して注意点があります。「What’s the problem?」は、必ず決まり文句として覚えましょう。
「あなたの」という意味で「you」を使って「What's your problem ?」とは言わないように!
2つの違い
- What's your problem ?(何か文句あんの?)
- What's the problem ?(どうしたの?)
これ、実際に私がアメリカ人の夫に間違って言っちゃったんですよ。
夫の機嫌が悪そうだったので、「どうしたの?」と言うつもりで、「What’s your problem?」と。
すると……すごい勢いで怒りだしたので、びっくりしました。
夫に聞いてみると、「What’s your problem?」は、
「何か文句あんの?」というけんかをふっかけるような言葉のようです。
典型的なFワード(使ってはいけないFから始まる言葉、「f**k」)レベルに聞こえるらしいです。機嫌が悪いうえに、私の言葉が火に油を注いだんですね(笑)。
言っても大丈夫な場面もある
言葉の並びだけを見ても、Fワードの表現になるような、危険なにおいはまったくしません。時と場合にもよると思いますが、注意が必要です。
ただし、「What's your problem ?」が使える場面もあります。
たとえば話し相手が「I have a problem.(困ったことがあるんだ)」と話した場合への返事です。
「What is that ?(それって、何?)」と返したりしますが、それと同じ感じで「What's your problem ?」を使うのは問題ないです。
I have a problem.
(困ったことがあるんだ)
What's your (the) problem ?
(どうしたの?)
相手の言葉に返すのではなく、いきなり自分から「What's your problem?」と言うのは避けた方がいいですね。
「どうしたの?」のほかの表現
上で紹介した3つは代表的なものですが、もちろんほかの表現もあります。
さらに3つの「どうしたの?」の表現も紹介しますね。
What’s bothering you ?(何に心配しているの?)
「bother(邪魔をする / 悩ます)」という言葉を使ってこんな言い方もします。
What’s bothering you ?
(どうしたの?=何に心配しているの?)
直訳では「何があなたの邪魔をしているの?」という意味です。
つまり「どうしたの? 何に心配しているの?」というような感じです。
What’s going on ?(何が起こっているの?)
「どうしたの? 何が起こっているの?」というようなときは、「What's going on ?」という表現も使います。
What’s going on ?
(どうしたの?=何が起こっているの?)
別の言葉でいうと「What’s happening ?」でしょうか。
たとえば、子どもが2人仲良く遊んでいたのに、急にけんかをしだす時があると思います。
「どうしてこんなことになったの?」とか「何がどうなっているの?」と思いますよね。
2人の間に何があったのか知りたい、そんな時はこの表現が合っています。
What’s up ?(親しい人同士で「どうしたの?」)
親しい人同士では、軽く「どうしたの? 何かあったの? 」という感じで「What's up ?」という言い方もします。
What’s up ?
(どうしたの?=あなたの中で何が起こっているの?)
この「What’s up ?」をはじめて夫に言われたときは、すごく違和感がありました。
でも「What's up ?」で「(あなたの中で)何が起こっているの?」というような感じになります。
様子がおかしいときに使うと、「どうしたの?」というニュアンスになります。
パートナーが改まって「ねぇ、ちょっと話があるんだけど……」と話しかけてきたら、「え? 急にどうしたの?」と思ったりしませんか?
そんなときに「What’s up ?(どうしたの?)」と答えたりします。
「What's up」は挨拶としても
また、「What’s up?」は、友達と会ったときに、あいさつのように使います。
What's up ?
(最近、どうよ?)
「最近、どう(どうしてた)?」という感じで親しい間柄でよく使う表現です。
「up」には、パッと現れるというニュアンスがあるため、「何がパッと現れた?=最近新しいことあった?」のような感じですね。
あいさつ代わりなので、「I’m doing fine」や「Not much(特に変わったことはないよ)」と手短に答えます。特に悩みを聞いているわけではありませんから。
ちなみに、「What's up ?」や「How are you ?」に関してはこちらにまとめていますよ♪
まとめ
一言で「どうしたの?」といっても、たくさんの言い方がありましたね。もう一度まとめてみます。
まとめ
- What’s the matter ?(どうしたの?)
- What’s wrong ?(なにがよくないの?)
- What’s the problem ?(どうしたの? そんなに悪くないでしょう?)
- What’s bothering you ?(どうしたの? 何に心配しているの?)
- What’s going on ?(どうしたの? 何が起こっているの?)
- What’s up ?([あなたの中で] 何が起こっているの?)
いろんな状況が考えられるので、たくさんの表現がありますが、使い分けはいっぱい聞いていっぱい使うしかありません!
ぜひ参考にしてみてくださいね♪