日常で「アイスを食べながら映画を観る」なんて状況はよくありますよね。
そういった2つの動作があるときの表現を付帯状況と呼びます。
今回は、付帯状況を使われている文の訳し方・作り方や「with」の使い方について詳しく紹介します。
目次
英語の「付帯状況」について
はじめに、付帯状況の意味・訳し方をハッキリさせましょう。
英語の付帯状況とはひとことで表せば「動作の追加」のことです。
「付帯状況」とは?
たとえば以下の「using her phone」の部分が付帯状況になります。
She always eats carrots, using her phone.
(彼女はいつもスマホをいじりながらニンジンを食べるんだ)
この例文の中に「ニンジンを食べる」と「スマホを使う」の2つの動作が入っていますよね?
2つの動作
- eat carrots(ニンジンを食べる)
- use her phone(スマホを使う)
「ニンジンを食べる」という動作がメインで「スマホを使う」というもう1つの動作がくっ付いて意味を広げているわけです。
このようにメインの動作に情報を追加するのが付帯状況の役割だと覚えておいてください。
付帯状況とは?
メインの動作に別の動作をくっ付けること
「付帯状況」の訳し方
付帯状況の基本イメージは「Aという状態でBする」というものです。
そのため、訳し方は「……しながら〜」となることが多いですよ。
他にも「……のまま〜」や「……して〜」としたほうがうまくいく場合もあります。
練習として「ユーチューブを観る」と「腕を組む」の表現を使った以下の例文を訳してみましょう。
He watched YouTube videos with his arms folded.
※ fold one's arms=腕を組む
どう訳しましたか?
「(彼は)腕を組みながらユーチューブを観た」としても、「腕を組んだまま〜」や「腕を組んで〜」としても正解です。
文脈に応じて自然な日本語にしてみてください!
説明をわかりやすくするために「動作」という言葉を使ってきましたが、付帯状況での動作とは「状況」のことです。
「状況」の例
それを「動作」と捉えても「状態」と捉えてもどちらでもOKですよ。
ちなみに文法書によっては「……しながら〜」のパターンに加えて「〜して……」という連続する動作も付帯状況と呼ぶこともあります。
He found some mistakes, sending a message to me.
(彼は間違いを見つけて、あたしにメッセージを送った)
「付帯状況」の2つの作り方
「付帯状況」の意味・訳し方がわかったところで、実際に作ってみましょう。
英語の付帯状況の作り方は2パターンあるので、それぞれ紹介していきますね。
with + O + C
まず1つは「with + O + C」の形です。
前置詞「with」の後に目的語(O)+ 補語(C)を続けると付帯状況を表せますよ。
目的語(O)の位置には名詞、もしくは代名詞を、補語(C)の位置には分詞などを持ってきてください。
たとえば、以下の英文の「with her eyes closed」の部分が「付帯状況」となっています。
She listened to music with her eyes closed.
(彼女は目を閉じて音楽を聴いていたよ)
分詞を使うときには「〜する」の意味なら現在分詞、「〜される」の意味なら過去分詞を使いましょう。
この場合は、目的語(O)である「her eyes(彼女の目)は、閉じられるほうなので過去分詞の「closed」になります。
「with + O + C」のときの「 O 」と「 C 」は、ちょうど「 O が C する」という主語・述語の関係になるのがポイントです。
補語Cの位置には分詞の他に形容詞・副詞・前置詞句を置くこともできます。
OもCも絶対に省略は不可ですよ!
分詞構文
もう1つの作り方は「分詞構文」です。
分詞構文とは、分詞を使って副詞句を作る技で、いきなり分詞で始めて文を続けることができます。
たとえば、以下の「watching YouTube videos」の部分が分詞構文ですよ。
He ate chips on the couch, watching YouTube videos.
(彼はユーチューブを観ながらソファでポテチを食べてたよ)
メインの文が先に来るときは、いったんカンマを打ってそこから分詞構文を続けてください。
文頭からいきなり分詞構文で始めて次のように言ってもOKです。
Watching youtube videos, he ate chips on the couch.
(彼はユーチューブを観ながらソファでポテチを食べてたよ)
分詞として現在分詞・過去分詞のどちらを使うかは「with + O + C」のときと同じく「〜する」なのか「〜される」なのかで決めましょう。
分詞構文については別記事で詳しくまとめているので、そちらを読んでみてくださいね。
付帯状況の他にもある「with + O + C」の3つの訳し方
付帯状況の作り方がわかったところで「with + O + C」の形の訳し方をさらに詳しく見てみましょう。
3つの代表的なパターンがあるので紹介していきますね!
付帯状況
まずは、今回のメインテーマである「付帯状況」です。
「〜しながら」や「〜のままで」のように訳してください。
たとえば、以下の「with your mouth full」のような場合ですね。
Don't speak with your mouth full !
(口をいっぱいにしたまましゃべらないで!)
シンプルに「口をいっぱいにして」でも大丈夫ですよ。
ちなみにこの例文の「full」の品詞は形容詞です。
このように「with + O + C」の「 C 」の位置には形容詞が来ることもできますよ。
原因・理由
「with + O + C」の2つ目の訳し方は、「原因・理由」です。
「〜なので」や「〜だから」と訳すこともあるんですよ。
たとえば以下の「with the lights on(電気を点ける)」の部分です。
With the lights on, I got scolded by my mom.
(電気を点けっぱなしだったから、お母さんに叱られたよ)
接続詞の「because」のようなイメージですね。
この場合の「on」は副詞です。
このように「with + O + C」の「 C 」の位置に副詞を置くことも可能となっています。
条件
3つ目は「条件」です。
「〜ならば」のように訳すパターンもありますよ。
たとえば以下の「with your hands into this box」の部分がそうですよ。
With your hands into this box, you will have a new experience.
(この箱に手を入れたら、キミは未知なる体験をするだろう)
条件の副詞節を作る「if(もし)」のような具合ですね。
この例文の場合は「your hands」が目的語(O)で、「into this box」が補語(C)です。
「 C 」の位置には、このように前置詞句が来ることもあります。
分詞構文はすべて付帯状況なの?
あとは、「分詞構文」と「付帯状況」の関係にも触れておきますね。
分詞構文は必ず付帯状況なのかというと、その答えは「No」です。
付帯状況ではない分詞構文もたくさんあります。
たとえば以下の分詞構文「doing the homework」は「〜するとき」と訳します。
Doing the homework, I found it too difficult for me.
(その宿題をしていたとき、ボクには難しすぎるとわかったよ)
このように、分詞構文には「〜するとき」や「〜だけれど」など様々な意味がありますよ。
逆に「with + O + C」の形は分詞構文の1種だと考えることができます。
文法的には独立分詞構文の文頭に「『with』が付いた形」とも考えられますよ。
独立分詞構文については別記事で紹介しているので、詳しくはそちらを読んでみてくださいね!
まとめ
今回は「付帯状況」という言葉を詳しく解説しました。
まとめるとこちらのようになります。
まとめ