英語の使役動詞まとめ | 基本はmake・have・let!訳し方・使い方・5つの種類など

使役動詞
サッシ

執筆者

WEBライター。旅をしながらブログを書いて生活。塾で英語を約20年教えた経験あり。早稲田大学 教育学部卒業。→ サッシについてはこちら

日常で誰かに「連絡させる」とか「掃除をさせる」なんて状況はよくありますよね?

このように、ほかの人におこなわせるときに使う「〜させる」という語法を「使役しえき」と呼びます。

そして、英文で「使役」を表現するときに大活躍するのが使役動詞です。

使役の訳し方・使い方・5つの種類など、今回は英語の「使役動詞」について詳しく紹介します。

英語の使役動詞とは?使役動詞の意味・訳し方

はじめに、使役しえき動詞の意味・訳し方から見ていきましょう。

英語の使役動詞とは「誰かになにかをさせる」という役割の動詞のことです。

たとえば、以下の例文の「have」が使役動詞ですよ。

I will have my brother call you later.
(あとで弟に連絡させるよ)

この場合は私( I )が「あなたに連絡する」という行為を弟(my brother)にさせていますよね?

主語が自分以外の誰か・なにかに強制・依頼・許可などをするのが使役動詞です。

訳し方は基本的に「〜させる」でOKですよ!

ちなみに使役動詞は英語で「causative verb」と言います。

ポイントは動詞の原形!使役動詞の使い方・文の作り方

訳し方がわかったところで、実際に使役動詞を使ってみましょう。

使役動詞の使い方

使役動詞の使い方には「決まった型」があります。ずばり以下の形に並べてください!

使役動詞の基本型

使役動詞動詞の原形

使役動詞の後に「誰(させる相手)」を持ってきて、すぐに「動詞(どうする)」を続ければOKです。

ちなみに、使役の形は文型でいうと第五文型になりますよ。

【ポイント】相手の動作は「動詞の原形」

ただし動詞は原形を使うのがポイントですよ。以下の例だと「him」のあとの「do」はかならず原形になります。

I make him do my homework
I make him do my homework

「make him」の次にくる「do」が原形になっていますよね。

もう1つの例を見てみましょう。

I will make my sister clean her room.
(妹に部屋を掃除させるよ)

よっぽど掃除ギライな妹さんなんでしょうね(笑)。

「make my sister」の後にくる動詞「clean」は原形になっています。

もし話題が過去の場合は、使役動詞は過去形にしますが「どうする(相手にさせる行動)」のほうの動詞は原形のままです。

過去形の場合

I made my sister clean her room.
(妹に部屋を掃除させたよ)

「使役動詞の後の動詞は原形!」と覚えておきましょう。

この場合の動詞の原形は文法用語では「原形不定詞」と呼ばれています。

基本はmake・have・letの3つ!使役動詞の一覧と使い分け

訳し方と使い方がわかったところで、代表的な使役動詞を見ておきましょう。

英語の使役動詞は限られた数しか存在しません。

ずばり以下の5つだけなんですよ!

使役動詞の一覧

  • make
  • have
  • let
  • get
  • help

基本的には「make」「have」「let」の3つで、例外として「get」「help」もあるというイメージでいてください。

以下、それぞれの特徴・使い分けを紹介していきますね。

make(無理やり〜させる)

まずは使役動詞「make」から見ていきましょう。

「make」は強制・義務の意味合いの使役動詞です。

たとえば以下のようなシチュエーションで使われます。

My dad made me weed the garden as a punishment.
(罰としてパパに庭の草むしりさせられたよ)

「強いて〜させる」「〜させられる」といった無理矢理やらせるようなニュアンスになりますよ。

使役動詞の中でもっとも強制度が高いのが「make」なんです。

そのため、主語が親・先生・上司などの場合によく使われますね。

自然災害や事故などの「抗えないもの」が主語のときに使われることもあります。次の例では「earthquake(地震)」を主語にしています。

The earthquake made many buildings collapse.
(その地震は多くの建物を崩壊させた)

have(〜してもらう)

お次に紹介する使役動詞は「have」です。

使役動詞の「have」は、次の例文のように依頼・提案の意味を含んでいます。

I will have my mom make a special dinner tonight.
(今夜はママにスペシャルなごはんを作ってもらうよ!)

本人の意思に反して使われる「make」と違って、「have」は本人が納得して自分の意思でおこなうのが大きな違いです。

そのため、お店の人や職場の部下に仕事・義務として「〜してもらう」というシチュエーションでも使われますよ。

また、使役動詞「have」の場合、動詞の原形の代わりに過去分詞も置けます。たとえば以下のような場合ですね。

I will have a tooth pulled this month.
(今月中には歯を抜いてもらうよ)

この英文では「pull(引く・抜く)」という動詞が原形ではなく過去分詞形になっています。

過去分詞を使う場合は、人ではなくモノが「〜される」という受け身の関係になるのがポイントです。

ほかには「髪を切ってもらう(my hair cut)」などの状況にも使えますよ!

I had my hair cut yesterday.
(昨日、髪を切ったよ)

この場合の「cut」は過去分詞です。現在形と形が同じなので注意。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
cutcutscuttingcutcut
「cut」の活用

ちなみに「I cut my hair」にすると自分で髪を切ったことになります。

let(自由に〜させておく)

続いては使役動詞の「let」を見てみましょう。「let」は許可・容認の意味合いの使役動詞です。

「〜することを許す」「自由に〜させておく」というニュアンスで使われます。たとえば以下のような状況です。

My mom let me watch YouTube videos yesterday.
(ママが昨日は自由にユーチューブを見せてくれたよ)

もっとも弱い・ゆるい使役動詞が「let」ですね。

使役の強制度は弱い順に並べると「let < have < make」だとイメージしておいてください。

使役動詞の強制度合いの比較
使役動詞の強制度合いの比較

ちなみにビートルズの代表曲「Let it be」やアナと雪の女王のテーマ曲「Let it go」の「let」も使役動詞ですよ!

英語のお決まり表現「Let me know(お知らせください)」や「Let me see(ええと……)」の「let」も実は使役動詞です。

get(こちらが相手に〜してほしい)

ここからは、ちょっと番外編な使役動詞を紹介しますね。

まずは使役動詞の「get」です。

動詞「get」は使役動詞としても使われるのですが、その場合は後に続く動詞を原形ではなく「to不定詞」にしてください。

つまり以下の形となります。

You can get my friend to take some pictures.
(ボクの友達に写真撮ってもらえるよ)

意味合いとしては「get」は説得・お願いのニュアンスで「こちらが相手に〜してほしい」という状況で使われますよ。

また「get」は「have」と同じように過去分詞を置くこともできます。たとえば次の例文のように。

He got his computer repaired yesterday.
(彼は昨日、パソコンを直してもらったよ)

過去分詞を使う場合は、動詞の前に「to」は置かないので注意しましょう!

help(……が〜するのを助ける)

最後に紹介する使役動詞は「help」です。

「help」も「get」と同じく、使役動詞+人の後には「to不定詞」を置きます。次の例文をご覧ください。

I helped her to find her smartphone.
(彼女がスマホを探すのを手伝ったよ)

……が〜するのを助ける」という意味合いになります。

ただ、使役動詞の「help」の場合、「to不定詞」の「to」は次のように省略もできます。

I helped her find her smartphone.
(彼女がスマホを探すのを手伝ったよ)

「help」は使役動詞というよりは「help + 人 +(to)動詞」で「……が〜するのを助ける」という表現として覚えておくといいですよ。

【暗記できたかチェック!】使役動詞×5つ

では最後に5つの使役動詞を暗記できたかをチェックしましょう。

強制・義務の使役動詞
(無理やり〜させる)

make

依頼・提案の使役動詞
(〜してもらう)

have

ゆるい使役動詞
(自由に〜させておく)

let

こちらが相手に〜してほしい

get

……が〜するのを助ける

help

まとめ

使役動詞は基本的には3つなので、覚えるのはそこまでむずかしくありません。

まとめると次の3つです。

使役動詞のまとめ

  • 使役動詞は「……に〜させる」という形を作る
  • 形は「使役動詞 + 人 + 動詞の原形」
  • 強制度は低い順に「let < have < make

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中村サッシ
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塾講師として英語・国語の指導を約20年してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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