それは英語でも同じで、その主語として言葉を使いたいときの形を「主格」と呼びます。
意味・役割や主に使われる2つの場合など、今回は英語の「主格」についてわかりやすく紹介しますね。
英語の主格とは?
まずは主格の意味からハッキリさせていきましょう。
英語の主格とは、ずばり「主語の役割をするときの形」です。
たとえば、代名詞「I(私は)」を使った以下の例文をご覧ください。
I like sushi.
(お寿司が好きなんだ)
この場合の主語は「 I 」で、述語は動詞の「like」です。
このように主語の役割として文中で機能するときの形を主格と言います。
「私」を表す代名詞は主格の「 I 」のほかに、所有格の「my」や目的格の「me」などもあります。
ですが、それらを使って以下のように言うことはできません。
代名詞の間違った使用例
主語の位置で使えるのは「主格」の形だけなのです。
英語の主格とはこのような意味・役割だと覚えておいてください。
主格がどのような品詞で使われるかについては、次の章で紹介していきますね。
ちなみに英語では「主格」を「subject」と言います。
英語で主格が使われる2つの場合
主格の意味・役割がわかったところで、どんな場合に使われるかを見ていきましょう。
英語で主格が使われる場合は主に、以下の2つです。
英語で主格が使われる2つの場合
代名詞
英語で主格が使われるひとつ目のシチュエーションは、代名詞としてです。
たとえば日本語で説明すると、自分のことを「名前」ではなく「私」で表す場合ですね。
「私」という代名詞は英語だと以下の4つの「格」に変化します。
格の種類 | 単語(意味) |
---|---|
主格 | I(私は) |
所有格 | my(私の) |
目的格 | me(私を) |
所有代名詞 | mine(私のもの) |
主格とは「I・my・me・mine」のなかの「 I 」のことと覚えておくといいですね。
なお、あなたなら「you」、彼なら「he」、彼女なら「she」です。
4種類の主格を使った例
I ate carrots a lot last night.
(あたしは昨日の夜、ニンジンをいっぱい食べたよ)
You love carrots. But Nick doesn't like them.
(キミはニンジン好きだよね。でもニックはニンジンが嫌いだよね)
He is a weird rabbit, and my sister prefers chili peppers to carrots.
(彼は変わったウサギだよな。で、姉ちゃんはニンジンより唐辛子が好き)
She is a weird rabbit, too.
(彼女も変わったウサギだね)
ざっくりと「活用表のいちばん左のやつ」と思ってOKです(参考:英語の人称代名詞とは)。
関係代名詞
英語で主格が使われる2つ目のシチュエーションは「関係代名詞」です。
たとえば、以下の英文をご覧ください。
I know the boy who is a famous YouTuber.
(有名なユーチューバーであるその男の子を知っているよ)
この一文は、「I know the boy(その男の子を知っている)」と 「He is a famous YouTuber(彼は有名なユーチューバーだ)」の2つの文が合体して構成されています。
ここで主格の代名詞である「He」の位置に置かれている「who」が関係代名詞です。
「He」の代わりとして機能しつつ、2つの文をくっつけています。
「who」は主格の代名詞として機能しているので「主格の関係代名詞」として分類されるんですよ。
関係代名詞にも主格・所有格・目的格があり、主格の場合は以下のように使い分けます。
関係代名詞の格の種類 | 単語(意味) |
---|---|
人についての説明 | who |
物事についての説明 | which |
特定の場合 | that |
さきほどの例文だと「〜is a famous YouTuber」は「the boy(その男の子)」という人についての説明ですよね?
物事ではなく「人」についての説明だから「which」ではなく「who」が選ばれていますよ(参考:主格の関係代名詞とは?)。
このように代名詞や関係代名詞には、主語の位置で使われる「主格」という形があると覚えておいてくださいね。
なお、主格の代名詞は「subject pronouns」、主格の関係代名詞は「subject relative pronouns」と言います!
主格と主語の違いは?
最後に、まぎらわしい主格と主語の違いを確認しておきましょう。
主格と主語は同じものかと言われたら、答えは「No」です。
以下の比較をご覧ください。
主格 | 代名詞や関係代名詞がとる形のひとつ |
---|---|
主語 | 動詞に対応する動作主 |
主格はあくまでも使われる位置によって変化する代名詞の形のひとつです。
主格・所有格・目的格などの「軸」で考えたときのとらえ方ですね。
それに対して主語は、動詞に対応する動作主という意味なので、形が変化しないものを指すこともあります。
たとえば、以下の2つの文をご覧ください。
- 「主語」であり「主格」である例
I like sushi.
(私はお寿司が好き)- 「主語」だけど「主格」ではない例
John likes sushi.
(ジョンはお寿司が好き)
ひとつ目の文の「 I 」は主語であり、「I・my・me・mine」と変化する「私」を意味する言葉の主格でもあります。
しかし2つ目の文の「John」は主語ではありますが、主格ではありません。
もしここで、代名詞「He」になっていれば、主格になります。
このように名詞や動名詞や不定詞が主語になっている場合は、主格ではないんです。
つまり、主語=主格ではないということになります。
主格は、格が変化する言葉が主語の役割をするときの形と理解しておいてくださいね!