関係代名詞の中で「whom」は馴染みが薄いですよね。
それもそのはず、実際は「whom」よりも「who」を使う人が多いからなんです!
でも、れっきとした関係代名詞のひとつなので、意味や使い方をぜひ知っておきましょう。
今回は英語の関係代名詞「whom」についてわかりやすく紹介します。
目次
英語の関係代名詞「whom」とは?
はじめに、関係代名詞「whom」とは何かをハッキリさせましょう。
英語には「who」や「which」などの言葉を使って「〜な〇〇」のように名詞を修飾できる関係代名詞という技があります。
そして、「whom」は関係代名詞として使える言葉のひとつなのです。
「whom」の使われる例
たとえば、以下の例文をご覧ください。
I have a brother whom you don't know.
(あたしには、あんたが知らない兄がいるんだ)
ここで「whom」は直前の「a brother(兄/弟)」という名詞がどんな人なのかということを、「whom」以降の「you don't know」の部分で説明しています。
これが「whom」を含む関係代名詞の意味・役割ですよ。
「whom」は目的格
そして関係代名詞の「whom」の大きな特徴のひとつは目的格として使われるということです。
目的格とは「目的語の位置で使うための形」のこと(参考:第三文型とは?)。
たとえば、英語で「キミは彼を知らない」は以下のようになります。
You don't know him.
(キミは彼を知らない)
「know(知る)」という動詞の目的語の部分に「him(彼を)」がきていますよね?
このときの「him」は「he」の目的格の形です。
「whom」の前は目的語が欠けた形
ここで、さきほどの関係代名詞「whom」を使っていた例文を思い出してください。
次のように「You don't know him」の文の「him」が抜けた形になっています。
I have a brother whom you don't know him.
(あたしにはあんたが知らない兄弟がいるんだ)
日本語訳で言えば「〜を」の部分が欠けた形ですよね。
このように関係代名詞より後の部分に目的語が欠けた不完全な文が置かれるのが「whom」の大きな特徴です。
まずはこういった意味・役割だと覚えておいてください。
ちなみに、実は「whom」は口語ではまず使わない文語的な言葉です。
後で詳しく紹介しますが、日常会話ではほぼ「who」を使いますよ。
関係代名詞「whom」の基本的な使い方
では、実際に関係代名詞「whom」を使ってみましょう。
「whom」の使い方は「人を表す言葉の直後に置いて、目的語が欠けた文を続けてその人の説明をする」です。
まずは以下の例文をご覧ください。
It is my brother whom you saw yesterday.
(キミが昨日会ったのはボクの兄/弟だよ)
注目点は「直前が人」と「目的語が欠けている」の2点ですよ。
「whom」の直前は「人」
まず、「whom」の直前に注目してください。
It is my brother whom you saw yesterday.
(キミが昨日会ったのはボクの兄/弟だよ)
物事ではなく「my brother(兄弟)」という人物を表す言葉がきていますよね?
関係代名詞「whom」が使えるのは、まずはこのように人物を表す言葉を説明する場合です。
このときの直前の言葉を先行詞と言いますよ。
「whom」の直後の部分には「目的語」がない
次に「whom」の後の部分をご覧ください。
It is my brother whom you saw yesterday.
(キミが昨日会ったのはボクの兄/弟だよ)
「you saw yesterday」だけを見ると「目的語が欠けている」というのがわかりますか?
意味的にも「何を」という部分が明らかに足りないですよね。
この「何を」の部分が目的語です。
「whom」を使うと、後ろの部分にある目的語がなくなります。
「先行詞が人」で「目的語が欠けている」場合にのみ使える関係代名詞が「whom」だと覚えておいてください(詳しくは後述)。
ちなみに「whom」という単語そのものは疑問詞として疑問文を作るときにも使われます。
関係代名詞「whom」と「who」の違いは?
基本的な使い方もわかったところで「who」との違いをまとめておきましょう。
「whom」も「who」も関係代名詞として使える言葉であり、共通点も異なる点もあります。
関係代名詞「whom」と「who」の共通点
まず以下の点は「whom」と「who」で同じですよ。
「whom」と「who」の同じ点
- 先行詞が人のときに使える
- 目的格として使う
どちらも直前が物事ではなく「人物」についての言葉であるときに使えます。
そしてどちらも目的格の用法として使えます。
先行詞が「人」で「目的格」なら「whom」を使うというのが教科書的な基本ルールですが、実際は「who」も目的格としてふつうに使いますよ。
関係代名詞「whom」と「who」の違う点
共通点に対して、「whom」と「who」の違う点は以下です。
「whom」と「who」の違う点
「whom」は主格では使えない
そう、「whom」は主格では使えないんです!
「who」は主格でも目的格でも使えますが、「whom」は目的格でのみ使える関係代名詞です。
ここが大きく異なるのでよく覚えておいてくださいね。
ちなみに先行詞が人のときに使う関係代名詞のなかで「whose」は所有格のみで使います。「whom」の代わりに使えることはないですよ。
関係代名詞「whom」の省略について
あとは関係代名詞「whom」の省略についても触れておきますね。
関係代名詞「whom」は省略できる
ずばり、関係代名詞「whom」は基本的には省略が可能です。
以下の2つの文をご覧ください。
- 省略なし
The boys whom I met yesterday were very shy.
- 省略あり
The boys
whomI met yesterday were very shy.
どちらも「私が昨日会った男の子たちはとても恥ずかしがり屋だった」という意味です。
「whom」をすっ飛ばしてそのまま続けてOKです!
これは「whom」を含めた目的格の関係代名詞に共通のルールですよ。
関係代名詞「whom」が省略できない場合
ただし関係代名詞「whom」を省略できない場合もあります。
それは「前置詞 + whom」の形になっているときです。
たとえば、以下の場合ですね。
She is the girl with whom I went camping.
(彼女が私が一緒にキャンプに行った女の子だよ)
これは元々「She is the girl whom I went camping with.」という文の最後の「with」が関係代名詞「whom」の前に出てきた形です(どちらの場所でもOK)。
このように「whom」の前に前置詞が来た場合は省略はできないので注意してくださいね。
ちなみに主格の関係代名詞は基本的に省略できません。
まとめ
今回は、関係代名詞「whom」の特徴を詳しく紹介しました。
まとめ
「who」よりも使いにくいイメージですが、省略できるので安心ですよね(笑)。