先日、4歳の長女が、プリスクール(保育園)1年目を終えました。
親として、子どもの学校生活をサポートするうえで、日本との違いで驚いたことがいろいろとあります。
その中でも一番大きな違いが学校の先生に個人的にギフトを贈る慣習があるということです。
今回は、この慣習について、何を渡せばいいのか? どのタイミングで渡せばいいのか?……などについて紹介します。
目次
学校の先生に個人的にギフトを贈る?!
長女が通っていたのは、プリスクール(preschool)で、日本でいうと、保育園のようなところです。
私にとってもはじめてのアメリカのスクールで、子どもをサポートするのも試行錯誤。
その学校には、友人や日本人がいませんでしたし。
とっても Adventure(アドベンチャー)な1年でした!
1年を終えて、やっと1年間の流れがわかったのですが、その中で、「先に知っておきたかった」と思ったことがあります。
それが、「アメリカでは先生に個人的にギフトを贈る慣習がある」ということでした。
私がその存在を知ったのは、ちょうどクリスマス休暇に入ってからのことです。
「先に知っておきたかった」のは、後述しますが、それまでにギフトを贈る機会があったからなんです。
先生に贈るギフトは強制なの?
先に述べておきますが、このギフトは、「任意」であって、「強制」ではありません。
つまり、「したい人はする」「したくない人はしなくていい」というものです。
ところが、昔から広く一般的にされている「慣習」のようです。
わたしは、そのことに気づいてから、慌ててアメリカ人の友人に聞いてみると、
ねぇ、ぜんぜん知らなかったんだけど、アメリカでは、学校の先生にギフトを贈るものなの?
そうね。でも、「しないといけない」わけじゃないわ。先生に感謝の気持ちを表したいときだけすればいいのよ。
えぇ……なんか難しいな。
その友人は、このように超ストレートに答えてくれました。
「たとえば、子どもに対する
先生の対応が好きなら贈ればいいし、イマイチだなと思ったら、する必要ない」
その友人は、過去にプリスクールや小学校で先生だった経験があり、彼女自身ギフトをもらう機会も多かったそうです。
彼女いわく、もらえたらうれしいし、もらえなくても気にしないし、ギフトの有無で子どもへの対応に差が出る、ということはないそうです。
先生にギフトを渡すのは年度末と新学期
では、どんなときに先生にギフトを渡すのでしょう?
この慣習の存在に気づいて、周りの日本人のママ友にも聞いてみると、たしかに先輩ママたちはそつなく行っているようでした。
先に聞いておけばよかった、と言えばそれまでですが、一般的な慣習だったので、聞きようがなかったというのも事実です。
さて、ママ友と前述のアメリカ人の友人の話も総合すると、一番大きなチャンスは学年度末なのだそうです。
「Teacher Appreciation」という言葉まであり、ギフトは「先生、1年間どうもありがとう」の意味を込めて贈ります。
もちろん、これも任意なので、「この先生、イマイチだったわ」と思ったら、する必要はありません。
ほかにも、学校(新しい学年)がはじまる直前にある「Meet the Teacher Day(担任の先生に対面する日)」でも良いようです。
担任の先生との顔合わせの日、「1年間よろしくお願いします」という意味を込めてギフトを渡すこともあります。
2月のバレンタインデーに先生にギフトを渡す
アメリカでは、小学校低学年くらいまで性別にかかわらず「友チョコ」のような、小さなギフトをバレンタインデーに用意します。
このときに、先生用にも感謝の気持ちを込めて、ちょっとしたギフトを用意する人も多いです。
長女のスクールは教会系なので、クリスマスを迎える休暇の前に渡す人も多いようでした。
クリスマスはキリスト教にとって大きなお祝い事でもあり、学年の前期を終える節目ですからね。
また、転校や留学などで途中から入学する場合も、何か用意するのもいいかもしれませんね。
大切なのは「いつ渡すか」ではなく「感謝の気持ちを込めること」
私は「Meet the Teacher Day」に「あれ? 何か渡している人がいる……」と気づきはじめました。
「これはいよいよおかしい。渡していないのはうちだけでは?」と心配になったのは、クリスマスのときでした。
それで、前述したアメリカ人の友人に聞いて事実を知ったのですが、
その際、に友人に相談したんですね。
私の国(日本)じゃ、先生にそういうことをしないから、今までぜんぜん渡してない……。
かまわないわよ。「しなくてもいい」んだから。
いや、そうじゃないんです! 私は先生にギフトを渡したかったんです!!
じゃあ、休暇明けに「新年おめでとう」の意味で、何か渡したら? 新年を迎えたらお祝いするわけだし、大事なのは感謝の気持ちをこめることだから、名目はけっきょくなんだっていいのよ。
なるほどね!! そうする!!
……というわけで、クリスマス休暇明け、新年を迎えてはじめての登校日に、ちょっとしたギフトを渡して、気持ちが少しすっきりしたのでした。
先生へのギフトは何を渡せばいいの?
さて、ギフトを渡したいという気持ちがあって、いつ渡せばいいのかわかった。
でも最大の悩みは何を渡せばいいの?ということです。
大事なのは、折に触れて「感謝の気持ちを表すこと」なので、大きなギフトでなくてもかまいません。
カードだけでも気持ちは伝わります。
でも「何か物を用意したい」という場合、周りの声を総合すると「5〜15ドルくらいで用意する」という声をよく聞きました。
物を用意する場合でも、ちょっとしたメッセージカードを付けるのがコツみたいです。
担任の先生との顔合わせや学年末に贈るギフトにはちょっとお金をかけて、バレンタインデーは小さなものですませる、という声もよく聞きました。
たとえばこんな感じですかね。
- 安価な物
- ある程度安価な物
- ちょっと高価な物
※ 手作りのお菓子については、ホームメイドのものはこんな時代ですから、人によっては敬遠される可能性があるので、先生との親しさの具合によりますね。
ホームメイドのものは避けた方が無難、という考え方のママ友も多いのも事実です。
新学期にもらう「先生の自己紹介カード」がヒントになる
実は、アメリカの学校では、新しい学年がはじまったときに、担任の先生の自己紹介をした紙をもらいます。
その中に、趣味、好きなもの、よく行くお店などが書いてあるんですね。
よくよく考えると、どんなギフトを渡せば喜んでもらえるのかというヒントがちりばめられているんです。
たとえば、「スターバックスによく行く」なんてことを書いていると、スターバックスのギフトカードを渡すと「間違いなし」に喜んでもらえる、というわけです。
ヒントを生かせられると、ギフトカードは最強のギフトになるのですが、ギフトカードは最低でも10〜15ドルくらいかかるんです。
ギフトカードは、ある程度「高価なギフト」になりますね。
アメリカでは、たいていクラスに先生が2人いるので、ギフトにかけるお金も2倍になりますね。
ちなみに、私は、新年を迎えたときは、長女と一緒に作ったクッキー、バレンタインデーにはチョコレート、学年末にはソープを渡しました。
先生へのギフトは小学校まで
プリスクールで当たり前にあるこの慣習ですが、いったいいつまで続ければいいのか……心配になりました。
そこで日本人ママ友に聞いてみると「小学校までだよね。やっぱり子どもに手がかかるからかな」ということでした。
ちなみに、小学校では、学年末の最終週は、「Teacher Appreciation Week(学校の先生に感謝をする週)」になります。
うちの学区では、その期間は保護者から学校の先生に寄付するお菓子類や文具類を、PTA が取りまとめるのだそうです。
もちろん、これも任意だそうですが。
アメリカではdonation(寄付)が盛んです。こういうところにも表れていますね。
まとめ
「学校の先生に個人的に何かを贈るなんて、考えられない!!」と思っていた私にはびっくりの慣習でした。
でも、「郷に入っては郷に従え」ですし、そうやって感謝の意を表す方法があるのであれば、私も倣いたいと思いました。
5月6月は、アメリカでは学年末を迎え、夏休みが終わると新学期がはじまります。
子どもさんを新たに学校に入れる親御さんがいらっしゃれば、ぜひ参考にしてくださいね。