英語の文法を勉強していて、多くの人が苦労するものの1つが「完了形」です。
「現在完了形」だけでなく、「過去完了形」という言葉が出てくると、「もうお手上げ!」という人もいるかもしれません。
かんたんに言うと、「駅に着いたとき、すでに電車は行ってしまっていた」のように、「過去の時点よりさらに過去のこと」を言いたいときに使う表現が過去完了形です
意味・形・作り方や過去形・現在完了との違いなど、今回は英語の過去完了形についてわかりやすく紹介します。
過去完了形について
では、過去完了形(past perfect)とは一体なにものなのでしょうか?
過去形・現在完了との違いをハッキリさせつつ紹介していきますね。
過去完了形の意味・形
まず、過去完了形の意味・形を見てみましょう。
英語の過去完了形とはその名前の通り「過去のある時点で完了したこと」を表す形です。
過去完了形の形は「had + 過去分詞」
過去完了形の形は、必ず「had + 過去分詞」になります。
過去完了形の形
had + 過去分詞
過去完了形の例文
文法的な意味・形を言葉で説明してもなかなかイメージしづらいので例文で紹介しましょう。
たとえば、以下の英文の「had finished」が過去完了形ですよ。
When I came home, she had finished eating.
(ボクが家に帰ったとき、彼女はもう食べ終わってたよ)
「私が家に帰った」というのは現在のことではなく、過去のある時点のことですよね?
その時点ですでに彼女は食べてしまっていたわけです。イラストで表現してみました。
このように「過去のある時点」で、「さらに古い出来事」からの流れをつなぐのが「過去完了形」です。
ちなみに、過去よりも「さらに前のこと」を英文法用語で「大過去」とも呼びます。なんかかっこいい言い方ですよね(笑)
過去形と過去完了形との違いは?
過去完了形の基本がわかったところで、過去形と過去完了形とを比べてみましょう。
過去形・過去完了の比較
まず、過去形との違いは「以前より続いていたか」です。
以下の2つの例文をご覧ください。
- 過去形
- She woke up at noon.
(彼女は正午に起きた) - 過去完了形
- When I arrived there, she had already waken up.
(私がそこに着いたとき、彼女はすでに起きていた)
過去形は「特定の瞬間に起きたこと」をただ表す
過去形は特定の瞬間に起きたことをただ表す場合に使います。
この例文の場合は「正午」という瞬間ですよね。
過去形
She woke up at noon.
(彼女は正午に起きた)
過去形は「点」というイメージです。次の図をご覧ください。
上の例のように過去形は現在とは関係ないため、現在ウサギさんが「まだ起きている」のか「二度寝した」のかはわかりません。
過去のある時点を「点」ととらえてそのことを伝えているだけなのが「過去形」なのです。
そのため、過去形は多くの場合、「10分前」「昨日」「去年」のような「いつか?」を示す言葉と一緒に使われますよ。
過去完了形は「ある過去の時点」よりもさらに前から続いていたことを指す
それに対して、過去完了形はある過去の時点よりもさらに前から続いていたことを指す場合に使いますよ。
過去完了形
When I arrived there, she had already waken up.
(私がそこに着いたとき、彼女はすでに起きていた)
上の例だと、「オオカミさんがウサギさんの部屋に行った」という過去の話をしています。
そして、その「行ったとき(過去の時点)」で、すでに「ウサギさんは起きていた」ということです。
過去形は「点」だと述べましたが、過去完了形はそれに対して「線・流れ」というふうに解釈すると理解しやすいでしょう。
上の図のように「過去のある時点(着いたとき)」のことを話しているとき、そのときよりも「さらに前から起こっていたこと」を指すときに使います。
過去形と過去完了形のイメージを比較してみましょう。
過去完了形の場合は点ではなく、過去とその前に起こった過去が「線(流れ)」としてつながっているのです。
現在完了と過去完了の違いは?
そして、今度は「現在完了」と「過去完了」の違いについてです。
現在完了と過去完了の違いは「どこで切り取るか」
この2つの違いはシンプルに「それが現在のことなのか・過去のことなのか」ということ。
以前から続いていたことを過去のある時点で切り取ると「過去完了」で、現在の時点で切り取ると「現在完了」となります。
- 現在完了
- I have been to Japan 10 times.
(日本に10回行ったことがある) - 過去完了
- I had been to Japan 3 times before I entered a high school.
(高校に入る前に、日本に3回行ったことがあった)
現在完了は「現在の時点」で切り取る
たとえば、「現在のところ日本に10回来たことがある人」なら以下のような具合ですよ。
I have been to Japan 10 times.
(日本に10回行ったことがある)
「現在までに」というふうに現在の時点で切り取ったものが「現在完了」になります。
「過去完了」は「ある過去の時点」で切り取る
それに対して、「高校入学の前」という過去の「ある時点」で切り取ったものが「過去完了」です。
I had been to Japan 3 times before I entered a high school.
(高校に入る前に、日本に3回行ったことがあった)
現在までは日本に10回行ったことがあっても、「高校入学より前」で切り取るとどうでしょうか?
日本に行った回数は減るはずです。上の例では「合計3回」になっています。
わかりやすいように、現在完了と過去完了の比較を図にしてみましょう。
上の図のように、「現在までにしたこと」ならば現在完了で、「過去のある時点までにしたこと」ならば過去完了というわけですね。
なお、文法的には過去完了も現在完了と同じく完了・結果・経験・継続の用法があります。
「過去完了形」の作り方・使い方
過去完了とは何かがわかったところで、実際にじぶんで組み立ててみましょう。
基本的な作り方・よく使う単語について紹介していきますね!
過去完了形の作り方
まず、あらためて過去完了形の作り方をまとめます。
動詞を「had + 過去分詞」の形にする
過去完了の形はもれなく「had + 過去分詞」で、作り方は以下の2ステップでOKですよ。
過去完了形の作り方
- 主語を言ったらhadを置く
- hadの直後に使いたい動詞を過去分詞形で置く
たとえば「彼女は(すでに)食べてしまっていた」ならば、「終える」の意味の動詞「finish」を過去分詞形の「finished」にしましょう。
「finished」をイメージしつつ、「主語 + had + 過去分詞」の順番に並べて「She had finished eating」となります。
She had finished eating.
(彼女はすでに食べ終わっていた)
「現在完了」が理解できていれば「have」を「had」にするだけなのでかんたんですね。
接続詞などを使い状況を説明する
先ほど作った文である「She had finished eating.」ですが、文がこれだけでは「had」を使う意味がありません。
なぜなら、ふつうは現在完了を使った「She has finished eating.(もう食べ終わった)」を使うからです。
過去完了は「ある時点の過去よりも古くから起こっていること」を言いたいときの表現でしたよね?
そのため「過去完了」を使うときには、「時間についての接続詞」を使い、次の例文のように「過去の状況」をくわしく説明する必要があるのです。
When I came home, she had finished eating.
(ボクが家に帰ったとき、彼女はもう食べ終わってたよ)
この例だと、「私が家に帰った」という過去の「ある時点」が挿入されました。
これによって、「それより前に食べ終わっていた」と伝えるためには「had」を使った「過去完了形」が必要になるのです。
過去完了と一緒に使われることの多い接続詞
「過去完了」は、上の例のように「過去の状況」を伝えることが多いため、一緒に使われることの多い「接続詞」が決まっています。
次の4つは特によく見かけるので覚えておきましょう。
when | 〜したとき |
---|---|
before | 〜の前 |
until | 〜までずっと |
by | 〜までに |
上のような接続詞を使ってまとめるほうの文は必ず過去形にしてくださいね。
When he arrived the station, the train had already left.
(彼が駅に着いたとき、電車はすでに出発していた)
接続詞なしで「that節」を続けられる動詞
また、動詞のなかには接続詞がなくても過去完了形を使えるものもあります。
こちらのような動詞です。
notice | 気がつく |
---|---|
realize | 気づく |
remember | 覚えている |
これらの動詞は、接続詞なしで「that節」を続けることで過去完了形が使えますよ。
I noticed that I had left my key on the table.
(鍵をテーブルに置いてきてしまったことに気がついた)
that節についてはこちらで詳しく紹介しています。
過去完了の否定文・疑問文
最後に過去完了の否定文、疑問文の作り方も紹介しましょう。
過去完了の否定文
まずは過去完了の否定文の作り方ですが、「had」の直後に「not」を入れればOKです。
I had not known the YouTuber until 2 weeks ago.
(2週間前までそのユーチューバーを知らなかったよ)
ちなみに「had not」は、省略形の「hadn't」で使われることが多いです。
I hadn't known the YouTuber until 2 weeks ago.
(2週間前までそのユーチューバーを知らなかったよ)
過去完了の疑問文
そして、過去完了の疑問文なら文の先頭に「had」を置きます。
「主語 + had + 過去分詞」だった順番を「had + 主語 + 過去分詞 〜 ?」の形にすればOKです!
Had you already left home when I called you ?
(あたしがアンタに電話したとき、もう家を出発していた?)
考え方は「do(does)・did」を使った一般動詞の否定文や疑問文と同じですよ。
「had」を先頭に置くだけでなく、「how long」などの疑問表現と組み合わせることも可能です。
How long had you been there before you came to Japan ?
(日本に来る前、どれくらいそこにいたの?)
主語によって「have / has」を使い分ける必要のある現在完了と違い、過去完了はとにかく「had」を置けばOKです。楽ちんですね♪
まとめ
今回は完了形のなかでも「過去完了形」に焦点を絞って紹介しました。
「過去完了」という言葉を聞くと難しそうに聞こえますが、ちゃんと理解すると単純なことがわかりますよね。
過去完了形を使うときのまとめはこちらになります。
まとめ
- 形は必ず「had + 過去分詞」
- 過去のある時点より前から起こっていることを表す
- 「when」「before」「until」などと一緒に使おう!
ちなみに、英語の勉強をしている人にオススメの勉強法があります。
それはスキマ時間に動画で学べるスタディサプリENGLISHというTOEICなどの勉強に特化したアプリです。
オススメしている理由はこちらになります。
オススメする理由
- 無料ではじめられる
- スマホアプリなので続けやすい
- 解説動画がわかりやすい
- 実際に英語を使う力も鍛えられる
とくに有名な英語教師である関 正生 先生の動画がすばらしいのです。
ほんとうにわかりやすい!
しかも今ならお得なキャッシュバックまであるので、チェックしないと損しますよ♪
7日間無料で試せます!
登録も超かんたん!
7日間無料でお試しできる♪
英語の品詞について気になることがあればコチラの記事からどうぞ♪