「学校で習った英語って本当に通じるのかな?」と不安になったことはありませんか?
教科書に出てくるフレーズも、なんだか「教科書のための英語」に見えてしまったり……。
そんな疑問を解消するのにピッタリの本を見つけました。
この記事では、『本当はちゃんと通じてる! 日本人エイゴ』という本をご紹介します。
目次
著者のカン・アンドリュー・ハシモト氏について
では、まず本書の著者カン・アンドリュー・ハシモト氏(以下、「カン氏」)について紹介します。
カン氏は、アメリカ生まれで英語のネイティブスピーカー。
本書執筆時点で日本に住んでいらっしゃって、日本人向けの英語学習書を多数執筆されています。
なので日本の学校での英語教育について、「習うけど通じない」と言われている英語についても熟知されているわけですね。
カン氏は次のYouTube動画に出演されていますので、ご参考までに!
左の、黒いTシャツを着ていらっしゃるのがカン氏です。
では、本書にはどんな特徴があるのでしょうか。
『本当はちゃんと通じてる! 日本人エイゴ』の特徴
本書の最大の特徴は、ネイティブスピーカーを対象に行ったアンケート結果がわかる点です。
なんのアンケートなのかというと日本の学校で習う「英語のフレーズ」が通じるかどうかということ。
特徴を次の3点に分けてご説明しましょう。
本書の特徴
- 英語のフレーズ
- アンケートに答えたネイティブスピーカー
- アンケート結果
英語のフレーズの数は25
まず、アンケートの対象になった英語のフレーズの数は25です。
たったの25?
……と思われたかもしれませんが、ひとつひとつについて丁寧に解説があるので、読みごたえバッチリですよ。
たとえば、次のフレーズについてアンケートを取っています。
フレーズの例
例に挙げたフレーズが通じないとか、不自然とかいう噂、聞いたことがあるのではないでしょうか。
本当のところはどうなのか、カン氏のご意見だけでなく、他のネイティブスピーカーに聞いた結果もわかります。
説得力が違いますね!!
では、「ネイティブスピーカー」というのはどのような方々なのでしょうか。
ネイティブスピーカーは72人・バックグラウンドも多様
アンケートに答えたネイティブスピーカーの人数は、72人です。
詳しくは本書に譲りますが、男女比や年齢層のバランスもいいんですよ。
アンケート回答者の出身
出身も次のとおり、さまざまです。
アンケート回答者の出身
来日経験の有無
あと、個人的におもしろいなと思ったのが、来日経験(日本に来た/住んだ経験)があるかというデータもある点。
たしかに、日本に長く住んでいると、いわゆる「和製英語」にも慣れて、理解できる英語が増えるかもしれません。
ここもバランスよく、来日経験がある人とない人は、ほぼ50%ずつになっています。
これだけバックグラウンドが多様なので、アンケート結果もより信頼できますよね!
アンケート結果が円グラフでわかりやすい
25の英語のフレーズを72人に「この英語表現は伝わる?」と聞き、意味がちゃんと伝わるかどうかを調べる。
そして、そのアンケート結果を「〇」「△」「×」で分類し、円グラフで紹介してくれています。
「〇」「△」「×」の意味は、次のとおり。
記号 | 意味 |
---|---|
〇 | まったく問題ない。どこにも間違いはない。普通に理解できる。 |
△ | やや不自然だが、許容範囲と考える。文法的には不完全だが、意味は通じる。状況や言い方にもよるが、話者の意図は推測できる。 |
× | 何を言いたいのかわからない。その言い方では誤解や混乱を招くと感じる。あるいは極めて無礼に聞こえる。 |
かんたんに言うと、「〇」「△」ならコミュニケーションに大きな問題は起きない、ということですね。
次に例を見てみましょう。
「How are you? 」は通じる?
たとえば、「How are you? 」についてのアンケート結果を見てみましょう。
「〇」が98%と圧倒的で、「×」はゼロ。「How are you? 」は安心して使えそうです(参考: How are you ? への返事は?)。
また円グラフだけでなく、コメントがあるのもポイント高いですね。
「How are you?」は「〇」と「△」だけですが、もちろん「×」のつくフレーズもあります。
「Can I have your sign ?」は通じる?
たとえば、有名人に「サインください」というつもりで使う「Can I have your sign? 」については、次のとおりです。
「△」と「×」が50%なので、これは注意が必要です。
では「どう言えばいいのか?」についても、本書を読めばわかりますよ!
本書を読むメリット
では、本書『本当はちゃんと通じてる! 日本人エイゴ』を読むことで得られるメリットをご紹介します。
次の3点です。
本書を読むメリット
- 英語を使う際のハードルが低くなる
- 文法などもしっかり学べる
- 関連するフレーズも学べる
1点ずつ、見ていきましょう。
英語を使う際のハードルが低くなる
まず、英語を使う際のハードルが低くなる点です。
本書で取り扱っている25のフレーズで、「×」がついたのは、14のフレーズ。
11のフレーズには「×」がないので、使ってもまったく問題ないか、少なくとも意味は確実に伝わることがわかります。
また、「×」だった14のフレーズについて「×」が何%かも見てみましたが、次のとおりでした。
「×」のパーセンテージ | フレーズの数 |
---|---|
40%台 | 2 |
30%台 | 1 |
20%台 | 1 |
10%台 | 3 |
10%未満 | 7 |
合計 | 14 |
50%を超えているものはなく、10%未満が半数の7を占めています。
「通じない」という噂があるフレーズも、かなりの確率で使えるんやな! と思わせてくれますよ。
文法などもしっかり学べる
本書のメリットの2点目は、文法などもしっかり学べる点です。
例を見てみましょう。
「by bus」?「by a bus」?
たとえば、次の文をご覧ください。
I go to work by a bus.
「バスで通勤しています」という意味ですね。
この文、「×」をつけた回答者はゼロ。「〇」が約70%、残りは「△」でした。
ですが、文法的には冠詞の「 a 」を使わない次の文が正しいことになっています。
I go to work by bus.
(バスで通勤しているよ)
学校でも「交通手段には『 a 』がつかない」と習いますよね。
でも、次の文では、「a」を使うんだとか!!
I go to work by a yellow bus.
(黄色いバスで通勤しているよ)
このあたり、理由や他の例も含めて、ものすごくわかりやすく解説してくれていて納得です。
ドアをノックされたら何と言う?
それから、ホテルでドアをノックされ「誰ですか」のつもりで、とっさに言ってしまいそうなのがこちら。
Who are you ?
(あなたは誰?)
このフレーズについては、「〇」と「△」で90%だったのですが、「△」だけで50%を占めていました。
もし、顔が見えないのであれば、ふつうは次の文を使うそうです。
Who is it ?
(誰ですか?)
ここの理屈も解説があり、「なるほどなー」と思わせてくれました。
関連するフレーズも学べる
本書を読むメリットの3点目は関連するフレーズも学べる点です。
例を見てみましょう。
「You’re welcome.」の関連フレーズ
お礼を言われたときに使う「You’re welcome」というフレーズがあります。
これはアンケート結果でも「まったく問題なく使える」のですが、次のような関連フレーズの紹介もあるんですよ。
That’s OK.
(いえいえ)
しかも、次のように、具体的なシーンとともに紹介されています。ちょっと長いですが、引用しますね。
カフェで友人と昼ご飯を食べた。(中略)友人は僕より先にレジに向かった。僕も自分の財布を持って席を立とうとする。そのときに僕は彼のiPhone がテーブルにあるのを見つけた。僕は彼に声をかける。「iPhone を忘れてるよ」彼は小走りにテーブルに戻ってきて僕に言う。“Thanks, Kan.” 苦笑いしている彼に僕が言うのはきっと”That’s OK."
You're welcome. じゃない理由は、電話を見つけたから声をかけただけでそんなことは当たり前のことだし、大したことじゃないから。
カン・アンドリュー・ハシモト著『本当はちゃんと通じてる! 日本人エイゴ』(2016年 アルク)
これだけ具体的なシーンがあれば、タイミングを間違えることなく使えそうですよね!
「Pardon?」の関連フレーズ
それから、聞き返すときに使える「Pardon ?」というフレーズがありますよね。
こちらも、アンケート結果によるとまったく問題なく使えることになっています。
そして、「関連フレーズ」として紹介されているのはこちら。
例
いずれも「Pardon ? 」だけより丁寧な聞き方です。
また、「Pardon ? 」が失礼に聞こえるシーンも紹介されていますので、興味があればぜひ本書をご覧ください!
まとめ
この記事では、『本当はちゃんと通じてる! 日本人エイゴ』という本をご紹介しました。
この本を読むことで、英語を使うハードルが下がりますし、文法や関連フレーズも学べます。
英語に自信がない人にもオススメなので、ぜひ読んでみてくださいね!
英語の勉強にオススメの書籍はほかにもいろいろあります。
次の記事にわかりやすくまとめたので、ぜひご参考に!!