英語で「結婚する」と表現するときに次のような3つの有名な表現があります。
「結婚する」
- marry
- be married
- get married
それぞれの言い回しにはどんな意味の違いがあるのでしょうか?
本記事では、その違いについてそれぞれ例文を用いて検証します。
「結婚」を表す基本的な英単語
まず「結婚」を意味する基本的な英単語を見てみましょう。
「結婚」を表す基本単語
この3つですね。
名詞の「marriage」は混乱なく使えると思いますが、問題は動詞の「marry(結婚する)」と「married(結婚している)」です。
名詞の「marriage」
まずは名詞で「結婚」を意味する「marriage」を見てみましょう。
It was her second marriage.
(それは彼女の2回目の結婚だった)
動詞の「marry」
今度は動詞の「marry」の使用例を見てみましょう。
My brother will marry Susan next month.
(来月、兄がスーザンと結婚するんだ)
このように、動詞「marry」のあとに「結婚する相手」を置くことで「〜と結婚する」という意味になりますよ。
形容詞の「married」
少しややこしいのが、形容詞の「married」です。
なぜかと言うと「married」は「marry」の過去分詞形と形が同じだから。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
marry | marries | marrying | married | married |
一見、動詞の「marry」が受動態(受身形)になって「married」になっているように見えるのですが、あくまで形容詞です。
会話の中では次のように「get」といっしょに使われることが非常に多いですよ。
My brother is getting married next month.
(来月、兄が結婚するんだ)
繰り返しになりますが、「get married」の「married」は形容詞だということ。
「get married」で「結婚する」という意味で使われますよ(後述します)。
「marry / be married / get married」の使い分け
前項で動詞「marry」と形容詞「married」を紹介しました。
さらに「get married」も加え「marry / be married / get married」の使い分けを紹介します。
わかりやすく表にすると次のとおりです。
単語 | 意味 | 焦点 |
---|---|---|
marry (動詞) | 〜と結婚する | 結婚する相手 |
be married (形容詞) | 結婚している (という状態) | 結婚した状態 |
get married (get + 形容詞) | 結婚する (結婚している状態になる) | 結婚すること (結婚式や婚姻のしきたりにまつわるイベント) |
ではひとつずつ見ていきましょう。
marry(「結婚する相手」に焦点)
ではまず「marry」が使われる例から紹介します。
次のように「marry」の直後に「結婚する相手」の名前(=名詞)がきますよ。
I will marry Emma.
(ボクはエマと結婚する)
この表現は「結婚する相手」に焦点が合っているため「誰と結婚するか?」を強く言いたいときに使うといいですよ。
「marry」は他動詞なので、うしろには「with」のような前置詞は不要です(参考: 自動詞と他動詞)。
前置詞の「with」や「to」は付けない
be married(「結婚した状態」に焦点)
2つ目の表現は「be married」です。
すでに紹介していますが「be married」の「married」は形容詞だと認識しましょう。
そして、形容詞の「married」は「結婚している」という状態を表します(下記参照)。
Are you married ?
(結婚しているの?=あなたは結婚している状態?)
「be married」は誰と結婚するかではなく結婚しているという「状態」に焦点が合っています。
もう少し理解を深めるために、時制を変えた例文で「be married」を見てみましょう。
どうですか?「be married」が「状態」を表すということが伝わりましたか?
get married(「結婚すること」に焦点)
では、最後に「get married」という表現を紹介します。
形容詞の「married」の前に「get」を置くことで「結婚する」という意味になりますよ。
My brother is getting married next month.
(来月、兄が結婚するんだ)
「get」を使うことで「結婚していない状態」から「結婚している状態」に変化する(手に入れる)というニュアンスです。
そして「結婚すること」に焦点が合っています。
たとえば、結婚式や婚姻のしきたりにまつわるイベントを想像しながら「結婚する」と言っているイメージですね。
「結婚する」に関する表現一覧
最後に「結婚する」という意味合いでよく使うことになる表現、言い方を一覧で紹介します。
使用するシチュエーションに応じて分けたので、ぜひご覧くださいね。
結婚したい
「結婚したい」と言いたいときは「want to 〜(〜したい)」を使って表現しましょう。
I want to get married.
(結婚したい)
これから結婚する(未来形)
これから結婚する場合の例文はこちらです。
My brother is getting married next month.
(来月、兄が結婚するんだ)
「get」を現在進行形にすることで、近い将来を表していますね。
実際に計画としては決まっていない場合は、次のように「will」を使いましょう。
I will get married someday.
(ボクはいつか結婚するんだ)
「Will」と「be going to」の違いについてはこちらをどうぞ。
結婚した(過去形)
結婚した事実を伝えるときは「get」を過去形にして「got married」を使います。
My brother got married 3 years ago.
(3年前、兄が結婚したよ)
ちなみに、間違えて「My brother got marry」と言ってしまうと「marry」が名詞のように見えます。
「私は『marry』を手に入れた」といった、変な意味合いに取られそうです。
「get」といっしょに使われるのは形容詞の「married」ですよ。
〜(人)と結婚する
結婚する相手の名前を出す場合は、次のように言います。
get + 形容詞「married」
My brother is getting married to Susan next month.
(来月、兄がスーザンと結婚するんだ)
そして、もうひとつの言い方がこちら。
動詞「marry」
My brother is marrying Susan next month.
(来月、兄がスーザンと結婚するんだ)
動詞「marry」を使うときは「to」は要らない
このどちらの言い方でも問題ないのですが、1つだけ重要なポイントがあります。
それは動詞「marry」を使うときは、前置詞「to」が要らないこと。
動詞 | I married (昨日、彼と結婚した) |
---|---|
get + 形容詞 | I got married to him yesterday. (昨日、彼と結婚した) |
逆に「get + married」には必ず「to」が必要になりますよ。
これ、ややこしいのでテストでもよく出ます。
前置詞は「with」ではない
そして、もうひとつのポイントが「get married」の前置詞として「to」を使うことです。
「〜と(いっしょに)」というイメージで「with」を使いたくなりますが、これはNG!
「with」はNG
I got married with to him yesterday.
(昨日、彼と結婚した)
つい「with」を使いそうになりますが、「with」と言ってしまうと「彼の手引きで結婚できた」という感じになります。
「誰と」を強調したいときは動詞「marry」
「〜と結婚する」と言いたいとき「get married」でも「marry」でもかまいません。
でも、動詞の「marry」を使ったほうが「結婚する相手」に焦点が合っているため、「誰と」を強調して言いたい場合は、動詞「marry 〜」を使うといいです。
I will marry Justin.
(ジャスティンと結婚するぞ!)
結婚している
すでに結婚していることを伝えるときは「be married」を使うのがピッタリです。
He is married .
(彼は結婚している)
「be married」で「結婚している状態だ」という意味でしたね。
結婚していた(現在は離婚)
前項で「got married(結婚した)」を紹介しましたが、これを「was married」にするとどうなるのでしょうか?
「be married」は「結婚している状態」を表すため「was married」は「結婚していた状態だった」という意味になります。
My brother was married.
(兄は結婚していたよ)
つまり「結婚していた=今は離婚している」と解釈されます。
結婚して〇年だ
「結婚して30年です」のように言うとき、どう言えばいいのでしょうか?
この場合は、現在完了形の出番です。
「過去のある時点から『結婚した状態』が継続している」ということなので、次のように言いますよ。
I have been married for 50 years.
(結婚して50年じゃよ=50年間ずっと結婚した状態が継続している)
教会で結婚式を挙げた
「教会で結婚式を挙げた」と言いたいときの例です。
He got married in a church.
(彼は教会で結婚した)
「get married」で「結婚する」という意味ですが「結婚式を挙げた」の意味にもなります。
上の例文を見て「あれ?『at a church』じゃないの?」と思われたかもしれませんね。
実はややこしいことに「特定の教会」で式を挙げたことを強調したい場合は「at」を使用します。
でも、それ以外の場合は「in」を使って「in a church」というのがふつうですよ。
結婚してください
では「結婚してください」というときのセリフはなんと言うのでしょうか?
Will you marry me ?
(結婚してくれますか?)
このフレーズ、英語圏の文化ではプロポーズでの「お決まりのセリフ」です。
男性が女性の前で片ひざをつき、指輪ケースを開いて結婚指輪を見せながら言うのが「お決まり」です!
結婚していますか?
知り合った人に「結婚していますか?」と聞きたいときはどう言えばいいのでしょうか。
言い換えると「結婚している状態ですか?」なので「be married」を使いましょう。
Are you married ?
(結婚しているの?=あなたは結婚している状態?)
ちなみに、初対面の人に「子どもはいますか?」と聞くのは失礼なので聞かないようにしましょう。
結婚して何年ですか?
知り合った人に「結婚して何年ですか?」と聞くとき、意外と出てこない人も多いはず。
これは、現在完了形を使います。
How long have you been married ?
(結婚して何年ですか?=どのくらいの期間、結婚している状態が継続していますか?)
日本語訳を見るとまどろっこしく見えますが、英語だとふつうの言い方です(笑)。
結婚して子どもがいる
「結婚して子どもがいる」と言いたいときは「be married with」を使います。
She is married with 3 children.
(彼女は結婚して子どもが3人いるよ)
まとめ
最後に「marry」と「be married」と「get married」の使い分け方をおさらいしましょう。
単語 | 意味 | 焦点 |
---|---|---|
marry (動詞) | 〜と結婚する | 結婚する相手 |
be married (形容詞) | 結婚している (という状態) | 結婚した状態 |
get married (get + 形容詞) | 結婚する (結婚している状態になる) | 結婚すること (結婚式や婚姻のしきたりにまつわるイベント) |
こんな意味合いの違いが出てくるんですね〜。
「なるほど!」と思っていただけると幸いです。