英語の修飾語とは? 修飾語になる品詞・表現や位置・順番をわかりやすく紹介

修飾語とは?
サッシ

執筆者

WEBライター。旅をしながらブログを書いて生活。塾で英語を約20年教えた経験あり。早稲田大学 教育学部卒業。→ サッシについてはこちら

英語で「明日学校で会おう」というとき、「明日」と「学校」はどちらを先に置くかわかりますか?

また「紙製の白い大きなバッグ」なら順番はどうでしょうか?

それぞれ位置・順番にはルールがあるので、ぜひ知っておきましょう!

修飾語になる品詞・表現や位置・順番など、今回は英語の「修飾語」について詳しく紹介しますね。

英語の修飾語とは? 修飾語になる品詞・表現はこれ!

はじめに、英語の修飾語の定義を見ていきましょう。

具体的にどんな言葉が修飾語になるのかも紹介していきますね!

英語の修飾語とは?

まず、修飾語とは何かをハッキリさせましょう。

英語の「修飾語」とはズバリ以下の意味ですよ。

修飾語とは?

他の言葉の意味を補う・広げる言葉

たとえば「big carrot(大きなニンジン)」という表現で考えてみましょう。

「carrot(ニンジン)」に「big(大きい)」がくっ付くことにより、ただのニンジンではなく「大きなニンジン」ということがわかりますよね?

この「big」がまさに修飾語です。

「修飾」という言葉の意味については別記事でまとめていますよ。

どの品詞・表現が修飾語になるの?

では、修飾語にどんな言葉があるのかを具体的に見ていきましょう。

修飾語になる品詞は2つ

どんな言葉でも修飾語になれるわけではありません。

英語には10種類の品詞がありますが、修飾語として機能するのは以下の2つだけなんですよ。

修飾語になれる品詞

仮に「修飾語=他の言葉を説明するもの」というようにすご〜く広くとらえれば助動詞冠詞も修飾語だと言えなくはありません。ふつうは言いませんが。

基本的には「英語で修飾語とは形容詞・副詞のこと」と思ってOKです。

「句」や「節」でいうと4種類

そして、1つの単語ではなく2語以上のかたまりで修飾する「修飾部」としては以下の4種類がありますよ。

修飾部になれる表現

たとえば「carrots on the table(テーブルの上のニンジン)」を見てください。

carrots on the table(テーブルの上のニンジン)
carrots on the table(テーブルの上のニンジン)

「on the table(テーブルの上)」という表現が「carrots(ニンジン)」を修飾していますよね?

この場合は前置詞の「on」で作る「on the table」が形容詞句として機能して修飾部になっています。

文法でよく耳にする「不定詞」「分詞」「関係代名詞」なども形容詞句・形容詞節や副詞句・副詞節になれます。

ちなみに文法用語では動詞・形容詞・副詞を修飾するものを連用修飾語、名詞を修飾するものを連体修飾語と言いますよ。

どこに置けばいいの?文頭・文末や前から・後ろからなど修飾語の位置まとめ

修飾語とは何かがわかったところで、お次は修飾語の位置についてです。

文頭・文末や前から・後ろからなど、修飾語はどこに置けばいいのかを紹介していきますね!

文頭・文中・文末? 修飾語の位置について

まず、修飾語を置ける位置についてです。

修飾語は文頭・文中・文末のどこに来るものなのでしょうか?

それについては、なんと「修飾語の位置はかなり自由」というのが実際のところなんです!

たとえば「彼は突然立ち上がった」というとき、以下の3つの例文のどれもが正解となります。

彼は突然立ち上がった」と言うなら?

  • Suddenly, he stood up.
  • He suddenly stood up.
  • He stood up suddenly.

ニュアンスはそれぞれ少し違ってきますが。

でも、この修飾語(ここでは副詞)である「suddenly(突然に)」を文頭・文中・文末のどこに置いても間違いではないんです。

もちろん、「この副詞は基本的にここに置かれる」というのはあります。

しかし文脈によって文頭・文中・文末と、かなり位置は動きますよ。

さらに詳しくは、副詞についてをご覧ください。

「一語修飾」は前へ「二語修飾」以上は後ろから

修飾語を置く位置に関するルールの2つ目は、前に置くか、後ろに置くかという話です。

それについては「一語修飾は前、二語以上は後ろから」と覚えておいてください。

一語修飾の場合

たとえば「鳥たち(birds)」を「赤い(red)」という形容詞一語で修飾するなら以下のようになります。

red birds(赤い鳥)
red birds(赤い鳥)

「赤い鳥たち」と言うなら?

  • birds red
  • red birds

修飾するほうの言葉である「red」が、修飾されるほうの「birds」の前に来ていますね。

二語以上の言葉で修飾する場合

それに対して、修飾するほうが二語以上になるならば「後ろ」に持ってきます。

たとえば「空を飛んでいる(flying in the sky)」という分詞で修飾すると以下のようになりますよ。

birds flying in the sky(空を飛んでいる鳥)
birds flying in the sky(空を飛んでいる鳥)

2つの違い

  • flying in the sky birds
  • birds flying in the sky

具体的には分詞・不定詞・関係代名詞や前置詞句などで修飾する場合ですね。

句や節で修飾するときは、説明したい単語の後に置きましょう。

「一語修飾は前、二語以上は後ろから」と覚えておいてくださいね!

「なんたらthing」には注意

修飾語を置く位置に関するルールで注意したいのは「なんたらthing」。

先ほど「一語修飾は前」と紹介しましたが、例外があります。

「〜thing」という単語の場合は必ず「修飾語は後ろ」になるんですよ。

たとえば「something(何か)」を「delicious(おいしい)」という形容詞で修飾すると以下の順番になります。

something delicious(おいしいなにか)
something delicious(おいしいなにか)

I want to eat something delicious.
(何かおいしいもの食べたいなー)

「delicious」という1つの単語で修飾しているのに、修飾されるほうの「something」の後ろにきていますよね?

たとえ一語修飾でも「〜thing」の場合は必ず後ろから修飾となりますよ。

他には「anything」「nothing」「everything」などの単語があります。

「somebody」「someone」のような「〜body」「〜one」や「somewhere」のような「〜where」なども同じですよ♪

一般動詞・be動詞による違い

どんどん行きましょう。お次は一般動詞・be動詞による違いです。

「always(いつも)」など、頻度を表す副詞を使うとき「V」がbe動詞か一般動詞かで置かれる位置が変わります。

「V」が「be動詞」の場合

たとえば「V」がbe動詞だと、「always」の位置は以下のように「V」の後ろです。

I am always hungry.
(あたいはいつもお腹すいてるんだ)

「V」が一般動詞の場合

それに対して、「V」が一般動詞だと位置・順番が逆になります。

次のように「always」の位置は「V」の前になるんです!

You always want something to eat.
(キミはいつも何か食べるもの欲しがってるよね)

ただし、これはすべての副詞に当てはまるものではありません。

頻度を表す副詞」のパターンだと覚えておいてください。

具体的には「usually(たいてい)」often(しばしば)・sometimes(時々)・seldom(めったにない)・never(決してない)などがありますよ。

強調したいものを「前」へ出す

5つ目に紹介する修飾語を置く場所のルールは「強調したいものを前へ出す」です。

強調したい言葉があると文頭に置かれることがあります。

たとえばサラッと「彼に昨日駅で会ったよ」というときは以下のように「yesterday(昨日)」という副詞の位置は後ろです。

I met him at the station yesterday.
(彼に昨日、駅で会ったよ)

でも、なんらかの事情があって「昨日」ということを強調したいとします。

その場合は、以下のように「yesterday」を前に持って来るんですよ。

Yesterday, I met him at the station.
昨日さ〜、彼に駅で会ったよ)

英語でも日本語でも同じですね!

これは実は修飾語にかぎった話ではありません。

どんな単語・表現でも、それを強調したいときは前へ持って来ることがよくあります。

場所の副詞は前に出ることも

最後に紹介する修飾語の位置に関するルールは「場所の副詞」の場合に起こるものです。

【通常】「場所を表す副詞」は文末

「here(ここ)」のような「場所を表す副詞」は原則的に文末に置かれます。

Hey, come over here !
(ねえ、こっちにおいでよ!)

でも、「here(ここ)」や「there(そこ)」などの言葉は文頭に置かれる用法もあるんです。

【hereが文頭にくる例】主語が「s/he」の場合

たとえば「彼がここにやって来る」は、次のようになります。

Here he comes.
(彼がここにやって来る)

「He comes here」ではなく「Here he comes」になっていますよね。

【hereが文頭にくる例】主語がの場合

「お日様がここにやって来る」は以下のようになりますよ。

Here comes the sun.
(お日様が出てきた!)

「he」や「she」などの代名詞の場合、「here」が先頭に出てくるだけでしたが、「sun」などの普通名詞の場合はこのようになります。

「SV」がひっくり返って「Here+V+S」の語順になっています!

「〜がいる・ある」を表す「There is〜」もなにげにこのパターンですね。

まとめると、たしかに修飾語の位置に原則はあります。

でも「なにを強調したいか」や慣用表現でけっこう変わるので、柔軟に考えておきましょう!

修飾語が2語以上続くときのルールは? 複数の修飾語の順番について

文全体での修飾語の位置がわかりました。

お次は複数の修飾語を並べるときの順番について見ていきましょう。

形容詞・副詞・長い言葉の3つ場合を紹介していきますね。

形容詞の語順にはルールがある

まず、形容詞の語順はルールがあります。

大原則としては形容詞の順番は「主観 → 客観」です。

たとえば、「美しい」「黒い」「長い」の3つの形容詞だと、もっとも主観的な言葉はどれでしょうか?

人それぞれの主観によって違うのは「美しい」で、もっとも同じなのは「黒い」ですよね?

だから「黒い長い髪」は以下のように美しい(beautiful)・長い(long)・黒い(black)の順番になりますよ。

She has beautiful long black hair.
(彼女は美しい黒髪をしているよ)

この「主観 → 客観」の語順を大原則として知っておいてください。

そのうえで、具体的に形容詞の並べる順を付けると以下のようになります。

先に持って来る順に並べますね。

形容詞の順番

  1. 意見・感想・評価(opinion)
  2. 大きさ(size)
  3. 物理的品質(physical quality)
  4. 形(shape)
  5. 古さ・新しさ(age)
  6. 色(color)
  7. 所属・出身(origin)
  8. 素材(materials)
  9. 型・種類(type)
  10. 目的(purpose)

たとえば「大きな白い紙製のバッグ」だったら「big white paper bag」となるわけです。

この場合は「big」が「大きさ」で「white」が「色」、そして「paper」が「素材」に当てはまりますよ。

形容詞の語順についてはこちらにまとめています。

副詞は「PT」と「小大」

形容詞に続いては副詞の語順です。

2つ以上の副詞の順番については「PT」と「小大」のルールを覚えておいてください。

つまり以下の意味ですよ。

副詞の語順のルール

  • Place(場所)→ Time(時間)
  • さい単位きい単位

「Place(場所)」「Time(時間)」の順

まず、時間と場所では「場所」が先に来るのが原則です。

たとえば以下の例文のように、明日とカフェでは「カフェ」が先に来ます。

I'm going to see her at the cafe場所 tomorrow時間.
(彼女と明日、カフェで会うつもりだよ)

「小さい単位」「大きい単位」の順

そして、小さい単位と大きい単位は「小さい単位」から並べましょう。

たとえば「7時」と「明日」ならば、明日という大きなくくりの中に7時がありますよね?

だから以下のように時から先に並べます。

I'll call you at 7 o’clock小さい単位 tomorrow大きい単位.
(明日の7時に電話するよ)

小から大というのは英語での住所の書き方と同じですね。

日本は都道府県→市区町村→番地のように大きい単位から書きますが、英語圏では番地→市区町村→都道府県の順番で書いていきます。

複数の副詞を同時に使うときはこの「PT」と「小大」のルールを思い出してくださいね。

もちろん、強調したいもの・重要なものがあれば優先的に前へ出したりもしますよ。

長い言葉は後ろ

あとは「長い言葉は後ろ」について見ておきましょう。

原則としては形容詞・副詞は先ほど紹介したルールにそれぞれ従います。

でも、語数・文字数にあまりにも差があるときは長ったらしい言葉は後ろに回す傾向にありますよ。

たとえば以下のような場合ですね。

I saw her yesterday at the cafe which we had lunch last Sunday.
(先週の日曜に私たちがランチしたカフェで昨日彼女を見かけたよ)

副詞の「PT」のルールに従えば「昨日」と「カフェ」なら「場所」であるカフェが先に来るはずですよね?

でもこの例では、場所を表す表現が「at the cafe which we had lunch last Sunday」と長すぎるため「yesterday(時間)」を先にしているわけです。

場所 → 時間の原則を無視してますね!

このルールの理由はもちろん、言いやすさ・伝わりやすさを優先してのことですね。

他にも1単語あたりのアルファベット数が多いものは後ろに回されることもありますよ。

まとめ

今回紹介した「修飾語」について最後にまとめます。

修飾語のまとめ

  • 修飾語とは形容詞・副詞
  • 形容詞句・副詞節なども修飾部として機能
  • 文全体での位置、2語以上のときの順番に注意しよう!
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中村サッシ
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塾講師として英語・国語の指導を約20年してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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