英語の5文型を勉強していると出てくる補語。
「主語」や「目的語」と比べると、補語はイメージしづらいかもしれません。
今回は、補語と目的語との違いや補語になれる言葉、そして見分け方や使い方などについてわかりやすく紹介しますね。
目次
英語の「補語」について
はじめに、英語の補語とは何かをハッキリさせましょう。
補語の意味や目的語との違いを紹介していきますね。
英語の「補語」とは?
まず、英語の補語の意味を見ていきましょう。
補語の意味は「性質や状態を説明する」
補語の定義は「主語や目的語の性質・状態を説明する言葉」です。
……と言われてもイメージがわかないですよね(笑)
具体例で感じたほうがいいので、以下の例文をご覧ください。
He is cool.
(彼はカッコイイ)
この場合は「cool(かっこいい)」がこの文の補語として機能しています。
主語である「He(彼)」がどういう人であるかという「性質・状態」を「cool(かっこいい)」という補語が説明していますよね?
これが補語の役割というわけです。
補語は「第二文型」で使われる
この文は、英語の骨組みを分類した「5文型」の中だと第二文型「SVC」になります。
「S」は主語(Subject)で、「V」は動詞(Verb)、そして「C」が補語(Complement)という要素です。
上の画像にある例文「I am a rabbit」では、「I(私)= rabbit(ウサギ)」という関係になっていますよね?
先ほどの例文でも同じです。「彼(He)=かっこいい(cool)」という関係になっています。
そのため、英語の補語の意味は「イコール関係を作るもの」と思っておくのがもっともおすすめですよ!
補語とは?
イコール関係を作るもの
【例】
I am a rabbit.
He is cool.
「補語」という名前も「補足する」というイメージをすると覚えやすいかもしれません。
主語の「 He 」だけでは成り立ちませんよね。補足して「補う」から「補語」なのです。
第二文型「SVC」だと「S=C」で、第五文型「SVOC」だと「O=C」の関係になります。
「補語」と「目的語」の違いは?
英文法だと「目的語(O)」と「補語(C)」が似ているので混乱するときがあります。
次のように見比べてみても「どう違うの?」と思ってしまいそうですよね。
- 「目的語」を使った例文
- I like carrots.(私はニンジンが好き)
※「carrots」が目的語 - 「補語」を使った例文
- He is cool.(彼はかっこいい)
※「cool」が補語
ここではよく勘違いされる「目的語」と「補語」の違いを比べて、さらに理解を深めていきましょう。
目的語と補語を見分けるには、ずばり以下の3つポイントを参考にしてみてください。
それぞれもう少し説明していきますね。
「〜を」の意味になるものはだいたい「目的語」
まず、日本語に訳して「〜を」となるものはだいたい目的語です。
たとえば以下の英文をご覧ください。
He made me happy.
(彼はあたしをハッピーにしてくれたよ)
この場合は、動詞の直後に来ている「me」の意味は「私を」になりますよね?
そのため、「me」は補語ではなく目的語です(「me」のあとにある「happy」が補語)。
性質・状態を表すかどうか?
また、性質・状態を表すかどうかも判断基準となります。
以下の2つの例文の意味に注目してみてください。
- 「目的語」を使った例文
- I like carrots.(私はニンジンが好き)
※「carrots」が目的語 - 「補語」を使った例文
- He is cool.(彼はかっこいい)
※「cool」が補語
「He is cool」の「cool」は「かっこいい」という性質・状態を表しているので補語(C)になります。
それに対して、「I like carrots」の「carrots(ニンジン)」は主語である「I(私)」の性質や状態ではないですよね?
そのため、この場合の「carrots」は目的語(O)として機能しています。
ちなみに、「be動詞」は状態を表す動詞なので、「文の中にbe動詞があるか?」も補語を探すときの目安になります。
こちらは、be動詞の直後に補語がある例です。
補語の例(赤字部分)
ただし、現在進行形のように、be動詞は補語以外でも使われることがあるので、あくまで目安で!
補語ではない例
She is playing basketball.(彼女はバスケットボールをしている)
イコール関係になるか・ならないか?
そして、あとは「イコール関係になる・ならない」も補語か目的語かを区別する目安になりますよ。
以下の例文をご覧ください。
I am a rabbit.
(あたしはウサギだよ)
この例文にある「私( I )」=「ウサギ(rabbit)」ですよね?
だからこの場合の「rabbit」は補語(C)になります。
では同じ「rabbit」を使っている例文でも、以下の場合だとどうでしょう?
I saw a rabbit.
(ボクはウサギを見たんだ)
「私( I )」=「ウサギ(rabbit)」にはならないですよね。
だからこの場合の「rabbit」は目的語として機能しています。
このように、たとえ同じ単語でも文の中での使われ方によって目的語なのか補語なのかは違ってきますよ。
補語になれる言葉は?
補語とは何かがわかったところで、補語になれる言葉を見ていきましょう。
2つの基本とその他の用法を紹介しますね。
補語になる品詞は基本的に2つ
まず、中心的なものから見ていきましょう。
英語には10種類の品詞がありますが、どれもが補語になれるわけではありません。
基本的に、補語になれるのは以下の2つだけです。
補語になれる品詞
「名詞」が補語になる例
たとえば、次の例の「rabbits(ウサギ)」は名詞です。
We are rabbits.
(あたしたちはウサギだ)
「We(私たち)」=「rabbits(ウサギ)」なので、名詞が補語になっていますね。
「形容詞」が補語になる例
次の例の「cute(かわいい)」は、形容詞です。
She is cute.
(彼女はかわいい)
この例文では、「She(彼女)」=「cute(かわいい)」です。形容詞である「cute」は補語になっていますね。
「補語になれるのは名詞か形容詞」と覚えてしまいましょう!!
補語になれるのは「名詞」か「形容詞」
ちなみに、形容詞に似ている「副詞」は基本的には補語になりません。
名詞・形容詞以外で補語になれるもの
基本がわかったところで、少し発展したものを紹介しましょう。
原則として補語になれるのは「名詞・形容詞」なのは間違いありません。
でも、実は「名詞っぽいもの・形容詞っぽいもの」なら補語になってもOKなのです。
代表的なのは以下の表現ですね。
補語になれるその他
「動名詞」が補語になる例
たとえば、次の例文にある「playing(〜をすること)」は動名詞です。
My hobby is playing video games.
(あたしの趣味はゲームをすること)
この場合は「My hobby(私の趣味)」=「playing video games(ゲームをすること)」になっていて「playing video games」が補語(C)になっています。
ここの部分は1つの「名詞句」になっていますね。そう、単語だけでなく「名詞句」「形容詞句」も補語になるんです!
「不定詞」が補語になる例
次の例文にある「to 〜 (〜をすること)」は不定詞です。
My plan is to watch youtube videos all day long.
(ボクの計画は一日中ユーチューブを見ることだよ)
この例の場合、補語に当たる部分は「to watch youtube videos(ユーチューブを見ること)」です。
つまり「My plan(私の計画)」=「to watch youtube videos(ユーチューブを見ること)」になっていますね。
「分詞」が補語になる例
また、次の例文の「satisfied(満足している)」は分詞(過去分詞)です。
This game made me satisfied.
(このゲームはあたしを満足させたよ)
このようにすることで分詞を第五文型「SVOC」の「C(補語)」の位置に持ってくることもできます。
この場合は「me」が目的語(O)で「satisfied」が補語(C)ですね。
「節」が補語になる例
先述した例で、「名詞句」が補語になっていましたが、さらに「節」も補語になれます(名詞節・形容詞節など)。
次の例では、名詞節を作る「that」を使っています。
The trouble is that I have no money.
(困ったことにボクはお金がない)
長いですが、この例だと「that I have no money」の部分が補語ですね。
英語の補語の見分け方・作り方
では、実際に「補語」を使って文を組み立ててみましょう。
英語には5つの型がありますが、すべての文型で補語が出てくるわけではありません。
ずばり以下の2つの文型のみで補語を使います。
補語が出る文型
どちらも「イコール関係」を意識するのがコツですよ。
それぞれ順番に紹介していきますね。
第二文型「SVC」の補語
まずは第二文型「SVC」での補語の使い方を見ていきましょう。
第二文型は、この順番に並べればOKのシンプルな文型です。
第二文型の形
S(主語)・V(動詞)・C(補語)
たとえばこちらの例をご覧ください。
I am fine.
(元気だよ!)
このとき、「私( I )=元気(fine)」という関係になっているのがポイントです。
「私は元気」とも「元気なのは私」とも言えますよね?
主語と補語がイコール関係、つまり「S(主語)= C(補語)」の関係になることを意識しましょう。
「We are dancers.(私たちはダンサーです)」のように、形容詞ではなく名詞を「C」のところに置いてもOKですよ。
第二文型については、こちらの記事で詳しく説明しています。
第五文型「SVOC」の補語
お次は第五文型「SVOC」を見てみましょう。
第五文型は次のように、一見複雑に見える文型です。
第五文型の形
S(主語)・V(動詞)・O(目的語)・C(補語)
では、次の例をご覧ください。
You make me happy.
(あんたはあたしを幸せな気持ちにしてくれるよ)
この例文を分解すると、「make(〜を……にする)」の直後に目的語である「me(私)」がきています。
そして、「me(目的語)」のあとにある「happy(幸せだ)」は誰の状態なのかというと「me」です。
つまり「 O(目的語)= C(補語)」の関係になっていますよね。
「私は幸せ」とも「幸せなのは私」とも言えますよね?
第五文型「SVOC」のときはこのように「O(目的語)= C(補語)」の関係が成り立ちますよ。
ちなみに文法用語では第二文型「SVC」のときの補語を「主格補語」、第五文型「SVOC」のときを「目的格補語」とも呼びます。
【参考】英語と日本語の「補語」の違い
さいごに、英語と日本語の補語の違いも紹介しておきますね。
だいぶ文法的な内容になるので、応用知識ということで参考にしてください。
日本語と英語の「補語」はまったくの別物
結論としては英語と日本語の補語はまったく別物で、そもそもの「考え方」が違います。
もっとも広くとらえられている「日本語文法での補語」は以下の定義となっています(いろいろな考え方が存在しますが)。
日本語における補語の定義
述語の意味を補う言葉がすべて補語。
(主語も目的語も含む)
つまり、「〜する」に当たる述語(動詞)のほかはだいたい補語になってしまいます。
日本語文法にある「必須補語」と「副次補語」について
さらに日本語文法における「補語」は次の2つにわかれます。
日本語文法の補語の種類
具体的には「〜が、〜は、〜に、〜を」などの言葉が必須補語になると考えてください。
たとえば「明日、私は学校で彼女にプレゼントをあげる」という文を分解すると以下のようになります。
文の要素
明日、副次補語
私は必須補語
学校で副次補語
彼女に必須補語
プレゼントを必須補語
あげる。述語
日本語文法では、主語である「私」までもが補語になってしまうんですね!
英語での分類
それと比較して、英語はまったく違う分け方です。
同じ文「I'll give her a present at the school tomorrow.(明日、僕は学校で彼女にプレゼントをあげるんだ)」を分解すると以下のようになりますよ。
文の要素
I(私は)S: 主語
give(あげる)V: 動詞
her(彼女に)O: 間接目的語
present(プレゼントを)O: 直接目的語
at the school(学校で)修飾語
tomorrow.(明日)修飾語
なんと英語だとこの文には補語が含まれないんです!
「明日(tomorrow)」や「学校で(at the school)」は修飾語(modifier)に含まれます(修飾子とも呼ばれ、Mと略される)
このように、日本語の文法と英語の文法では補語のとらえ方が根本から異なるため、まったくの別物と考えましょう。
「 M(修飾語)」についてはこちらの記事をどうぞ。
まとめ
「補語」がどういうものかについて紹介しましたが、最後にもう一度おさらいをしましょう。
「補語」のまとめ
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