人間には「耳から覚えるのが得意」とか「身体を使って覚えるのが得意」のように、1人1人に合った学習スタイルがあります。
その特性を知っておけば、効率の良い英語学習ができるんです。
今回は「VAK」という言葉を紹介しながら、英語の学習をするときには五感をフルに活用しようというお話をします。
目次
英単語が覚えられない?
私が若い頃、英語を勉強していたときに、何度こんな状況に陥ったことでしょうか。
英語の勉強あるある
- あぁ〜、明日試験なのになかなかこの英単語が覚えられない!
- 参考書にあるフレーズ、もう何度も読んだり口ずさんだりしてるのに定着しない!
共感してくださる方も多いと思います。
でも、これというのも自分に適した「学習スタイル」について知らなかったことが大きな原因のひとつです。
学習スタイルというものは、人によって違うこと、そして効率よく定着させるにはコツがあるということを、私は日本語教師になってから学びました。
「こんなの、私が学生の時分に知っていたかった!何で日本の学校では教えてくれないんだ!」
……と、プンスカ憤りたい気持ちがわきおこるほど「自分に合った学習スタイル」を見つけることは重要なんです。
そんなわけで今回は効率よく語学習得するための学習スタイルについてご紹介します。
学習スタイルの「VAK」ってなに?
オーストラリアの教育においては、生徒それぞれの学習スタイルを考慮したレッスンが求められています。
学習スタイルは「VAK」と呼ばれ、それぞれのアルファベットは学習スタイルの頭文字から取られています。VAKとは次の3つです。
Visual | 視覚から学ぶ |
---|---|
Auditory | 聴覚から学ぶ |
Kinesthetic | 体感覚から学ぶ |
例えば、新しい単語を習得しようとしているとき、何度書いても覚えられないのに、声に出してフレーズを口ずさんだらすっと頭の中に入って来た。そんな経験はありませんか?
これは、「聴覚から学ぶ」という学習スタイルが向いているということです。
効率的な学習をしたいなら、自分がどの学習スタイルで学べば最も効果的に学ぶことができるのかを知っておく必要があります。
では各学習スタイルの特徴を見ていきましょう。
視覚タイプの学習スタイル(Visual Learner)
「視覚タイプ」の学習スタイルが向いている人というのは、目から入ってくる情報から学ぶのが得意。
なので適した教材としては……
視覚タイプの例
- 書かれた単語
- 記号
- グラフ
- 実物教材(たとえばappleという単語を学ぶのであれば実物のリンゴ)
……などなど。
小説よりも、「マンガで覚えるシリーズ」の本の方がすんなり頭に入ってくる人はこの学習スタイルが合っていますね。
こちらの語呂合わせで英語の曜日を覚える記事はまさに「視覚タイプ」向けです。
聴覚タイプの学習スタイル(Auditory Learner)
さて、こちらのフレーズを読んでみてください。
聴覚タイプの例
- やめられない とまらない カルビー カッパえびせん♪
- ロッテ コアラのマ〜チ♪
- 電話してちょうだ〜い♪(タケモトピアノ)
もしこれらのフレーズを読んで、頭の中にメロディーが流れて来た、もしくはメロディーと共に歌っていたとしたら聴覚タイプの学習スタイルが合っている証拠です。
このスタイル向きの学習者は、聞いて覚えるのが効果的。
例えば先生の講義、英会話の練習、音楽の歌詞から学び取るのが合っています。
気に入った洋楽があれば、その歌詞を歌と共に覚えると、英語が流れ込んでくるように頭に入ってくるタイプの人たちですね。
単語帳の『DUO 3.0』のように、音声を使ったものがオススメです。
体感覚の学習スタイル(Kinesthetic Learner)
そして3つ目のスタイルは、体や手を動かすことを通じて学習する「体感覚の学習スタイル」です。
この学習スタイルの人にマッチした学習方法はズバリ、体を動かすこと。例えば……
体感覚タイプの例
- 体を大きく動かしてスペリングを綴ってみる
- 実際に英語で注文できるレストランで英語を使ってみる
- ネーティブスピーカーを交えたグループ英会話で話してみる
単語を覚える際にジェスチャーも付けると覚えやすいのであれば、あなたはこのスタイルがむいています。
お子様向けの教材では『英会話たいそう』のように、うまく取り入れたものがあります。
グーミーズも体感覚で英語に馴染めますよ。対象は幼稚園の子ぐらいまでですが。
学習スタイルはコンビネーションで成り立っている
以上のように3つの学習スタイルを紹介しましたが、実は2つ以上のコンビネーションで成り立つことが多いです。
例えば、単語を何回も書いて覚えるのであれば、「体感覚(書く)」と「視覚(単語を見る)」が組み合わさっています。
英語の小説を音読するのであれば、「視覚(文章を読む)」と「聴覚(言っているのを聞く)」がセットになっています。
このように、何かを学習する際には視覚、聴覚、体感覚が絡み合っているんです!
なので人によって、それぞれ得意なスタイルはあるものの、複数(もしくは3つとも)得意という人もいます。
得意なスタイルが複数ある場合は、それらをミックスした学習法に力を入れてみましょう。
あとふたつの感覚は?
人間の感覚には五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)があり、それらを使って学習を効率的に行っています。
上に挙げたのは視覚、聴覚、触覚を駆使していますが、残りのふたつ、すなわち「味覚」と「嗅覚」は仲間外れにされてしまっています。これはなぜでしょうか?
学校の教室という、ある意味で特殊な場所においては味覚や嗅覚を織り込んでの授業を毎日繰り広げるのは難しいからでしょう。
それでも時々なら調理実習を絡めた英語学習をしたりすれば、英単語の定着に役立つかもしれませんね。
どこなら五感をフルに活用できるのか ?
5つの感覚がそれぞれ繋がっているのなら、それらを全てを駆使すれば一番効率よく(「費用対効果」の高い)英語が勉強できるわけですね。
ではどこなら全ての感覚を総動員するのか?
ズバリ海外です!!
海外に行って、見た風景、空港に降り立ったときの匂い、ドぎつい配色の看板といったひとつひとつの情景がインパクトをもって脳裏に残ります。
これを英語学習に応用すれば、更なる学習効果が期待できます。
特にお子さんがいらっしゃれば、思考が柔軟なうちに世界を見せてあげてください。
英語はもちろん、俗に言われている「グローバル化」とは何なのかを考える良いキッカケになりますよ。
「海外旅行なんて、そうそうできるもんじゃない」と思うかもしれません。
でも「学習にインパクトを与える」という意味では、普段行かない場所に行って英語を勉強しても良いですし、英語話者が頻繁に来店するお店に行って、その雰囲気に馴染むだけでも良いんです。
まとめ
本記事を期にぜひ自分の学習スタイルをチェックしてみてくださいね。
自分に良い刺激を与えるという意味でも、VAKに限らず嗅覚、感触も交えた学習スタイルを活用してみて下さい。きっと新たな発見がありますよ!
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