トイレは、私たちの生活には欠かすことができません。
そのトイレですが「あれ? 英語で『トイレ』ってなんて言うんだっけ?」と困ったことはありませんか?
今回は、アメリカでのトイレ事情、英語での「トイレ」についてまとめます。
目次
トイレは英語でなんと言う?
さて、英語で「トイレ」は何と言うかご存知ですか?
「トイレ」という言葉から、「toilet(トイレット)」に結びつく方が多いかもしれません。
実は、英語で「トイレ」を指す言葉は、いくつもあるんです。
日本語でも「トイレ」と言ったり、「お手洗い」や、「便所」と言ったりするのと同じですね!
今回は、一般的に通じる言葉を中心に紹介します。
家の中のトイレ= bathroom
英語圏の家のトイレには、たいていバスタブやシャワールーム(ブース)が一緒なのはご存知だと思います。
「トイレにお風呂が付いている」のか「お風呂にトイレが付いている」のか、どちらで言った方がいいのかわかりませんが(笑)。
それはともかく、家の中にあるトイレは、英語では「bathroom(バスルーム)」といいます。
アメリカ英語でもイギリス英語でも共通です。
これは「お風呂場=バスルーム」のイメージが強い日本人にも違和感がないのではないでしょうか。
アメリカの家にはトイレが複数ある?!
「来客にお風呂を見せるなんて恥ずかしい」なんて思うかもしれませんが、アメリカでは、一戸建てだと、家のトイレ(バスタブ付)は1か所だけではありません。
例えば、両親2人と子どもが住む家なら、メインの寝室にバスタブ付きのトイレが隣接していて、両親はそこを使います。
そして、子どもは、別のトイレとバスタブを使うことが多いです。
来客は、そのトイレと、泊りがけの場合はバスタブも使うことになります。
アメリカだと、最低でもバスタブ付きのトイレは、2か所はあるんですね(広い家だともっとある)。
お風呂がなくても「bathroom」
「bathroom」ですが、シャワーだけ浴びられるようになったシャワールーム(ブース)もあります。
逆に、日本のようにトイレだけ(バスタブなし)の場合もあります。
これ、肝心なのですがバスタブがないトイレでも、家にあるトイレは全部「bathroom」と呼びます。
「bath(お風呂)」がないのに「bathroom」って変ですけどね(笑)。
「a」ではなく「the」を使う
トイレの場所を聞くときに「トイレはどこ?」のように言いますが、どちらが正しいのでしょうか?
「a」と「the」のどっち?
- Where is a bathroom ?
- Where is the bathroom ?
「a」と「the」の違いですが、トイレでは「the」を使います。
「a」と「the」をどういうときに使うのかについては下記を参考に!
公共のトイレ = 国によって呼び方が違う
さて、上では「家のトイレ」が「bathroom」と書きましたが、今度は公共のトイレの呼び方について紹介します。
お店やレストラン、駅などの公共施設内にあるトイレや、公衆トイレなど、町なかにあるトイレの呼び方です。
「え? 呼び方が違うの?!」と思われそうですが、そのとおりです。しかも、国によって呼び方が違います。
イギリス英語 (イギリス・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドなど) |
bathroom loo toilet |
---|---|
アメリカ | restroom |
カナダ | washroom |
「トイレ」という言葉に限らず、イギリス英語とアメリカ英語で違う言葉を使うことは、よくあります。
bathroom(イギリス英語)
イギリス英語では、トイレは、家の中のトイレと同じように「bathroom(バスルーム)」という言葉を使います。
イギリス英語の影響を受けているオーストラリアやニュージーランドでも、イギリスと同じです。
私もアイルランドに住んでいたときは、「bathroom」をよく使っていました。
ちなみに、私が初めて「bathroom」という言葉を聞いたとき、「バスタブがないのに?」と違和感がありました。
家の中にあるトイレはもちろん「bathroom」、お店やレストランにあるようなトイレも、イギリス英語では「bathroom」というのです。
不思議ですが、それが普通なのです。
でももし、発音などの問題で「bathroom」が通じないことがあれば、次で紹介する「toilet」を使うといいでしょう。
toilet(イギリス英語)
イギリス英語では「toilet(トイレット)」もよく耳にします。
このブログに記事を書いているオーストラリア在住のはつさんにも聞いてみると、「toilet」の使い方には、このような注意点もあるそうです。
「toilet」の注意点
- 学校では「toilet」「bathroom」の両方を使う
- 食事中など、周りの人に気をつかう場では「bathroom」と言う
なぜ食事中には「toilet」という言葉を避けるかというと、「トイレ」という意味とともに、「便器」という意味もあるからです。
たしかに、日本でも、食事中は言葉に気をつけますよね。直接的な言葉を使わず、「ちょっとすみません……」と席を立ったりしますね。
このように、「toilet」は、使わない方がいい場があるので、どちらか1つを覚えるとしたら「bathroom」がいいですね。
ちなみに、この「toilet」ですが、アメリカでは「トイレ」の意味では使われません。「便器」と言いたいときだけです。
アメリカで「toilet」という言葉は、「便器」を強く想像させてしまう……というわけでしょうね。
loo(イギリス英語)
イギリス英語では「loo」という言葉もよく耳にするようです。
発音としては「ルー(「 L 」の発音ですが)」と言います。
「loo」は老若男女使えますが、正式な場所、もしくはフォーマルの状況では使いません。
そういう場で「loo」と言うと、ちょっとお茶目な感じに受け取られます。
restroom(アメリカ英語)
アイルランドで「bathroom」を使っていたのですが、アメリカに来ると、家の外ではその言葉にほとんど出合わなくなりました。
アメリカでは、お店やレストランなどのトイレは「restroom(レストルーム)」です。
washroom(カナダ英語)
そして、なぜかアメリカの隣のカナダでは「washroom(ウォッシュルーム)」が使われます。面白いですね。
WC(現在は使われていない)
日本の公共のトイレで「WC」と書かれているところがありますよね? この「WC」は英語圏では今は使われていません。
これはトイレを意味することはわかりますが、何の略かご存じでしょうか?
じつは「Water Closet(ウォータークローゼット)」です。
大昔、ボットン便所が主流だった時代に「水洗トイレ」が登場し、区別するために「水(water)」の付く名前で呼ばれていたんですね。
日本語でも「水洗便所(水洗トイレ)」「ボットン便所」という区別がありますが、現在は99%が「水洗トイレ」になったため、「水洗トイレ」という日本語が使われなくなってきました。
「水(water)を使うトイレ」というのが前提になりましたから!
ということで、日本語の「水洗トイレ」と同じく「Water Closet」という言葉は現在使われていません。いまだに町中で見かけるのは日本ぐらいかも?
lavatory(飛行機の中)
飛行機の中では「lavatory」で統一されています。
ただ、この言葉は私自身飛行機以外では出合ったことがありません。
語源はラテン語で、「トイレ」というよりは、「手を洗う(場所)」という意味合いが強いそうです。
日本語の「お手洗い」という表記に似ていると思いました。表記は「手を洗う(場所)」なのに、実際は「用を足す(場所)」という……。もちろん手も洗えますが。
かといって、機内では「lavatory」という言葉を使わないといけない(=通じない)かというと……そんなことはないです。
私は、いつも乗務員さんには「bathroom」や「restroom」を使っていますが、問題ありませんよ。
ちなみに「laboratory(研究室)」とスペルが似ていて覚えにくいですよね。
こちらのベストセラー『英単語の語源図鑑』を読めば、その違いにも目からウロコだと思います。
potty(幼児語)
もうすぐ2歳になる娘に、そろそろトイレトレーニングを……と思っているのですが、子ども向けに「トイレ」は「potty」と言うんです。
「potty」は「おまる」の意味でも使い、「トイレトレーニング」は、「potty training」と言いますよ。
もちろん、これは幼児語なので大人に向かっては言わないように!(笑)
ちなみに英語でおむつは「diaper」と呼びます。
「トイレ」に関する英会話
続いて「トイレ」に関する英会話も紹介しますね!
トイレを探している
まずは、トイレを探している状況です。
日本語だと「トイレはどこですか?」のように言いますが、英語ではどう言うのでしょうか?
トイレはどこですか?
駅や、レストラン、デパートで、「トイレはどこですか?」と聞くことって多いですよね。
そんなとき、英語ではどう聞けばいいのでしょうか? 実は簡単です。
Where is the restroom ?
(トイレはどこですか?)
この例ではアメリカで使われる「restroom」にしていますが、イギリスなら「bathroom」に変えてください。
トイレを探しています
同じような表現ですが、「トイレを探しています」という表現です。
I'm looking for the restroom.
(トイレを探しています)
「〜を探す」という意味の「look for 〜」を使いますね!
トイレを借りたい
主に友達の家などに行っていて「トイレを貸して」というときはどう表現するのでしょうか?
トイレを借りてもいいですか?
「トイレを借りてもいいですか?」は、「借りる(borrow)」を使って言いたくなりますよね?
でも、「借りる(borrow)」ではなく、「使う(use)」を使います。
「トイレを借りる」とは?
- Can I borrow the bathroom ?
- Can I use the bathroom ?
もし、「borrow」を使ったらどのように聞こえるのでしょうか?
実は英語の「borrow」のイメージで言うと「トイレをどこかに持ち運んで使用する」ように見えるんですね。
トイレは持ち運べないですし、そもそもトイレは「使うもの」です。
ですので、こちらの表現を覚えておいてください!
Can I use the bathroom ?
(トイレを借りてもいいですか?)
こちらの表現は主に家の中で使うと思いますので、家の中のトイレを差す「bathroom」で使いましょう。
ちなみに「貸す・借りる」については下記の記事をご参考に!
飛行機でトイレに行きたい
飛行機の中のトイレは「lavatory」でしたが、飛行機の中でトイレに行きたいときの表現も紹介します。
すみません
飛行機の中の場合、勝手にトイレに行けばいいのですが、窓際の席の場合は、隣の人がいてどいてもらう必要があることも。
そんなときは「トイレに行きたいです」なんて言いません!
「Excuse me」でオッケーですよ。
Excuse me.
(ちょっとすみません)
通路に通してください
「Excuse me」で伝わらないときはどうしましょうか?
こちらの表現を使いましょう。
Could you pass me through ?
(通路に出たいんですけど)
トイレの豆知識
さて、最後に海外のトイレについての豆知識についてまとめました。
観光客に「bathroom」と聞かれたら注意!
日本でも外国人観光客がどんどん増えていて、外国人からトイレを聞かれる立場になる可能性もあります。
そのことについて、私の夫(アメリカ人)が、こんなことを言っていました。
外国人向けのガイドブックには、「日本では、トイレの場所をたずねる際には、「bathroom」という言葉を使わないように」と書いているよ。
なんで?!
「bath」だから「お風呂場」に連れて行かれるからだって!
大まじめに言っていたので本当みたいです。
これは、日本人が「bathroom」と聞くと、「お風呂場」に案内してしまうということがかなり多いという結果に基づいているそうです。
もし、旅館などで、外国人から「Where is the bathroom?」と聞かれたら、本当に行きたいのはトイレなのか浴場なのか、聞いた方がいいですね。
アメリカのトイレはトラブルが少ない
日本だと長時間外出すると、どこでトイレに行こうかと考えることはありませんか?
高速のサービスエリアやデパートでトイレに行くと、長蛇の列。そんなこともありますよね。
アメリカに来てびっくりしたことは、あまりトイレに困らないことです。
もちろん地域柄や、お店の広さなどにもよりますが、たいていのお店にはトイレがあります。
しかも、トイレットペーパーがなくて困った……なんてこともほとんどありません。
超田舎のガソリンスタンドなどでない限り、「汚くて困った!」なんてこともほとんどないんです。
失礼な話ですが、ちょっと意外でした。
ただ、アメリカのトイレは、日本のトイレのように、「ほぼ密室」になりません。壁やドアの間に少し隙間があります。
ドアも、下30cmくらいは板がないので、使っている人の足が見えたりします。
といっても、もちろん、見えて困らない程度の隙間で、個室の外から見ると、「誰かいるな」という程度にしか見えません。
慣れないうちは落ち着きませんが、これは犯罪を防止するためだそうですよ。
海外ではトイレマークは黒
今度はトイレのマークについてですが、日本だと「男子トイレ=黒(もしくは青)」「女子トイレ=赤」のように色が違いますよね。
ところが、これは日本だけで海外では性別にかかわらず同じ色なのが普通です。
上の写真はカナダで撮ったものですが、どちらも黒ですよね?
日本人が海外のトイレに入るときは間違えないように気をつけてください。
特に男性の場合は、色だけで判断すると女子トイレに入ってしまいそうです。
ジェンダーニュートラルのトイレ
現在、海外の先進国では性別は女性と男性の2つという認識ではなくなってきています。
そのため「ジェンダーニュートラル」のトイレも設置されることも増えてきました。
「ジェンダーニュートラル(Gender Neutral)」は、「性」を表す「ジェンダー(gender)」と、「中立」という「ニュートラル(neutral)」で成り立っています。
「身体は男性だけど心が女性の方」「身体は女性だけど心が男性の方」など、多様な性が認められてきているからこそですね。
インスタでも紹介しています!
まとめ
いろんな単語が出てきたので最後にまとめますね。
- 家の中のトイレ
-
- bathroom
- 公共のトイレ
-
- イギリス英語(アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドも)…… bathroom(loo, toilet)
- アメリカ …… restroom
- カナダ …… washroom
- 飛行機のトイレ
-
- lavatory
イギリス英語圏では「toilet」もよく使われますが、食事中などでは「便器」の意味もある「toilet」は避けた方が無難です。