英語のアクセント(ストレス)のコツとは?【英語発音クラスレポ(3)】

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タカコ

こんにちは、アメリカ在住ライターのタカコです。

先日から始まった発音クラスのレポ第3回目です。今回は、前回の続きで、英語のストレス(アクセント)とについて書こうと思います。

言語によって話し方の調子(=リズム)が違う

前回の「シャドーイング」の記事で、「英語のリズム」という言葉を繰り返して使っていますが、英語のリズムは日本語のリズムとは違います。

たとえば「これ何て言っているの? というか何語?」と、はっきり聞き取れないような話し声を耳にしたことありますよね?

でも、言葉は聞き取れなくても、その話の調子から「日本語みたい」「日本語じゃないみたい」というようなことはわかると思います。

言葉は聞き取れなくても、発話の流れや強弱のつけ方が、それぞれの言語によって違うんですね。

英語は「音声の強弱」が意味に関係する

少し専門的なことになりますが、英語は「stress - rhythm language」です。

言葉の強弱の位置によって、その言葉の意味が変わることがあります。

例えば、「suspect」。

表記は同じですが、後半の音節「pect」にストレスを置くと「動詞(疑う)」という意味に、前半の音節「sus」にストレスを置くと(強く発音すると)「名詞(容疑者)」になります。

ちょっと言葉だけでは伝わりづらいので、音声をお聞きください(声: ヨス)。

最初に言った「suspect」は後ろにストレスがあるので「動詞」ですね。2回目の「suspect」は前の方にストレスがあるので「名詞」です(音声ではこれを2回繰り返してます)。

ちなみに、同じスペルでもストレスの場所によって名詞/動詞になる単語はいろいろあります。

  • suspect …… suspect: 容疑者(名詞)・suspect: 疑う(動詞)
  • contract …… contract: 契約(名詞)・contract: 契約する(動詞)
  • decrease …… decrease: 減少(名詞)・decrease : 減少する(動詞)
  • present …… present : 贈り物(名詞)・present : 贈る(動詞)
  • increase …… increase : 増加(名詞)increase : 増加する(動詞)

このような感じです。

日本語は「音の高低」が意味に関係する

一方で日本語は、音の強弱では言葉の意味は変わりません。では「橋」「箸」のように同じ音声の単語があるときにどうやっていますか?

実は音節ごとの音の高低が意味を変えます。

言葉にするとややこしいですが、声の高さを変えて「橋」「箸」「端」のように言葉を使い分けますよね。

これは英語の「ストレス(声の大きさ)」とは全く違います。

内容語と機能語

また少し文法的に専門的な言葉になりますが、文章は……

  • content words(内容語)
  • function words(機能語)

で構成されています。

content words(内容語)の例
  • nouns(名詞)
  • verbs(動詞)
  • adjectives(形容詞)
  • adverbs(形容動詞)
  • question words(例: what、howなど)
  • negative(例: haven't、isn'tなど、「is not」は「not」のみ)
function words(機能語)の例
  • prepositions(前置詞:「at」や「in」など)
  • articles(冠詞:「a」や「the」など)
  • auxiliary verbs(助動詞:「should」や「must」など)
  • pronouns(代名詞:「it」や「she」など)

これまたややこしいですが、ざっくり分けるとしたら、文章に使われている言葉を見て、それぞれの言葉のみで「意味」を持っていれば「content words(内容語)」ですね。

例えば、

I'm happy to assist you.

これを「contend words(内容語)」と「function words(機能語)」に分けてみます。

  • content words(内容語)…… happy(形容詞)、assist(動詞)
  • function words(機能語)…… I(代名詞)、am(be動詞)、to(前置詞)

発話のリズムの秘密

なんで、突然こんな話をしたかというと、この「content words(内容語)」には、ストレス(言葉の強弱をつける部分)があり、通常「function words(機能語)」にはありません。

「I'm happy to assist you」の文では、「HAppy」「aSSIst」のように大文字の部分を強く発音します。こちらの音声をお聞きください。

ストレスのない「機能語」は、ストレスのある(= 強く発音される)「内容語」にくっつく形で、弱めに発音されます

機能語の例外
be動詞で一般動詞と同じような扱いをする場合(動詞として内容を持つ場合)や、代名詞等でも文脈によって重要な内容を持つ場合は、その内容を強調して強く発音する場合があります

内容語と機能語がくっつくときは、基本的に後ろの言葉にくっつきます(proclitic)。

逆に文末で、後ろに「内容語」がなければ、前にきます(enclitic)。「I'm happy to assist you.」の場合、「you」がそれにあたりますね。強く発音しないので、ちょっと抜けるような言い方になります。

日本語も同じ

これ、専門用語ばかりでややこしく見えますが、日本語にも内容語と機能語があって、機能語は内容語にくっついて発話されています

例えば……

私はアイスクリームが大好きです。

という文を声に出すときは、助詞の「は」は、「私」にくっついて「私は」、「が」は「アイスクリーム」にくっついて「アイスクリームが」と言いますよね。

日本語は、基本的に前の内容語とくっつくので(※専門的には膠着語と言います)、くっつき方は違います。「機能語は内容語にくっついて発話される」というのをなんとなく感じてもらえれば。

話は戻って、英語では、「機能語は、後ろの内容語とくっつくように発話される」ということなんです。

英語は、表記すると単語ごとに区切って書くので、つい一語一語区切って言ってしまいがちですが、そんなルールがあるということをおぼえておきましょう。

構造的に考えると面倒ですが、こんな仕組みで、英語の発話は強弱がついているのです。

どうですか? 一語一語区切るのではなく、「(I'm happy) (to assist you).」というように聞こえませんか?

構造的に考えると面倒ですが、こんな仕組みで、英語の発話は強弱がついているのです。

「ストレス」には3種類ある

今まで、ストレスは「強く発音する」と書いてきましたが、厳密には発音の仕方には3種類あります。

  • loudness (volume, amplitude)
  • pitch
  • duration (length)

それぞれを簡単に説明します。

loudness
loudness(音の大きさ)」では、ストレスのある部分を声を強く発音します。
pitch
pitch(音の高低)」を使って、ストレスのある部分は音を高く発音します。
duration
duration(持続している時間)」は音の長さです。ストレスのある部分を、長く発音します。

「ストレス」を組み込んだ話し方のコツ

先生は、「まずは言葉の中でストレスを見つけること。そして、そのストレスを大きく・高く・長く発音するのがポイント」と。

この3点を少し大げさなくらいに声に出して練習すると、英語のリズムがつかみやすいそうです。

リズムをとりやすいように手をたたいたり、歌を歌うときのように手や首などを動かしてリズムをとってみたりするのも有効だそうですよ。

遠回りのようで近道の作業……と信じて

面倒くさっ!!

そこまでしないといけないの?……と思うかもしれません。

ですが、英語を母語としていないわたしたちは「メカニズム」として組み込まれていないので、そういうこともいちいち機械的に分析しないと強弱のつけ方がわかりません

逆に、日本語を母語とする私たちには、日本語のメカニズムが頭の中に組み込まれています。知らず知らずのうちに言葉を使い分けたり、上手に発音できたりします。

機械的にすることで身につく。遠回りのようで近道……だと思うことに。慣れるまで少し辛抱です。

今まで私は、単語の中のストレスは、少し意識したことがありましたが、文章単位で意識したことはありませんでした。

そもそも、話すことに精いっぱいで、そこまで気を回す余裕がないのです。

なので、言葉の中に強弱を持たない言語である「日本語」を話す私が話す英語は、やっぱり単調で聞き取りづらいんだと思います。

今回は、どうしたら英語っぽく発音できるのか? ということで、日本と違う英語のアクセントと発話のリズムについて書いてみました。

内容がどうしても専門的になるので、読みづらい部分もあったと思いますが、逆に言えば、慣れるまでは多少機械的に、また文の構造をじっくり見ないと、そのリズムはなかなかつかめないということですね。

私の発音改革は、まだまだ始まったばかり。前回の記事にも書いたシャドーイングも並行して、とにかく声に出す練習。特にシャドーイングはうまくできなくて、心が折れそうになりますが、少しでも上達することを夢見てがんばります!!

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ABOUTこの記事をかいた人

タカコ

日本語教師養成講座修了。英語が苦手だったにもかかわらず、夫となるアメリカ人との結婚を機に渡米。現在は一児の母として英語に囲まれた環境の中で英語を習得中。日本語教育に携わった経験から言語を深く掘り下げる探究心がすさまじく、身近な英語の知識を初心者にもわかりやすく書くよう心掛けている。