文と文をつなぐとき、「Because(〜だから)」や「When(〜するとき)」などを使います。
例えば次のような使い方です。
She was watching YouTube videos when I woke up.
(ボクが起きたとき、彼女はユーチューブを観ていた)
このときの「when〜」の部分を文法用語では「副詞節」と呼びます。
今回は、英語の副詞節について、名詞節・形容詞節との違いや「時や条件を表す副詞節」の時制など詳しく紹介しますね。
副詞節について
はじめに、副詞節とは何かをハッキリさせましょう。
英語の副詞節の意味や名詞節・形容詞節との違いを紹介していきますね!
副詞節とは?
まず、副詞節の意味から見ていきましょう。
その名前の通り、副詞節とは「副詞の役割をする節」です(参考: 副詞とは?)。
「副詞節」のある例
例えば以下の「When he came home」が副詞節ですよ。
When he came home, I was playing video games.
(彼が帰ってきたとき、ボクはゲームしてたよ)
この場合、オオカミさんがもっとも伝えたいのは次のどちらの情報でしょうか?
どちらを伝えたい?
- 彼が帰ってきた
- ボクはゲームしてた
もちろん「ボクはゲームしてた」の方ですよね。
「彼が帰ってきた(When he came home)」はメインではなく、メインの内容を補足しています。
- メイン
- I was playing video games
(ボクはゲームしてた) - メインの補足
- When he came home
(彼が帰ってきたとき)
2語以上のかたまりになった副詞が「副詞節」
このように動作や文全体を修飾するのが、まさに副詞の役割なんです。
さらに、「When he came home」は1つの単語ではなく2語以上のまとまりですよね?
主語(S)と述語(V)がそろっている2語以上のかたまりを英文法では「節」と言います(参考: 句と節とは?)。
副詞節とは、このように「SVがある2語以上のかたまりで副詞の働きをするもの」と覚えておいてくださいね。
ちなみにメインの節を「主節」、メインを支える節を「従属節」と呼びますよ。
名詞節・形容詞節との違いは?
副詞節とは何かがわかったところで、他の節と比べておきましょう。
英語には副詞節の他に「名詞節」と「形容詞節」があります。
「節」の共通点
まず、どれも「節」なので次の点では同じです。
節の役割
- SVを含んでいる
- 2語以上のかたまりである
- 1つの品詞の役割をする
ではどこが違うのでしょうか?
「名詞節」「形容詞節」の役目
副詞節と比較すると以下のような違いがありますよ。
どれも副詞節にはできない役割ですよ!
名詞節・形容詞節については別記事で詳しく紹介しているので、そちらをぜひ読んでみてください。
副詞節を作る代表的な3パターン
副詞節の基本がわかったところで、いろいろな例文でさらに理解を深めていきましょう。
英語で副詞節を作るには大きく分けて3つの代表的なパターンがあるんです。
それぞれ紹介していきますね!
接続詞
まずは「接続詞」です。
「When(〜するとき)」や「Because(〜だから)」などの接続詞を文頭に置くことで副詞節を作ることができます。
例えば以下のような具合ですよ。
I love carrots because I'm a rabbit.
(あたしウサギだから、ニンジン大好きなんだ)
この場合、「because I'm a rabbit(わたしウサギだから)」という副詞節によって、メインの「I love carrots(ニンジン大好き)」という節を修飾しています。
「副詞節」ということを意識しなくても、英語を学んでいるとよく見る形ですよね!
わりとなじみ深い以下の接続詞・接続表現を使うとかんたんに副詞節になりますよ。
as | 〜ように |
---|---|
as far as | 〜する限り、〜の範囲では |
as long as | 〜のうちは、〜ならば |
as soon as | 〜するとすぐに |
before / after | 〜の前に / 〜の後に |
because | 〜だから |
even if | たとえ〜でも |
if | もし〜なら |
though | 〜だとしても |
when | 〜するとき |
while | 〜の間 |
関係副詞
お次は「関係副詞」です。
関係副詞と呼ばれる表現でも副詞節を作ることが可能です。
以下の例文の「where I lived for 10 years」の部分が関係副詞ですよ。
Tokyo is the city where I lived for 10 years.
(東京はボクが10年住んでた街だ)
「Tokyo is the city(東京は街だ)」だけで文としては成立しますよね?
主語・述語がきっちり完成している文に「where I lived for 10 years(ボクが10年住んでいた)」という節を追加しているので、これは副詞の役割と言えます。
副詞節を導く関係副詞は以下の4つの言葉で作れます。
副詞節を導く代表的な関係副詞一覧
- when
- where
- why
- how
複合関係詞による譲歩節
あとは「複合関係詞による譲歩節」です。
ちょっと難しそうな表現ですね……。
複合関係詞による譲歩節の例
複合関係詞による譲歩節というのは、以下のような文です。
However hard it is, I'll find golden carrots.
(それがどんなに困難でも、黄金のニンジンを見つけてやるぞ!)
ここでは「However」という複合関係詞によって「However hard it is(それがどんなに困難でも)」という副詞節を導いています。
この場合の副詞節は譲歩節とも呼ばれますよ。
「複合関係詞」「譲歩節」とは?
「複合関係詞」と「譲歩節」の意味は次のようになります。
- 複合関係詞とは?
- 「however」のような「〇〇ever」という形の言葉
- 譲歩節とは?
- 複合関係詞によって作られた「副詞節」の別の名称
けっきょくのところ、「〇〇ever」という単語が使われている部分が「副詞節」だということですね。
「〜ever」という形をとる「複合関係詞」には以下の単語がありますよ。
whatever | 〜が何であれ |
---|---|
whenever | 〜するときはいつでも |
wherever | どこで〜しても |
whoever | 誰が〜でも |
whichever | どちらが〜でも |
however | どれほど〜でも |
※「whatever」「whichever」は関係代名詞や関係形容詞として名詞や形容詞の役割をすることもあります
※「whoever(whomever)」も関係代名詞の働きがあります
※「whenever」「wherever」「however」は副詞の役割だけです
時制に注意! 時や条件を表す副詞節について
あとは、どうしても知っておいてほしいことを紹介しますね。
それは「時や条件を表す副詞節」についてです。
未来のことなのに動詞が現在形に?
まずは以下の例文をご覧ください。
If it rains tomorrow, I'll play video games all day long.
(明日雨なら、一日中ゲームするつもりだよ)
文の中の「rains」に注目です。
明日のことなのに未来形の「will rain」ではなく現在形の「rains」になっていますよね?
これが「時や条件を表す副詞節」の特徴です。
たとえ未来の内容でも、時や条件を表す副詞節の中の動詞は現在形で表しますよ。
時や条件を表す副詞節を導く代表的な表現は以下のものです。
after | 〜の後に |
---|---|
before | 〜の前に |
as soon as | 〜するとすぐに |
by the time | 〜の時までに |
till/until | 〜までずっと |
when | 〜するとき |
if | もし〜なら |
---|---|
unless | もし〜でないならば |
【注意】動詞は「原形」ではなく「現在形」
これらの表現で始まる副詞節はとにかく動詞を「現在形」にしましょう。
「原形」ではなく「現在形」ということにも注意が必要です。
つまり、主語が三人称ならば動詞には三単現の「S」が付きますよ!
ちなみに「if」に関しては「時や条件を表す副詞節のif」と「仮定法のif」は別物なので、そこも注意してください。
仮定法の「if」ならば動詞は過去形や過去完了形になります!
まとめ
今回は、「副詞節」について紹介しました。
もう一度「副詞節」をまとめると次のようになります。
「副詞節」のまとめ
- 副詞の役割をする2語以上のかたまり
- 接続詞・関係副詞・複合関係詞で作る
- 時や条件を表す副詞節の中の動詞は現在形!