英語の動詞は「〜ing」や「〜ed」のように形を変えられますよね?
それらの変化形を使って1つの「ことばのかたまり」を作れるのが動詞句です。
今回は、「動詞句」と「句動詞」の違いや、文の中での「動詞句」の3つの役割についてわかりやすく紹介しますね。
目次
動詞句について
はじめに、動詞句の意味・定義をハッキリさせましょう。
名前がよく似た「句動詞」との違いも説明していきますね!
英語の「動詞句」とは?
まず、動詞句とは何かを見ていきましょう。
「動詞句」の定義
英文法においては「句」とは「2語以上の言葉のかたまり」を意味します。
そのため、「動詞句」とは以下の定義になりますよ!
英語の動詞句とは?
動詞を使って作る2語以上のかたまり
動詞句の例文
イメージしやすいように、例文で見てみましょう。
I know that man using his smartphone.
(スマホいじってるあの人、知ってるよ)
この場合の「using his smartphone(スマホを使っている)」が動詞句です。
動詞の「use」を使って、次の「語のかたまり」を作っていますよね。
動詞句の例
using his smartphone
(スマホを使っている)
「動詞句」という名称は、ちょうど前置詞を使った「前置詞句」と考え方は同じです。
「in the room」や「from Japan」など、前置詞を中心として作る句を「前置詞句」と呼んでいるのと同じノリですよ。
「句動詞」と「動詞句」の違い
「動詞句」の意味がわかったところで、「句動詞」との違いも見ておきましょう。
なにが違うの?「句動詞」と「動詞句」
英文法を学んでいると、名前がよく似た「句動詞」という項目も登場します。
かなり混乱するネーミングですが、ぜんぜん違うものを指します!
ずばり、以下の違いがあるんです。
- 句動詞
- 2語以上で1つとなった「動詞」
- 動詞句
- 動詞を使って作る「句」
どちらも動詞を使って作るかたまりという点は同じです。
「句動詞」は2つの単語で成り立つ「1つの動詞」
しかし、「句動詞」と「動詞句」は、文の中での役割が違います。
句動詞は次の例のように、文の中で「動詞」として機能するものを言います。
Please take off your shoes here.
(ここで靴を脱いでください)
「take off(〜を脱ぐ)」が句動詞ですね。
動詞「take」に「off」がくっつくことで、「take off」と見かけは2語になります。
ところが、これで1つの動詞として機能しているのです。
句動詞は1つの動詞
take + off
take off(〜を脱ぐ)
句動詞はいわゆる熟語・イディオムのことだと考えてOKですよ!(群動詞とも呼びます)
句動詞についてはこちらに詳しくまとめています。
「動詞句」は「動詞以外の役割」をする
それに対して、動詞句は文の中で「動詞以外の役割」をするものを指します。
以下の例文の「eating carrots(ニンジンを食べること)」の部分が動詞句です。
I like eating carrots.
(ニンジンを食べるのが好きなんだ)
動詞「eat」を使って「eating carrots」というかたまりを作っていますよね?
ポイントなのは、ここでは動詞としては機能していないことです。
この場合の「eating carrots」は動詞「like(〜が好き)」の目的語になっています。
品詞で言えば、「eating carrots」は名詞として機能していることになりますね(目的語になれるのは名詞のみ)。
「句動詞」と「動詞句」は役割が違う
「句動詞」と「動詞句」の違いは、役割に焦点を当てるとわかりやすいです。
名称 | 役割 |
---|---|
句動詞 | 動詞 |
動詞句 | 動詞以外 |
役割が動詞なら「句動詞」、動詞以外なら「動詞句」です。
ちなみに言語学では、他の動詞を修飾する「動詞 + 目的語」を指して「動詞句」と呼ぶ場合もあります。
たとえば、中国語の文法だと「連動文」のところで出てきますよ!
3種類ある「動詞句」の例
動詞句とは何かがわかったところで、さらに例を見てみましょう。
文の中での役割としては全部で3種類あるので、それぞれ紹介していきますね!
名詞の役割をする場合
まずは名詞の役割をする「動詞句」です。
動詞を「〜ing」の形にすると、名詞の役割をする句になります。
たとえば、以下の「watching YouTube videos(ユーチューブ動画を観ること)」の部分ですよ。
Watching YouTube videos is so much fun.
(ユーチューブ観てるのってめちゃ楽しい!)
「〜すること」という名詞のかたまりを作ることができます。
いわゆる動名詞が、名詞の役割をする動詞句です。
名詞の役割をする句=名詞句についてこちらで詳しく紹介しています。
形容詞の役割をする場合
お次は形容詞の役割をする動詞句を見てみましょう。
動詞を「分詞」という種類に変えると形容詞として使うことができます。
例文で見てみましょう。
Look at the sun rising in the west !
(西から昇ったあのお日様を見て!)
動詞句の「rising in the west(西から昇る)」は「the sun(お日様)」という名詞を修飾しますよね?
名詞を修飾しているので「rising in the west」は形容詞の役割と言えるわけです。
分詞の形は「現在分詞(〜ing)」と「過去分詞(〜ed)」の2種類がありますよ(不規則な変化をする動詞もあります)。
形容詞として機能する句=形容詞句についてはこちらをどうぞ。
現在分詞とは?
現在分詞についてはこちらをどうぞ。
過去分詞とは?
過去分詞についてはこちらをご覧ください。
副詞の役割をする場合
最後の3つ目が、副詞の役割をする動詞句です。
さきほど、動詞の変化形である「分詞」を紹介しました。
その「分詞」を使って、文の最初や最後にかたまりを置くと、なんと副詞の役割をさせることもできるんですよ。
「分詞構文」と呼ばれる技です!
たとえば、以下の「seen from a distance(遠くから見ると)」がそうです。
Seen from a distance, the rock looks like Pikachu.
(遠くから見ると、あの岩はピカチュウみたいだ!)
「遠くから見ると(seen from a distance)」は、後に続く「文全体」を修飾しています。
文全体や動詞・形容詞を修飾できるのは副詞だけなので、「seen from a distance」という動詞句は副詞の役割をしていると言えますよ。
名詞句・形容詞句と同じく、副詞の役割をする句=副詞句についてはこちらで紹介しています。
まとめ
今回紹介した「動詞句」についてまとめるとこちらになります。
「動詞句」まとめ