今回は言語教育の場でよく見かける「過剰般化」という現象について紹介します!
さらには英語学習者がよくやってしまいがちな過剰般化の例も紹介しますね。
「過剰般化」とは?
言語にはルールがあります。そして、新しい言語を学んだときに新しいルールを覚えますよね。
日本語を例に出すと「漫画の本」というように「の」のルール。
「の」を使うと「漫画」と「本」という2つの名詞を合体できるというルールです。
「の」のルール
漫画の本
外国の人の中には、このルールを過剰に一般化させて「面白いの本」のように言う方がいます。
こういう「特定のルールを過剰に一般化させる現象」を「過剰般化」と呼びます。
これはどんな言語を勉強していても起こりえることで、英語を勉強しているときにもよく直面するのです。
英語でやりがちな過剰般化
今度は日本人が英語でやりがちな過剰般化の例を見てみましょう。
過去形はなんでも「ed」をつける
たとえば、英語の動詞を過去形にするときは基本的に「ed」をつけますよね。
ところが、「eat(食べる)」の過去形は「ate」のように不規則なものがいっぱいあります。
でも「ed」をつけて、「eated」のように過剰般化させて言ったりします。
英語の不規則動詞については下記をどうぞ。
なんでも「R」をつけて発音する
アメリカ英語を勉強している人にありがちなのが「 R 」の発音の過剰般化です。
たとえば、アメリカ英語では「mother」なら「マザR」のように「 R 」の発音をしっかりとします。
その「 R 」の発音を必要のない単語でも連発する人がけっこう多いのです。
たとえば「Do you like pinapples ?(パイナップルは好き?)なら、こんなふうに言う人がいます。
「R」の過剰般化例
Do you liRke piRnappleRs ?
(ドゥー・ユー・ライRク・パイRナッポRズ?)
たぶん「 R 」の発音をつけると、なんとなく英語っぽく聞こえるような気がするからでしょうね。
「 s 」を何でもかんでも「th」と発音
これは、わたしがやらかしていた過剰般化ですが、「 s 」の発音を何でもかんでも「TH」の発音で言っていました。
たとえば、「muscle(筋肉)」を発音するときに、「マッthル」という風に(笑)。
もちろん、何度言っても通じませんでしたよ。
そりゃそうですよ。英語では「 s 」と「th」は全く違う発音で、区別がしっかりとありますから。
「sing(歌う)」と「thing(もの)」とか「moss(コケ)」と「moth(蛾)」なんかがそうですね。
まとめ
という訳で、今回は「過剰般化」という専門用語について紹介しました。
普通はこんな言葉知らないし、知る必要もないと思います。
でも英語を勉強するときに「こういうことをやらかす危険がある」……ということを知っておくと回避できるかもしれませんね。