今回は英語で使われるアルファベットの「 L(小文字: l ) 」についてです。
英語の単語に「 l 」が出てきたときにはどういうふうに読めばいいのでしょうか?
書き方や読み方、そして発音しない「 l 」についてなど、「 l 」に関して詳しく紹介します。
英語の「L ( l ) 」について
まずは英語の「 L ( l ) 」について基本を紹介していきます。
「 L ( l ) 」の書き方
アルファベット「 L 」と「 l 」はどうやって書くのでしょうか?
罫線のあるノートには次のように書きます。
「 L ( l ) 」の名前
日本語では「エル」と読みますが、英語ではどう読むのでしょうか?
「 L 」「 l 」の名前は [ ɛɫ ] です。
次の音声データでご確認ください。
日本語の「エル」という発音に似ていますが、次の点で違いますよ。
「エル」との発音の違い
- 「エ [ e ] 」よりも口を縦に開けた「エ」の発音 [ ɛ ]
- 語末の「 l 」の発音は「ル」のような音ではなく、ダークエルと呼ばれる「ゥ」のような発音 [ ɫ ]
「 L ( l ) 」の発音について
先述したアルファベットの「名前」とは違い、「 L( l )」が単語や文章の中で出てきたときは違う読み方(発音)になります。
アルファベットには「名前」と「読み方」の2つがありますよ!
今度はアルファベット「 L 」「 l 」の発音(読み方)を紹介しましょう。
[ l ] の発音(ライトエル)
「 L 」「 l 」が単語の中に出てくるときは、基本的には発音記号 [ l ] の発音になります。
どんな発音かは、こちらの音声データをお聞きください。
え? 想像していた発音と違うんだけど??
……という感想を持つ人がほとんどだと思います(笑)。
[ l ] の発音の仕方は発音記号 [ l ] についてに詳しく書いているのでぜひご覧ください。
[ ɫ ] の発音(ダークエル)
意外と知られていませんが、「L( l )」にはもう1つの発音があります。
それが俗に「ダークエル(発音記号は [ ɫ ] )」と呼ばれている発音です。
ダークエルの発音の音声はこちらになります。
前項で紹介した [ l ] の発音よりも少し暗い発音に聞こえますよね。
通常の [ l ] の発音ではなく、「ダークエル [ ɫ ] 」になる条件を紹介します。
通常の [ l ] とは違う発音だということを意識するため、発音記号 [ ɫ ] を使っています。通常は使われない記号なので覚える必要はありません。
語末に来る「 L 」
まず、語末に来る「 l 」はダークエル [ ɫ ] の発音になります。
たとえばこちらのような単語です。
単語(意味) | 発音記号 |
---|---|
call(呼ぶ) | [ kɔɫ ] |
tell(話す) | [ tɛɫ ] |
feel(感じる) | [ fiɫ ] |
real(本当の) | [ ɹɪəɫ ] |
well(上手に) | [ wɛɫ ] |
twinkle(きらめく) | [ twɪŋkɫ ] |
それぞれの単語を発音した音声データもあるので、参考にしてください。
ただし、文の中で後ろに母音の発音が続くときは通常の [ l ] の発音になりますよ。
こちらの例をご覧ください。
母音の発音が続く例
I'll call him.(彼に電話します)
[ aiɫ kɔːlɪm ]
上の例では、「I'll」の「 L 」は後ろに子音の [ k ] が続くのでダークエル [ ɫ ] のままです。
でも、「call him」のほうはライトエル [ l ] の発音に戻ります。
なぜ?「him」の頭は「 h 」だから子音じゃないの?
……という鋭い指摘をされた人、すばらしい!
そのとおりなのですが、実は、代名詞の「him」や「her」などの [ h ] の発音は会話の中では省略されることが多いのです。
音声だとこちらのようになります。
そのため、「him」「her」の発音になり、母音の発音になるため、ライトエル [ l ] の発音に戻るのです。
母音の後ろの「 L 」で子音が続くとき
語末ではない場合でも「 L 」の発音がダークエルになることもあります。
「 L 」が母音の後に続く場合です。
母音とひとことで言っていますが、「二重母音」や「R音性母音」も同じですよ。
母音のあと |
|
---|---|
二重母音のあと |
|
R音性母音のあと |
|
音声だとこちらになります。
ただし、この場合も「 L 」の後ろに「母音」が来る場合は通常の [ l ](ライトエル)の発音になりますよ。
母音+L+母音 | feeling(感覚) |
---|---|
二重母音+L+母音 | sailing(セーリング) |
R音性母音+L+母音 | pearly(真珠のような) |
音声データはこちらになります。
[ ɫ ] の発音の仕方はダークエルについてに詳しく書いているのでぜひご覧ください。
発音のなくなる「 L 」
スペルが「alk」になるときは、 [ l ] の発音が完全に消えます。
たとえばこちらのような単語です。
単語(意味) | 発音記号 |
---|---|
talk(話す) | [ tɔk ] |
walk(歩く) | [ wɔk ] |
stalk(茎) | [ stɔk ] |
音声データでもご確認ください。
「alk」を見たら「 L 」は発音しないことを思い出してくださいね!
まとめ
さて今回は、英語の「 L 」「 l 」について紹介しました。
「 L 」が来る位置によって「ライトエル [ l ] 」もしくは、「ダークエル [ ɫ ] の発音になるということも重要なポイントですね。
「 L( l )」の発音まとめ
- 通常は [ l ] の発音
- 語末に来る「 L 」は [ ɫ ] の発音
- 母音のあとに来る「 L 」は [ ɫ ] の発音
- 「 L 」の後ろに母音が来るときは [ l ] の発音に戻る
- 「 alk 」になるときは「 L 」を発音しない
「 l 」の発音については以下の記事にさらに詳しく書いてあるので、あわせてご覧くださいね。