英単語の覚え方は? 効率的に暗記する方法まとめ

英単語の覚え方
エレナ(作田 Elena 洋子)

執筆者

英検1級。英語の発音矯正講師として延べ5,000人以上にオンラインで教える。メキシコで生まれ、スペイン・フランス・日本で過ごし、オーストラリア・アメリカ・イギリス・中国で働く。

英語をはじめとする語学の勉強で、絶対に避けて通れないのが「単語の暗記」です。

英語の単語を覚えないと、英語の文は作れませんし、会話になりません。

どうしても、「覚える」という動作が必須となっています。でもどうやって覚えるのが一番いいのでしょうか?

本記事では英語の単語を暗記するときのポイント英語のスペルを暗記する方法を紹介します。

英語を暗記するときのポイント

まずは、英語を暗記する時のポイントをまとめましょう。

効率的に英単語を暗記するためにはコツがあるのです!

「思い出せない」という体験をする

まず紹介したいのは「思い出せない」という体験をすることです。

たとえば、オンライン英会話で英会話レッスンを受けていたとします。

先生との会話で、以前覚えた単語を言おうとしても思い出せないことがあるはずです。

このときが英語の単語を覚える最大のチャンス

その思い出せない単語を辞書で引き、「ああ〜、そうだった!」と納得する体験をすると、その単語をかなりの確率で覚えられます。

この手順をまとめますね。

手順

  1. 会話の中で覚えた単語を使おうとする
  2. でも、その単語が思い出せない
  3. あとで辞書を引いて確認

「思い出せない」という悔しい体験、そして辞書を引いたときに「ああー!」と納得した体験が強烈に記憶に留める役目になるのです。

わからない単語に出合ったらすぐに辞書を引く

そして、わからない単語があったときはすぐに辞書を引きましょう

わからない単語をそのままにしておくのはNGですよ!

1で「思い出せないという体験をすると記憶に定着しやすい」と紹介しましたよね?

辞書で調べておけば、次に同じ単語に遭遇したときに、「思い出せない」という体験がしやすいです。

つまり、疑問に思った時点で意味を調べておくと、次にその単語に出合ったときは復習のチャンスになるということ!

ちなみに辞書で調べると、同義語や反義語も目に入ってきやすいです。

ネットではなく、あえて「辞書」で調べることで「ついで暗記」もできてしまいますよ。

紙の辞書・電子辞書の比較も人気記事です。

少しずつではなく「大量」ずつ覚える

英単語の暗記は、毎日少しずつ覚えるよりも、毎日大量の単語を覚えるほうがいいです。

たとえば、毎日10単語ずつ覚えるのではなく、毎日100単語……のように。

1日に100単語も覚えられるかよ!

……と思いそうですが、単語・熟語を記憶するために重要なのは同じ単語に何度も出合うこと

毎日100単語にふれ、同じ単語帳を何周もこなせば、同じ単語に遭遇する回数が増えますよね?

遭遇するたびに、思い出す機会が生じ、1で紹介した「思い出せない」という体験が何度もできます。

その体験をするそのたびに記憶に定着しやすくなりますよ。

自分に合った「学習スタイル」を活用する

自分に合った学習スタイルを知っておくと単語の暗記がはかどります。

人間には次のように、1人1人に合った学習スタイルがあるのです。

3つの学習スタイルの種類

  • 聴覚から学ぶのが得意
  • 視覚から学ぶのが得意
  • 体感覚から学ぶのが得意

たとえば、聴覚から学ぶのが得意な人の場合は、単語帳を「見る」だけでは能率が悪いですよね。

音声教材を使ったり、ノートに単語を書いて覚えるときに声に出しながら覚える……のもオススメです。

自分の声を聞きながら覚えるというわけです!

ちなみに、複数のスタイルを組み合わせるのが効果的。

たとえば、音声を聴きながら、文字を見ながら、口で発音しながら、文字に書く……のように五感を使って覚えるのが記憶に残りやすいです。

イメージで覚える

単語を暗記するときは、イメージで覚えるのもポイントです。

これは前置詞や「get」のようにいろいろな意味をもつ単語を覚えるときにオススメする覚え方です。

たとえば、「at」という前置詞は「点」というイメージをもっています。

イメージで単語を覚える
イメージで単語を覚える

そのため、次のような使われかたをするんですね。

look at〜を見る
aim at 〜を狙う
at the station駅で
「at」が使われる例

どれも「at」のもつ「点」というイメージです。「前置詞」は漠然と暗記するのではなく、イメージで覚えるのをぜったいにオススメします!

こちらの書籍がイラストつきでわかりやすいですよ。

単語の語源を知る

単語の語源を少しずつ学んでいくのを強くオススメします。

なぜなら、単語の字面と意味の関係性が非ネイティブである我々には見えないため、単語をやみくもに覚えるのがむずかしいからです。

たとえば「inspect」が「検査する」という意味であるべき理由はないですよね。

でも単語を分解し、語源を見てみると納得できる理由があるのです。

実は「inspect」の「in」には「中に」という意味、「spect」には「見る」という意味があります。

その2つの意味が合わさることで、次のように「検査する」という意味になっているのです。

in(中に)spect(見る)

inspect

中を見る

検査する

これをイメージにすると次のようになります。

「in(中に)」+「spect(見る)」=「inspect(検査する)」
「in(中に)」+「spect(見る)」=「inspect(検査する)」

どうでしょうか? やみくもに覚えるよりも覚えやすいのでは?

そして、「spect = 見る」と覚えれば、同じ語源が使われている「aspect(外見・見方)」「prospect(可能性)」なども覚えやすくなるのです。

最初に語源を覚えるのは手間ですが、覚えた語源が増えると芋づる式にいろいろな単語を一気に覚えられますよ。

語源を使って単語を覚えるのは非常に効率がいいので本メディアでもかなりオススメしています。

文で覚える

単語を覚えるときは、単語単体で覚えるよりも「文」で覚えるのもオススメです。

たとえば「for the moment」を「当分の間」と暗記するよりも、次のような例文で覚えたほうが覚えやすいのです。

I suggest we adopt flexible tactics for the moment.
当分の間は柔軟な戦術を取ってみてはどうでしょう。

鈴木 陽一著『DUO 3.0』(2000年 アイシーピー)

なぜなら、単語を個体で覚えるよりも文になっているほうが「情景」がイメージしやすいから。

5で紹介したように、イメージすることは記憶に定着しやすいので。

「1語1秒解答」で暗唱する

英語の単語を完全に覚えるためには暗唱することも大切です。

暗唱というのは、単語を暗記して、なにも見ないでそれを声に出すこと。

たとえば「門限」という言葉を見て、「curfew」と声に出すような感じです。

その際になにも考えずに暗唱するのではなく、1秒で1単語の意味を即答するようにしましょう。これを私は「1語1秒解答」と呼んでいます。

1秒で単語の意味を答える?!
ムズすぎじゃね?

はい。簡単ではありません。

でも、テストなどで高スコアをめざすのであれば、1単語の意味を思い出すのに何秒もかかっていたのでは時間切れになります。

実際の試験で1問にかけられる時間は数秒なので、見た瞬間に単語の意味がわかる「瞬発力」が必須なのです。

とっさに言えるようになると、スピーキングの試験や実際の会話も怖くなくなるので、単語を覚えるときには1秒で答えることを意識してください。

「発音」もいっしょに覚える

英語の単語を覚えるときは意味を覚えるだけではなく、発音もセットで覚えましょう

もし、発音を覚えていないと実際に会話では使えませんよね? 

単語のスペルだけを覚えて、ネイティブスピーカーと「筆談」をしたいのでしょうか? 

いじわるな言い方をしてすみません(笑)。ほとんどの人は「話せるようになりたい」ということを知ってて言っています。

もちろん、試験の「リスニング問題」でも発音がわかっていないと困るので、正しい発音を耳から学ぶことは重要です。

たとえば黙読をしていても、頭の中で無意識に発音していませんか?

発音に確信がない状態で単語を覚えようとすると、「この発音でいいのかな?」と不安ですよね。

不安が原因で同じ箇所を何度も読んでしまい、時間のロスにつながるというわけです。

もちろん、発音を覚えるなら耳から覚える必要があるため、音声教材が必須になりますよ。

「品詞」もいっしょに覚える

前項では発音もいっしょに覚えるように書きましたが、「品詞」もです。

もし英検などの資格試験をめざす場合は、品詞を覚えるのは必須だと思っていてください。

なぜなら品詞を覚えていないと問題を解くのに時間がかかってしまうからです。

品詞を覚えていると、全文を読まなくても解けるようになるので、時間短縮になり有利ですよ。

意味を覚えるだけより時間がかかってしまうため、遠回りに見えますが、品詞を覚えたほうが結果的に近道になります。

【試験対策】自分の「語彙数」を知ることが大切

英検やTOEICのような試験をめざす場合、目標の語彙数が決まっています。

たとえば、英検2級の場合は目標語彙は約5,000語です。

それを知って「じゃあ5,000語覚えるぞ!」ではなく、まずは自分の語彙がどの程度あるのかを知りましょう。

以下の手順で自分の語彙数を調べてみてください。

「Weblioの語彙力診断テスト」で診断する

ではどうすれば、現在の自分の語彙数がわかるのでしょうか?

ネイティブの先生と会話のテストをしないとダメなのかな?

いえいえ、そんなことありません。ネット上で、「Weblioの語彙力診断テスト」を受ければ完結します。

語彙力診断テスト

5回受けて平均値を出す

Weblioの語彙力診断テストは、選択形式の25問です。

時間にすると約2分半で完了する程度なので、ご安心ください。

ただし、1回受けて出た診断を信頼してはいけません。たまたま「知っている単語」ばかり出る可能性もありますから。

そこで正しく測定するために、Weblioの語彙力診断テストを5回受験し、平均値を出ましょう

それが現状の語彙数です。

覚えるべき「語彙数」を計算する

さきほど例に出した英検2級の場合、目標語彙数は5,000でした。

この数から、Weblioの語彙力診断テストで出た自分の語彙数をマイナスしてください。

たとえば自分の語彙数が3,000なら、勉強が必要な語彙数は以下のようになります。

5,000(目標の語彙数)− 3,000(自分の語彙数)
2,000(勉強が必要な語彙数)

自分に足りない語彙数がわかれば、その穴を埋める勉強をすればいいということです。

【邪道かも?】そのほかの英単語の覚え方

最後に、あまりオススメしませんが、そのほかの英単語の覚え方を紹介していきます。

以下のような覚えかたがありますよ。

「カタカナ読み」で単語を覚える

カタカナ読みで英単語を覚える方法は多くの人がやっているのではないでしょうか。

たとえば、「環境」という意味の「environment」を「えんびろんめんと」で覚えてしまうという方法ですね。

えんびろんめんと!

この単語、発音を無理やりカタカナにすると「エンバイアランメン」のようになります。

でも、ここから「environment」のスペルを思い出すのはなかなか難しい……。

この「カタカナ読み」で英単語を暗記する方法ですが、発音とスペルが大きく違う単語を覚える際に、特に効力を発揮します!

デメリットは、まさにその発音とスペルを別々に覚える必要があるところ……。

詳しくは、英語のカタカナ読み暗記にてまとめているので、よろしければどうぞ。

「カタカナ語」で単語を覚える

カタカナと言えば、カタカナ語も単語を覚えるのに使えます。

前項で紹介している「カタカナ読み」ではなく、日本語にもなっている英語(カタカナ語)を利用するというものです。

たとえば、「プリペイド」という単語は「先払い」という意味ですが、英語でも「prepaid」ですね。

ただしカタカナ語は、どの英語とも一致しているわけではないことに注意が必要です。

「シャーペン」は実は和製英語(日本人が作った英語)だと言うように。

本当の英語では「mechanical pencil(メカニカル・ペンシル)」というふうにぜんぜん違う単語です!

「語呂合わせ」で単語を覚える

それから、英単語を語呂合わせで覚えてしまう方法もあります。

たとえば、「acquire(入手する)」という単語ですが日本語風に読むと「アクワイア」になります。たとえばこんな覚え方があります。

アクワイアあくわいなカラオケの部屋、もうすぐあくわいなもうすぐ手に入れられる入手する

ただし、語呂合わせの場合、スペルを別に覚えなければならないのですが……。

語呂合わせで英単語を覚える場合は、こんな本もあります。

関連記事として、語呂合わせで曜日を覚える方法はこちらにまとめていますよ。

まとめ

さて、今回は、英単語の覚え方をいろいろと紹介しました。

英単語の暗記は、英語を学ぶうえでの基本です。

最終的には地道な努力しかありませんが、コツコツと覚えて目標を達成してくださいね。

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英語の発音矯正の専門家として延べ5,000人以上に発音を指導。メキシコで生まれ、幼少期をスペイン・フランス・日本で過ごす。大人になってからはオーストラリアに1年滞在し、アメリカ・イギリス・中国で2年ずつ働く。英検1級。
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