4年間でたった1日しか訪れない2月29日こと「閏日」。
2028年は4年ぶりに2月29日のある「閏年」です(前回は2024年)。
今回は、そんな「うるう年・うるう日を英語で何と呼ぶのか?」というお話や、「うるう年」にまつわるお話をお届けします。
目次
「うるう年」を英語で何と言う?
では、英語「うるう年」をなんというのかについて見てみましょう。
「うるう年」は英語で「leap year」
「うるう年」は英語で「leap year」と呼びます。
「leap」は「跳ぶ・はねる」という意味
「leap」は「跳ぶ・はねる」という意味の動詞です。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
leap | leaps | leaping | leaped (leapt) | leaped (leapt) |
確かに4年に一度の行事は「間にある年」を飛び越していますね!
「うるう年」と「leap year」のニュアンスの違い
比較として日本語を見てみると、「うるう年」の「うるう」は漢字で「閏」。
この言葉の意味のひとつとして「暦の上の季節と実際の季節とのズレを調整するもの
(大辞林より)」があります。
こうやってみると、うるう年についての考え方も、英語と日本語で違いがあっておもしろいですね。
英語・日本語の閏年の考え方
「jump」「leap」の違い
「跳ぶ」という英語であれば「jump」を連想すると思いますが、「leap」とはこんなニュアンスの違いがあります。
jump・leapの違い
月面着陸を果たした宇宙飛行士、ニール・アームストロングさんの有名な言葉にも「leap」のニュアンスが端的に表れていますよ。
ニール・アームストロングの言葉
That’s one small step for man, one giant leap for mankind.
(これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)
「leap year」を使った例文
では実際に「leap year」という言葉を使った例文を見てみましょう。
Did you know that the leap year is quadrennial event ?
(「うるう年」って4年に一度の行事だって知ってた?)
Yeah, my friend is born in a leap year.
(うん、友達がうるう年生まれだからね)
上の例文にある「quadrennial」は「4年に1度」という意味です。ほかにもこういう単語がありますよ。
毎年 | annual |
---|---|
2年毎 | biannual |
4年毎 | quadrennial |
「biannual(2年毎)」や「quadrennial(4年毎)」は行事で使われることが多いですね。
「annual(毎年)」は通年での総量を表すものに使われる場合が多いです。
「annual」を使った例
「うるう日」は英語で「leap day」
「うるう年」が「leap year」なら、2月29日当日である「うるう日」は何と呼ぶのでしょうか?
こちらもそのまんま「leap day」といいます。
さらには「うるう秒」は「leap second」と呼びますよ。
閏秒(うるうびょう、英: leap second)は、現行の協定世界時 (UTC) において、世界時のUT1との差を調整するために追加もしくは削除される秒である[1][2] 。この現行方式のUTCは1972年に始まった。2019年までに実施された計27回の閏秒は、いずれも1秒追加による調整であった[3]。
閏秒 - Wikipedia
ちなみに「うるう秒」は、太陽暦とは関係ありません。
「うるう日」生まれの人は「leapling」?
そしてちょっと変わった言い方としては「leap day」に生まれた人のことを「leapling」といいます。
Sooo, your friend is a leapling, right ?
(……ということは、アンタのその友達は「うるうっ子」じゃね?)
He wouldn't fancy that term! But, yeah.
(彼はその呼ばれ方は好きじゃないかも、でもまあそうだね)
※ うるうっ子=造語です
「〜ling」で「小柄なもの」や「軽蔑的な呼び方」に変化
この表現「~ling」という表現は、このように「小柄なもの」を指すときに使われます。
小柄なもの
さらには、こちらのように属性の軽蔑的な呼び方としても使われます。
差別的な呼び方
【おまけ】「宇宙人のマネ」の例
ちょっと古いネタですが、英語圏でも「宇宙人のマネ」を扇風機を使って声を震わせて言うというのがありました。
動いている扇風機の前で……
Hello, earthlings.
(人類のみなさん、こんにちは)
I heard that the Japanese people used to say ”wa-re-wa-re-wa” in front of pedestal fans.
(日本人はむかし、扇風機の前で「ワレワレハ」と言っていたそうだよ)
日英ともに似たような遊びがあるのが面白いですね。
「うるう年」について
そもそも「2月29日」である「うるう年」とは何のことでしょうか?
なぜ4年に一度しかないのでしょうか?
ズレを補正する日が「うるう日」
昔の日本では月をもとにした太陰暦が使われていました。
ときが流れ、より正確な月日を計れる太陽暦が世界的に採用されるように。以下はWikipediaによる説明です。
1873年に太陽暦であるグレゴリオ暦を導入し、導入日を明治6年1月1日とした
太陽暦 - Wikipedia
日本で太陽暦が導入されたのは1873年ということで、1872年までは日本でも太陰暦が使われていたのですね。
この太陽暦、1年が365日とされていますが、実は正確には365.24日だそうです。
つまり、365.24 − 365 = 0.24時間あまるってこと?
0.24時間 = 約6時間になるため、1年に約6時間ずつズレる計算になります。
6時間は1日の4分の1なので、ちょうど4年ごとに1日分に相当するズレが出る計算になりますよね。
4年ごとに1日ずれる
0.24日× 4回= 約1日
このズレを調整するための日が「うるう日」なのです。
「うるう日」のある年が「うるう年」
そこで、通常は28日しかない2月に4年に1回だけ1日追加され、その追加された日(2月29日)を「うるう日」と呼んでいます。
そして、うるう日がある年のことを「うるう年」と呼んでいます。
通常は1年といえば365日ですが、「うるう日」のある年は366日あるということになりますね!
閏年とは?
太陽暦でズレた日を補正するための日(2月29日)がある年のこと。
「うるう日」の行事やイベントってあるの?
少なくともオーストラリアでは「うるう日」に行われている伝統的行事はありません。日本と同じですね。
しかし昔のイギリスとアイルランドでは、この日に限って女性から男性に対してのプロポーズが許されていたそうです。
13世紀に制定された法律によると、プロポーズを断った男性が代償として支払ったのが革の手袋・バラ1輪・お金 1ポンド・キスだったそうです。
何だか不思議な法律があったんですね。
So women only had one day in four years to propose to men !
(じゃ女性は4年のうちで1日だけプロポーズしてもよかったんだ!)
Which leaves 1,460 days for men to propose to women.
(ということは4年のうち1,460日[ 365×4 ]は男性が女性にプロポーズする日だね)
ちなみに、「うるう日」生まれの人の場合、「うるう年」でない年は2月28日に年齢が加算されると法律で規定されています。
たとえば西暦2008年2月29日生まれの者は、西暦2009年2月28日限り(すなわち2月28日の24 時)をもって満1歳になります。ただ、実際に誕生日を祝うのは、満1歳になった次の日、すなわちうるう年では2月29日、平年では(2月29日がないので)3月1日ということになるのでしょう。
参議院法制局
オーストラリアでもうるう日生まれの人は、たいてい2月28日に誕生日を祝っています(私のまわりの人談)。
まとめ
4年に1度のイベント「うるう年」は、特別な日であるのと同時に巡ってくるチャンスが通常の年の25%しか無い珍しい日です。
逆にあえてこの日に特別な行事を入れてみると記憶に残りやすくて良いかもしれませんね。