英語の文法の基礎である「5文型」ですが、最後に勉強する「第五文型 SVOC」とはどのような文型でしょうか?
この記事では、第五文型の意味・形・作り方や代表的な動詞などをわかりやすく紹介しますね。
目次
「第五文型 SVOC」について
はじめに、第五文型 SVOCとは何かを見てみましょう。
意味・形や作り方を例文で紹介していきますね!
「第五文型 SVOC」とは?
「第五文型 SVOC」は英語の文を5パターンに分けたときの1つの形です。
英語の5文型
- 第一文型「S+V」
- 第二文型「S+V+C」
- 第三文型「S+V+O」
- 第四文型「S+V+O+O」
- 第五文型「S+V+O+C」
形としては、第三文型の「SVO」にさらに「C」が追加されているように見えます。
この記事では第一〜第四文型まで理解していることを前提に書いておりますので、わからない人は第一文型からご覧ください。
「第五文型 SVOC」の意味・形
まずは「第五文型 SVOC」の基本的な意味・形から見てみましょう。
「SVOC」の形とは、第三文型「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」に、さらに「C(補語)」がくっついた形になります。
「第五文型 SVOC」は「目的語」と「補語」を持つ形
「SV」に「O(目的語)」と「C(補語)」が同時に使われると聞いても意味がわからないかもしれません。
例文といっしょに意味・形や作り方を見ていきましょう! たとえば以下の文がSVOCですよ。
You make me happy.
(あんたはあたしを幸せにしてくれるよ)
SVOCは主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)の要素からできている形です。
図にすると以下のようになりますよ。
ポイントは「イコール関係」
ずばりSVOCの作り方のポイントは「イコール関係」です。
先ほど紹介した例文なら、以下のような構造になっています。
意味としては直訳で「あなたは私に幸せを作る」になりますが、動詞「make」は、ここでは「〜させる」という使役の意味です。
「私を幸せにさせる」という使役の形になっています(使役については後述)。
「幸せなのは私」、つまり「私=幸せ」のように「O(目的語)」と「C(補語)」がイコールの関係になるのがSVOCの特徴です。
me(私)=happy(幸せ)
SVOCの英文を作りたいときはイコール関係を意識して組み立ててみてください。
補語についてはこちらで詳しく説明しているのでご参考に!
第五文型の作り方
意味・形がわかったところで、実際にSVOCの英文を作ってみましょう。
たとえば「call(〜を……と呼ぶ)」という動詞を使って、こちらの文を作ってみましょう。
英文を作ってみよう
あなたは、わたしを「サッシ」と呼ぶ
ほんとに、「サッシ」って気軽に呼んでくださいね!
この場合は以下のイコール関係が成り立ちますよね?
イコール関係
あなたは、わたしを「サッシ」と呼ぶ
わたし=サッシ
これにしたがって、「O(目的語)」のところに「〜を」の言葉(ここでは「me」)を入れましょう(参考: 人称代名詞について)。
Oに「me」を
You call me 〜.
(あなたは、わたしを〜と呼ぶ)
そして、「C(補語)」のところにイコール関係の言葉を持って来てください(ここでは「Sasshi =サッシ」です)。
Cに「Sasshi」を
You call me Sasshi.
(あなたは、わたしを「サッシ」と呼ぶ)
あっという間にSVOCの英文が完成です!
慣れないうちは、こちらのような動詞でいろいろ英文を作ってみるのをオススメします。
例
ちなみに第5文型SVOCで使われる動詞はすべて「他動詞」です。
しかも補語が必要になるので英文法では「不完全他動詞」と呼ばれています。
「SVOC」と「SVOO」の違い・見分け方
「第五文型 SVOC」の基本がわかったところで、お次は「第四文型 SVOO」との違い・見分け方を見てみましょう。
形だけを見れば、もちろん大きな違いは「最後が『O』なのか『C』なのか」ですね。
第4文型と第5文型の形の違い
単純に言ってしまえば「Oが2つ並ぶ」か「OとCを並べる」かの違いですが、どう違うのでしょうか?
もう少し詳しく「SVOC」の特徴を紹介しつつ、「SVOO」との違いを紹介します。
「O(目的語)」に来るのは「名詞」のみ
You make me happy.
(キミはボクを幸せにする)
第四文型と同じく、「第五文型 SVOC」の「O(目的語)」には名詞(+代名詞)しか来ません。
「C(補語)」に来るのは「形容詞」「分詞」「名詞」
つづいて、「SVOC」の「C(補語)」にはどんな品詞が来るのでしょうか?
答えは「形容詞」か「分詞」か「名詞」です。
たとえば以下の例文が形容詞・分詞(現在分詞・過去分詞)・名詞を使ったものになります。
- 形容詞
- You paint the wall blue.
(キミは壁を青に塗る) - 現在分詞
- You saw her running in the park.
(キミは彼女が公園を走っているのを見た) - 過去分詞
- I keep the window closed.
(僕は窓を閉まったままにしておく) - 名詞
- You call me Sasshi.
(あなたは、わたしを「サッシ」と呼ぶ)
「O(目的語)」には名詞しか使えないのに対して、「C(補語)」には形容詞か分詞(現在分詞・過去分詞)を使うことができます。
分詞とは動詞を変化させた形です。
「人の様子を表す言葉」でイコール関係を作る
たとえば「happy(幸せ)」という形容詞や「running(走っている)」という現在分詞は人の様子を表す言葉です。
だから「SVOC」における「O(目的語)」と「C(補語)」は「わたし=幸せ」や「あなた=走っている」などのイコール関係を作れるというわけなんです!
あらためて「第五文型SVOC」と「第四文型SVOO」との違い・見分け方をまとめると以下のようになりますよ。
第4文型SVOOと第5文型SVOCの違い・見分け方
「〜に……を」と伝えたいのか、イコール関係を伝えたいのか。
そこを意識するとハッキリと見分けることができるので、ぜひ覚えておいてくださいね。
「第五文型 SVOC」でよく使われる動詞
「第五文型 SVOC」の「C(補語)」について詳しく紹介しましたが、お次は「V(動詞)」に注目してみましょう。
第五文型SVOCでよく使われる動詞を紹介していきますね!
SVOCでよく使われる動詞の一覧
では、SVOCでよく使われる動詞を一覧にして紹介します。
以下の動詞が代表的なものですよ。
call | 呼ぶ |
---|---|
consider | よく考える |
elect | 選ぶ |
feel | 感じる |
find | 〜が……だとわかる・見つける |
have | 〜に……してもらう |
hear | 聞こえる |
keep | そのままにする |
leave | そのままにする |
let | 〜を……にする |
make | 〜を……にする |
name | 〜を……と名付ける |
notice | 気が付く |
paint | 〜を……に塗る |
perceive | 感じる |
see | 見る |
smell | 臭う |
think | 思う・考える |
turn | 〜を……に変える |
SVOCの形をとる動詞はそれほど多くはありません。
これらの動詞を使ってどんどん英文を作ってみてくださいね!
使役動詞・知覚動詞のときのCは動詞の原形?
第五文型に使われる動詞を紹介しましたが、その中には、こちらの2種類の動詞があります。
2種類の動詞
この2つには変わった特徴があるので紹介します。
「使役動詞」「知覚動詞」とは?
たとえば以下の例文で使われている動詞がそれぞれ使役動詞・知覚動詞です。
「誰かに〜をしてもらう/させる」というのが使役動詞で、見える・臭う・聞く・感じるなどの人間の感覚を表す言葉が知覚動詞です。
「C(補語)」に動詞の原形を使う
使役動詞・知覚動詞は「SVOC」で使える動詞の中でちょっと特殊な存在です。
なんと「C(補語)に動詞の原形を使う」という特徴を持っているんです!
使役動詞・知覚動詞の特徴
C(補語)の位置に動詞の原形が置かれる。
(形容詞・現在分詞・過去分詞を使うことも可能)
前述しましたが、「SVOC」の「C(補語)」には形容詞か分詞が来るのが基本でしたよね?
しかし、使役動詞・知覚動詞の場合はそれに加えて動詞の原形を置くことができるんです。
例
「させる系(使役動詞)」や「五感系(知覚動詞)」の動詞のときの「C(補語)」は「原形でもオッケー」と覚えておいてくださいね。
ちなみに使役動詞・知覚動詞のときに使われる動詞の原形は英文法では「原形不定詞」と呼ばれていますよ。
使役動詞の一覧
では、「させる系(使役動詞)」の基本動詞一覧を紹介します。
make | 〜させる |
---|---|
let | 〜させる |
have | 〜してもらう |
使役動詞について詳しくはこちらをご覧ください。
知覚動詞の一覧
つづいて「五感系(知覚動詞)」の基本動詞一覧を紹介します。
see | 見る |
---|---|
smell | 臭う |
hear | 聞こえる |
feel | 感じる |
notice | 気が付く |
perceive | 感じる |
まとめ
では最後に第五文型の特徴をまとめます。
まとめ