英単語をいろいろと覚えていくと、単語の共通点に気づくことがありませんか?。
たとえば、「unhappy(不幸な)」や「unlucky(アンラッキーな)」、「unlock(カギを解除する)」には「un」がついています。
「un」には「〜ではない」という意味がありますが、このように単語の頭に来ることで、特定の意味を与える語を「接頭辞」と呼びます。
今回は英単語の前にくっつく「接頭辞」について、そして接頭辞の一覧を紹介します。
接頭辞(prefix)について
では、英語の接頭辞について、日本語の例を見ながらくわしく紹介しましょう。
接頭辞とは?
冒頭で紹介した「un」のように、単語の頭に来ることで、特定の意味を与える語を「接頭辞」と呼びます。
接頭辞とは?
単語の頭に来ることで、特定の意味を与える語
日本語での「接頭辞」は?
「接頭辞」については、日本語の例で説明したほうがわかりやすいかもしれません。
日本語の接頭辞「不」の例
たとえば接頭辞の「不」を例にあげてみましょう。
単語の頭に「不」がつくと、意味が変わりますよね?
接頭辞「不」のつく語
- 不幸
- 不道徳
- 不作法
- 不機嫌
「不」には「〜ではない」という否定の意味があるからです。
日本語の接頭辞「自動」の例
ほかにも「自動」という接頭辞などは便利な表現です。
「自動車」「自動ドア」「自動表示」のように、「自動で動くもの」に使われます。
そして、ここがポイントです。接頭辞の便利なところは、自分で言葉を作れることです。
たとえば、外国人の友達がこんなことを言ったとします。
昨日、イオンの「自動階段」で山田さんに会ったよ!
「え? 自動階段?」と一瞬思うかもしれませんが、次のように理解できますよね?
ああ、エスカレーターのことか!
つまり、伝えたい言葉を知らなくても、接頭辞を使って自分で単語を作ることで相手に伝えることができるのです!
英語での「接頭辞」は?
では、英語の接頭辞に話を戻しましょう。
英語の接頭辞「re」の例
英語で一番有名な接頭辞と言えば、「re(再び)」でしょうか?
たとえば「re」のつく単語には次のようなものがあります。
接頭辞「re」のつく語
- reaction(リアクション)
「再びアクションする」から「反応」という意味に - replay(リプレイ)
「再び演奏する」から「再生する」の意味に - recycle(リサイクル)
「再びサイクルに入れる」で「リサイクル」の意味に
どれも日本語にもなっているので馴染みがありますね!
接頭辞で「言葉の可能性」が広がる
そして、「『re』には『再び』という意味がある」ということを知っていたらどうでしょうか?
日本語と同じように、知らない言葉でも意味を予想できたり、「なんて言ったらいいんだろう?」というときに言葉を作って説明できます。
たとえば「rebuild」という言葉を知らなくても「re(再び)」+「build(建てる)」だから「建て直す」という意味だろうと想像できますよね?
こんなふうに、接頭辞を知っていると言葉の可能性が広がるのです!!
代表的な英語の「接頭辞」一覧
では、代表的な英語の接頭辞の一覧を見てみましょう。
語源については、いろいろな説がありますが、この記事ではわかりやすいものを優先しています。また、覚えやすさを重視しているので、解釈は「英語びより」独自のものになっていることがあります。
in(中に)
接頭辞「in」は「中に」という意味を持ちます。
「 i 」の「丸」をボールに見立て、ボールがゴールの中に入っているイメージで覚えましょう。
instruct (教える) |
in(中に)+ struct(積み重ねる) 「頭の中に知識を積み重ねる」から「教える」という意味(instructのイメージ) |
---|---|
indoor (屋内の) |
in(中に)+ door(ドア) 「ドアの中」から「屋内」という意味に |
install (インストールする) |
in(中に)+ stall(語源は『置く』の意味) 「中に置く」からインストールの意味に |
inspect (検査する) |
in(中に)+ spect(見る) 「中を見る」から「検査する」の意味に(inspectのイメージ) |
import (輸入する) |
in(中に)+ port(運ぶ) 「中に運ぶ」から「輸入する」の意味に(importのイメージ) |
impress (印象づける) |
in(中に)+ press(押す) 「中に押す(心に影響を与える)」から「印象づける」の意味に(impressのイメージ) |
ex(外に)
接頭辞「ex」は「外に」という意味です。
覚えるときは、「ex」の「 x 」が禁止を表す「×(バツ)」に似ていることに注目しましょう。
その「×」をジャンプで越えて外に出ているイメージです。
「ex」は「出口」を表す「EXIT」にも使われているので、そちらで覚えることもできますね。
exit (出口) |
ex(外に)+ it(行く) 「外に行く」から「出口」の意味に |
---|---|
extension (拡張、エクステ=付け毛) |
ex(外に)+ tension(延ばすこと) 「外に延ばす」で「拡張」や「エクステ(付け毛)」の意味に |
expect (期待する) |
ex(外に)+ spect(見る) 「外を見る」から「期待する」の意味に(expectのイメージ) |
export (輸出する) |
ex(外に)+ port(運ぶ) 「外に運ぶ」から「輸出する」の意味に(exportのイメージ) |
express (表現する) |
ex(外に)+ press(押す) 「外に押す」から「表現する」の意味に(expressのイメージ) |
ad(〜に向かって)
接頭辞「ad」は「〜に向かって」という意味になります。
この「ad」は、うしろに続く言葉によって「 a 」だけになったり、「at」「ap」になったりとさまざまです。
そのため、上のイラストのように「 A 」だけが矢印になっているイメージで覚えましょう。
aspect (外見・見方) |
ad(〜に向かって)+ spect(見る) 「〜に向かって見る」から「外見」の意味に(aspectのイメージ) |
---|
sub(下に)
接頭辞「sub」は「下に」という意味です。
崖で「 s 」が下に落ちていっているイメージで覚えてしまいましょう。
subscribe (定期購読・定期購入する) |
sub(下に)+ scribe(書く) 「(書類の利用規約などを見て、その)下に(サインを)書く」から「定期購読・定期購入する」の意味に(subscribeのイメージ) |
---|---|
subway (地下鉄・地下道) |
sub(下に)+ way(道) 下の道(subwayのイメージ) |
subject (〜の影響下にある) |
sub(下に)+ ject(投げる) 「下に投げる」ということは上に誰かがいる。下の人はその影響下にある(subjectのイメージ) |
substitute (代わりの人・物) |
sub(下に)+ stitute(立つ) 下に立って、自分の役を待っているイメージ(substituteのイメージ) |
submit (提出する) |
sub(下に)+ mit(送る) 「管理の下に送る」から「提出する」(submitのイメージ) |
substance (物質) |
sub(下に)+ stance(立つこと) 「下にある強固なもの」という意味から「物質」 |
suburban (郊外) |
sub(下に)+ urban(都会) 「都会の下にある」というイメージで「郊外」(suburbanのイメージ) |
suspect (疑う) |
sub(下に)+ spect(見る) 「下にこっそり見る」から「疑う」の意味に(suspectのイメージ) |
de(離れて・下に)
接頭辞「de」は「離れて・下に」という意味があります。
こちらのように、「 e 」が下に下がりつつ離れていっているイメージで覚えましょう。
describe (ことばで描写する) |
de(下に)+ scribe(書く) 「(書類の利用規約などを見て、その)下に(サインを)書く」から「定期購読・定期購入する」の意味に(subscribeのイメージ) |
---|
pre(以前に)
接頭辞「pre」は「以前に」という意味があります。
「pre」の「 e 」がくるっと回って前に戻っているイメージで覚えましょう。
prescribe (薬を処方する) |
pre(以前に)+ scribe(書く) 「前もって書く」から「処方する」の意味に |
---|
pro(前方に)
1つ前に紹介した「pre」に似ている接頭辞「pro」には「前方に」という意味があります。
「pro」の「 o 」が前方に飛んできて驚いているイメージで覚えましょう。
prospect (可能性) |
pro(前方に)+ spect(見る) 「前方を見る」から「(未来の)可能性」の意味に(prospectのイメージ) |
---|
post(後に)
接頭辞の「post」は「後に」という意味になります。
上のように、「 t 」の後をついていくアルファベットたちのイメージで覚えてください。
postscript (追伸) |
post(後に)+ script(書いたもの) 追伸 |
---|
trans(越えて)
接頭辞「trans」には「越えて」という意味があります。
丘を越えている「trans」の文字のイメージで覚えましょう。
transcript (書類の写し) |
trans(越えて)+ script(書いたもの) 「越えたところ=別の場所に書いたもの」から「書類の写し」の意味に |
---|
dis(離れて・否定)
接頭辞「dis」は「離れて」と「否定」という意味があります。
上のように、「 i 」のことを「 d 」と「 s 」が嫌いになって(否定して)、離れていっているイメージです。
disrespect (敬意を表さない) |
dis(否定)+ respect(尊敬する) 尊敬しない |
---|---|
disgust (気分を害する) |
dis(否定)+ gust(味) 「味がよくない」から「気分を害する」 |
distance (距離) |
dis(離れて)+ stance(立つこと) 「離れて立つ」から「距離」の意味に(distanceのイメージ) |
disease (病気) |
dis(否定)+ ease(楽な状態) 「楽な状態ではない」から「否定」の意味に |
re(再び・後ろに・元に)
接頭辞「re」には「再び」「後ろに(元に)」という意味があります。
上のように、後ろにいる「 r 」に気づいた「 e 」が振り返って二度見(再び)しているイメージで覚えましょう。
respect (尊敬する) |
re(後ろに)+ spect(見る) 「後ろを見る」から「尊敬する」の意味に(respectのイメージ) |
---|---|
recall (思い出す) |
re(後ろに)+ call(呼ぶ) 「過去にあったことを呼び出す」から「思い出す」の意味に |
regard (注意して見る、見なす) |
re(後ろに)+ gard(ガードする) 「後ろでガードする」から「注意して見る」の意味に |
reserve (予約する) |
re(後ろに)+ serve(キープしておく) 「後ろにキープしておく」から「予約する」の意味に |
com(共に)
接頭辞「com」には「共に」という意味があります。
上のように、「com」が2人の人間になっているのを覚えておいてください。
そして、共にぴったりとくっついているイメージで覚えるといいでしょう。
construct (建築する) |
com(共に)+ struct(積み重ねる) 「いっしょに積み上げる」から「建築する」という意味(constructのイメージ) |
---|
ob(〜に対して向かう)
接頭辞「ob」には「〜に対して向かう」という意味があります。
「 O 」に対して「 B 」が対抗して向かっていっているイメージで覚えましょう。
血液型の「 O 」と「 B 」にこじつけて覚えてもオッケーですよ。
obstruct (妨げる) |
ob(〜に対して向かう)+ struct(積み重ねる) 「〜に対して積み重ねる」から「妨げる」の意味に(obstructのイメージ) |
---|
manu(手で)
接頭辞「manu」には「手で」という意味があります。
上のように「manu」が手になっているイメージで覚えましょう。
ちなみに「 a 」のデザインは苦肉の末、指輪を着けている手になりました(笑)。
manuscript (手書きの文章) |
manu(手で)+ script(書いたもの) 手で書いたもの |
---|
まとめ
さて、今回は接頭辞について紹介しました。
接頭辞を覚えることで、単語の意味を推測できたり、言いたい単語を知らないときに助けになってくれます。
言葉とはクリエイティブなのです!
単語を丸暗記するのではなく、「これは接頭辞だな!」のように意識することで覚えやすくなりますよ。
「語源」の勉強には、イラスト付きのこの書籍をオススメですよー!