今回は日本語の「きゃ」とか「しゃ」についてです。
これ、平仮名では2文字で書くようになっていますが、本来は1文字で書かれるべきなんですよね。
今回はそんなマニアックな話です。
「しりとり」で「しゃ」で終わったら…
日本語の言葉遊びで「しりとり」というものがありますよね。やったことのない日本人はいないのでは?
その「しりとり」ですが、「電車(でんしゃ)」で終わったとき、次の人は何から始めますか?
そりゃあ、「し」「や」だから「や」だろっ!!
……と思いますよね。
ところが、音声で見ると「しゃ」は1つの文字分の発音で、決して「し + や」の2つの音を言っているわけではないんです。
つまり、「でんしゃ」の次は「しゃ」から始まる言葉で言うのが正解です。
そうですね~。「しゃ」から始まるものと言えば……「しゃりん(車輪)」とか「しゃちょう(社長)」とかで!
2文字で書くけど発音では1文字分
この「しゃ」は平仮名だと2文字ですが、発音では1つなんです……と言ってもピンと来ませんよね。
「しゃ」の子音はどうやって発音されているのか?を口の中の図で見てみましょう。
舌先を上あごの中央よりちょっと手前あたり(具体的には「歯茎硬口蓋」という箇所)にくっつけて、ほんの少しの「上あごと舌先のスキマ」から息を出します。
息を出すというか、細いスキマから「すきま風の音」を作ります。「シュー」っていう音ですね。
それが、「しゃ」の子音「 ɕ 」です。なので「しゃ」の発音記号は「 ɕa 」になりますね。
こうやって書くと、「1つの音」というのがよくわかるのではないでしょうか?
日本語の母音「a・i・u・e・o」を付けると……
ɕa(しゃ)・ɕi(し)・ɕu(しゅ)・ɕe(しぇ)・ɕo(しょ)
……となります(くわしくは日本語の「し」は「しゃ行」にあるのがホントをご覧ください)。
新しい平仮名を考えてみた
というわけで、そもそも同じ「しゃ行」でも「し」以外の平仮名がないのがややこしいんですよ。
なので、わたしが勝手に考えてみました(笑)。
平仮名の「し」は「之」が崩れて上のように「し」に変化したので……
- しゃ → 「社」
- しゅ → 「取」
- しぇ → ※ 漢字がないので省略
- しょ → 「所」
これらの漢字を元に崩しました。
平仮名があると、「でんしゃ(電車)」「しゅりけん(手裏剣)」「しょうゆ(醤油)」の表記も……
ほら! このとおりです。「電車」は本来、3文字で表現されるべきなんですよ。
これだと「しりとり」で「電車」と言ったつぎは「社長」のように答えたくなりますよね?
ついで言うと「社長(しゃちょう)」も本来は「しゃちょお」と発音するので、次は「お」から始めるべきですよね。たぶん「う」から始めるだろうけど。
「しゃ」「しゅ」「しょ」が本来は1文字であるべき……とわたしが言っている理由がわかっていただけました?
英語表記でも2文字なのはややこしい
この記事を書いている間に気づいたのですが、英語表記でも同じですよね。
「しゃ」を英語表記すると……
sh
子音として「 sh 」の2文字を使いますね……
th
なども同じですが、これらは表記では2文字ですが、音声としては日本語と同じで1つの音です。
日本語も英語もややこしいわっ!
まとめ
さて、今回は新しい平仮名を開発したりしましたが、言いたいことは1つ。
「しゃ」という音声は「し」を言ってから「や」を言っているのではないよ!ということです。
音声としては1つということを意識しながら、英語の「 sh 」の発音もやってみてくださいね♪