有気音・無気音とは? 英語にも有気音があるの?

ヨス

こんにちは! 発音マニアのヨスです。

今回は言語の「有気音」と「無気音」についてです。

日本語にも英語にも意味の区別になっていないため、意識されていない音声ですが、使われることもあるんです。

有気音、無気音とはなにか?というお話から、英語ではどんなときに有気音になるのかというお話まで紹介しますね。

「有気音」と「無気音」とは

さて、「有気音(ゆうきおん)」「無気音(むきおん)」とはどんな音声なのでしょうか?

発音するときに大量の呼気を出しながら発声する音声のことを「有気音」と呼びます。

有気音とは?
発音するときに大量の呼気を出しながら発声する音声のこと

逆に、無気音とは呼気を強く出さずに発音する音声のことです。

ヨス

って説明しても日本語には存在しないため、この説明を聞いてもよくわかりませんよね。

「有気音」と「無気音」の発音の違い

まず最初に「有気音」と「無気音」の2つの発音の違いを聞いてみましょう。

上の音声では「無気音」有気音」の順に「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」を発音しています。

違いはおわかりでしょうか?

有気音は息を強くはき出す

「無気音」よりも「有気音」を発音するときのほうが息を強くはきながら発音しています。

大げさに表記すると「パハァ・ピヒィ・プフゥ・ペヘェ・ポホゥ」みたいに。

ヨス

違いがわかりやすいように、「有気音」はかなり大げさに息を出していますが。

ティッシュを顔の前に置いて発音してみよう

こちらの図のように、ティッシュを顔の前に置いて発音すると違いがわかりやすいです。

通常の「p」と有気音の「p」
通常の「p」と有気音の「p」

無気音だとティッシュはほとんど動かないですが、有気音の場合はティッシュが吹き飛びます

つまり、ティッシュが吹き飛ばない発音だと「無気音」だということですね。

日本語には「有気音」と「無気音」の違いはない

この「有気音」「無気音」という音声は、中国語や韓国語を学んでいる人にとっては避けられません。

ヨス

日本語や英語の濁音のような存在です(中国語、韓国語には清音・濁音の区別はない)。

中国語や韓国語で混同して発音すると意味が変わってしまうため、2つの違いを理解することが超重要なんですね。

ところが、日本語にも英語にも「有気音」「無気音」という概念は存在しません

「パンダ」を無気音・有気音で発音

では、無気音、有気音の区別のない日本語で、あえて「パンダ」の発音を無 / 有気音で発音してみました

こちらの順番に発音するのを2回くりかえしています。

発音した順番

  1. 日本語で「パンダ(無気音)」
  2. 日本語で「パンダ(気音)」

日本語は「有気音」にしたからと言っても意味が変わったりしないですよね?

ヨス

有気音で「パンダ」って発音しても「気性の荒いパンダ」という意味になったりしません!(笑)

日本語に有気音が現れることも?

「日本語に有気音は存在しない」と書きましたが、そのときの感情によって、人によっては有気音が現れることもあります

少し例を出してみます。

日本語に現れる有気音

  • 小さな声で「パーパー」とパパ(父親)を呼ぶときの「パ」の発音
  • 呆れながら「ったく……」と言うときの「タ」の発音
  • 勢いよく「パァ〜っといこうぜ!」というときの「パ」の発音

もちろん、このセリフを言うときに全員の人の発音は有気音にはなりません。その人によります

有気音で発音しても意味の違いにならない

上のセリフを、実際にわたしが有気音で発音してみました。

どうでしょうか? 言い方は違いますが、意味が変わったりはしませんよね。

違いがあるとすれば「気持ちがこもっている」ぐらいの差です。

「有気音」「無気音」の発音記号

有気音と無気音を表す発音記号はあるのでしょうか?

もちろんあります。無気音の場合はそのままで、有気音になった場合 [ tʰ ] のように小さな「 h 」がつきます。

先ほどの有気音で発音した「パンダ(日本語)」を発音記号にするとこうなります。

有気音の「パンダ」

pʰanda

先ほども書きましたが、日本語には通常では有気音は存在しないのでふつうはこんな発音記号は使いませんが……。

英語に現れる有気音

この有気音ですが、じつは英語にも存在して、有気音化するルールもあります。

日本語と同じで有気音になっても意味の違いにはなりません。でも、発音の伝わりやすさにつながるので知っておくとよいです。

では英語の発音が有気音になるときの条件を見てみましょう。

有気音になるのは無声破裂音 [ p ] [ t ] [ k ] のみ

英語で有気音になるのは無声破裂音(むせいはれつおん)だけです。

すみません、ややこしく書きましたが、こちらの3つの発音です。

英語にある無声破裂音

  • [ p ]
  • [ t ]
  • [ k ]

英語の場合、[ b ] [ d ] [ g ] のような「有声音(濁音)」は有気音にはなりません。

言語によっては「濁音」でも有気音になるので、これはあくまで英語の特徴ですよ。

ヨス

たとえば「バッカ(馬鹿)じゃないの?!」とキツく言うときの「バ [ ba ] 」は有気音で発音できますよね!

[ p ] [ t ] [ k ] に続く母音にストレスがあるとき

[ p ] [ t ] [ k ] が有気音になると書きましたが、毎回ではありません。

条件として必要なのは、つづく母音にストレス(アクセント)があることです。

アクセントのない箇所は「無気音」のまま

たとえば「people」という単語には、 [ p ] の発音が2回出てきます。

ヨス

[ p ] は無声破裂音なので、英語では「有気音」になることがあるんでしたね!

では、「people」の発音を発音記号で見てみましょう。

「people」の発音記号

pʰíːpəl

1回目の [ p ] は有気音になります(ゆえに [ ʰ ] がついている)が、2回の [ p ] は無気音のままですよね?

なぜ1回目の [ p ] が有気音になるかというと、 [ p ] に続いている母音 [ í ] にストレス(アクセント)があるからです。

つまり、ストレスのない箇所では、通常どおりの無気音で発音するということですね。

ストレスのない場所では無気音のまま発音する。

有気音になる単語の例

では、有気音になる単語の例を見てみましょう。

【例】有気音になる単語
単語(意味) 発音記号
people(人々) pʰíːpəl
tap(蛇口) tʰǽp
king(王様) kʰíŋ
attack(攻撃) ətʰǽk

こちらを発音してみます。

有気音のところは、わかりやすいように大げさに発音していますが、いかがでしょうか?

多くの場合は「語頭」にくるときに有気音になる

多くの場合、[ p ] [ t ] [ k ] が語頭にくるときに有気音になります

上の例だと、「people」も「tap」も「king」も、無声破裂音が語頭にきていますよね。

ほかの例も見てみます。

語頭が有気音になる例

  • panda(パンダ)
  • penguin(ペンギン)
  • talk(話す)
  • temple(お寺)
  • kite(凧)
  • can't(〜できない)※ 発音は [ k ]

ただし、「attack [ ətǽk ] 」のように語頭でなくても、続く母音にストレスがくると有気音になりますよ。

この記事では [ ʰ ] の発音記号を使っていますが、通常の辞書には記載されていません!

英語の有気音は「結果としてそうなっている」だけ

「英語で有気音になるときの条件」という説明をしてきましたが、知っておいてほしいことがあります。

英語の有気音は、
「有気音にしたくて発音している」のではありません。

ヨス

そもそも、英語では有気音も無気音も意味の違いがないので、有気音は存在しなくていいはずですよね?

では、なぜ英語に有気音が存在してしまうのでしょうか?

じつは、アクセントがある箇所を強く発音した結果、有気音になってしまっているだけです。

ということで、有気音の練習をしなくても、ストレス(アクセント)がちゃんと発音できるようになると、有気音も自然とマスターできます

【注意】英語で有気音化しない例

英語で有気音化する例を見てきましたが、有気音化しないものも紹介します。

語頭でも「ストレスのある母音」が続かないとき

[ p ] [ t ] [ k ] が語頭にくるときに有気音になりやすいと書きました。

でも、あくまでも「つづく母音にストレスがある」という条件が必要です。

play(遊ぶ)」や「cloud(雲)」のように子音がつづくときは有気音になりません。

ヨス

英語の有気音は、アクセントがついた箇所を強く発音したときに生じてしまった「オマケ」ですから。

[ s ] の発音のあとは有気音にならない

ただし、あとにストレスのつく母音がくる [ p ] [ t ] [ k ] の発音でも、 [ s ] の発音のあとだと有気音になりません

[ s ] のあとは有気音にならない
単語(意味) 発音記号
spot(点) spɑ́t
station(駅) stéiʃən
skunk(スカンク) skʌ́ŋk

つまり、「pan(フライパン)」と「span(間)」の [ p ] の発音は違うということですね。

  • pan [ pʰǽn ]
  • span [ spǽn ]

おそらく摩擦音で息が抜けるため、つづいて有気音を言うのは難しいのでしょう。

英語の有気音を発音するときのコツ

最後に英語の有気音を発音するときのコツを紹介します。

長めに発音する

たとえば「pen(ペン)」を発音するときに、「ペン」ではなく「」のように発音するのを意識しましょう。

有気音につづく母音を長めに発音することを意識すると発音しやすいです。

ただし、あくまでこちらの順に発音がされていることを覚えておいてください。

  1. [ p ] の発音
  2. 有気音で出される息
  3. 母音

お腹に力を入れて発音する

発音する前に空気を吸い込み、おなかを膨らませます

そして、おなかに一瞬だけ力をいれて、息を吐くときにおなかをへこませる勢いを使うと発音しやすいです。

つまりは、「ストレス(アクセント)」と同じです。

ティッシュを顔の前に置いて練習

あとは、前述したようにティッシュを顔の前に置いて練習するのがオススメです。

通常の「p」と有気音の「p」
通常の「p」と有気音の「p」

[ p ] の発音が練習しやすいので、「パァー」などと何度も言って発音しましょう。

今回は有気音、無気音という音声現象について紹介しました。

英語での有気音ができるということは、ストレス(アクセント)がちゃんと発音できているということを意味します。

逆に、有気音ができない場合はストレスをつける練習をしたほうがいいということですね。

ストレスに関してはこちらの記事もご参考に!

最後に

オオカミ

なんか、この記事すごく気に入ったんだけどほかにオススメある?

ウサギ

だったら、「英語の子音のカテゴリ」を要チェックだね♪

自宅で英会話レッスン? しかも安い!

ネット電話を使って英会話レッスンを受けられる「オンライン英会話」をご存じですか?

コストも安く、1ヶ月間、毎日25分のレッスンを受けても月に3,000〜5,000円程度です。

オンライン英会話を希望別に選ぶページを用意しているので、ぜひ無料で試してみてください♪ 無料ですからやらないなんて損ですよ!

執筆者: ヨス
アメリカ留学で言語に興味を持ち日本語教師に。その後、自分が「音声学」に猛烈に惹かれることに気づく。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得し、独自の英語の発音習得メソッドを持つ。「ヨッセンス」という月間に100万回以上読まれている人気ブログも運営するプロブロガー。>>ヨスについて詳しくはこちら

Twitterで最新情報GET!

良かったらSNSでシェアしてね!
この記事の「URL」「タイトル」をコピー
こちらも合わせていかがですか? data-matched-content-ui-type="image_card_stacked" data-matched-content-rows-num="3" data-matched-content-columns-num="1"