こんにちは、サッシ です。
「分詞って何?」と聞かれても、なかなか答えづらいですよね。
基本的には「動詞を形容詞や副詞のように使うもの」というイメージになります。
今回は英語の「分詞」について、意味や2種類の分詞、5つの基本的な役割や動名詞との違いなどをまとめて紹介します。
英語の分詞について
はじめに、分詞の意味や種類から見てみましょう。
単語そのものはかんたんな言葉ばかりなので安心して読みはじめてくださいね!
英語の「分詞」とは?
まず、「分詞」とは何かをハッキリさせましょう。
「分詞」の意味
英語の分詞とは名詞・形容詞・動詞などの品詞の種類ではありません。
ずばり、分詞とは以下の意味ですよ。
英語の分詞とは?
動詞を変化させて「動詞以外」の役割にする形・用法
わかりやすく言えば「動詞を形容詞や副詞として使う技」というイメージでOKです。
分詞は日本語にはない捉え方なのでちょっと馴染みが薄いですが、英文法では重要な考え方の1つです。
分詞=動詞を形容詞や副詞として使う技
例えば「dance(踊る)」という動詞を例にしてみましょう。
次の英文の「dancing」が分詞です。
Look at that dancing flower !
(あの踊っているお花を見て!)
そういや昔、音に反応して踊る「フラワーロック」という花のおもちゃが流行ってましたね。
「踊る(dancing)」という言葉は「花(flower)」という言葉を修飾していますよね?(参考: 修飾するとは?)
このように、動詞の形を変えて他の言葉と組み合わせて使える機能が「分詞」だと捉えるとわかりやすいですよ。
ちなみに先ほどの例文では「dancing」は「flower」という名詞を修飾しているので形容詞として機能しています。
英語で「分詞」は「participle」で、英語圏でも文法の話ならばよく出てくる表現ですよ。
英語の分詞の2つの種類
続いて、「分詞」の種類について見ていきましょう。
分詞は種類・形で分けると、次の2パターンが存在します。
1現在分詞(〜ing)
基本的に「〜ing」という形で日本語訳が「〜する」や「〜している」になるのが現在分詞です。
これは先ほどの例がそうでしたね。
Look at that dancing flower !
(あの踊っているお花を見て!)
現在分詞についてはこちらをご覧ください。
2過去分詞(〜ed)
それに対して、「〜ed」という形で「〜される」や「〜された」という意味になるのが過去分詞です。
たとえば、以下の例文の「named(名前を付けられた)」は過去分詞ですよ。
I know the boy named Goku.
(「悟空」って名付けられた少年を知ってるよ)
過去分詞についてはこちらをどうぞ。
「自分からする系=現在分詞」と「誰かにされる系=過去分詞」
文法的に言えば現在分詞は能動的、過去分詞は受動的な意味合いを持っています。
どの動詞を分詞にしても、次のような共通のイメージがありますよ。
2つの共通イメージ
- 自分からする系(現在分詞)
- 誰かにされる系(過去分詞)
「誰かにされる系」の過去分詞の使い方は次の記事も参考になります。
ちなみに英語で現在分詞は「present participle」、過去分詞は「past participle」と呼びます!
英語の分詞の形について
分詞とは何かがわかったところで、「分詞」の形のルールについて紹介します。
動詞を変化させたものが分詞なのですが、形の変え方は1つではありません。
動詞が分詞に変化したときの形には、以下の2種類がありますよ。
規則変化
1つは規則変化です。
規則変化は次のように、「決まったルール」で活用します。
規則変化する動詞
- 現在分詞 …… 語尾に「〜ing」をつける
- 過去分詞 …… 語尾に「〜ed」をつける
例えばplay(〜する)という動詞なら以下のように変化しますよ。
原形 | 現在分詞形 | 過去分詞形 |
---|---|---|
play | playing | played |
シンプルですね。
不規則変化
一方、バラバラに変化する「不規則変化」もあります。
現在分詞は「〜ing」で共通なのですが、過去分詞には「〜ed」という形ではないものがいくつか存在します。
例えば「do(〜する)」「eat(食べる)」「put(置く)」などは以下のように変化しますよ。
原形 | 現在分詞形 | 過去分詞形 |
---|---|---|
do | doing | done |
原形 | 現在分詞形 | 過去分詞形 |
---|---|---|
eat | eating | eaten |
原形 | 現在分詞形 | 過去分詞形 |
---|---|---|
put | puting | put |
もう過去分詞形が何が何やらですね(涙)。
でも不規則変化の動詞も完全にランダムというわけではなく、ある程度のパターンがあります。
不規則変化の動詞についてはこちらを参考にして覚えてみてくださいね。
英語の分詞5つの基本的な使い方
分詞の形も詳しくわかったところで、実際に使ってみましょう。
英語の分詞の基本的な使い方は5つあります。
分詞5つの基本的な使い方
それぞれ順番に紹介していきますね!
分詞で名詞を修飾
まずは「名詞を修飾」という分詞の使い方です。
名詞の前後に分詞を置くことで、その名詞を修飾することができます。
分詞1語だけなら名詞の前に、分詞+他の単語もまとめて使うなら名詞の後に置いてください。
例えば以下のような具合です。
11語で修飾の場合
Look at that running ghost !
(あの走っている幽霊を見て!)
22語以上で修飾の場合
The ghost running in the yard ?
(庭を走ってる幽霊のこと?)
ハロウィンで誰かが仮装しているのでしょうか(笑)。
1つ目の文では「running(走っている)」という1単語だけで修飾しているので、名詞「ghost(幽霊)」の前に置いています。
それに対して、2つ目の文では「running in the yard(庭を走っている)」という2語以上で1つのかたまりなので、名詞の後に置かれるんですよ。
このように「名詞修飾=形容詞」として使うのが分詞の代表的な用法だと覚えておいてください。
もちろんこの使い方での分詞は、現在分詞・過去分詞どちらも使えますよ。
分詞で名詞以外を修飾(分詞構文)
お次は、分詞をいきなり文の始めに置く「名詞以外を修飾」という使い方です。
こうすることで、文全体を修飾することができるんですよ。
例えば以下のような使い方です。
Being too busy, I couldn’t text you last night.
(忙しすぎて、昨夜アンタにメッセージ送れなかったんだよ)
このように、「〜ので」や「〜するとき」という意味で、副詞のように使うことができますよ。
この場合の「忙しすぎて(being too busy)」は後に来る文全体を修飾しています。
文全体や動詞・形容詞・副詞などを修飾できる品詞が副詞なので、ここでの分詞は副詞の役割となっているわけです。
このように分詞を副詞として使う用法を「分詞構文」と呼びます。
be動詞+現在分詞(進行形)
続いてはbe動詞との組み合わせを見ていきましょう。
「be動詞+現在分詞」の形にすると「〜している」という表現ができます。
例えば以下の「am playing」のような具合です。
I am playing a new video game now.
(今新しいゲームやっているんだ)
いわゆる「現在進行形」という表現ですね。
be動詞が現在形(am・are・is)ならば現在進行形、過去形(was・were)なら過去進行形です。
「will be」の後に現在分詞形を続ければ未来進行形になりますよ。
be動詞+過去分詞(受動態)
be動詞と分詞の組み合わせをもう1つ見てみましょう。
「現在分詞」ではなく「過去分詞」とbe動詞を組み合わせると「〜される」という表現となります。
例えば以下の英文の「was broken」がそうですよ。
My iPhone was broken by a baby.
(赤ちゃんにスマホ壊されちゃったんだ……)
いわゆる「受動態(受身形)」という表現です。
be動詞は現在形でも過去形でも使えますよ。
「現在分詞なら進行形、過去分詞なら受動態」と覚えておきましょう!
have+過去分詞(完了形)
あとは「have」との組み合わせです。
have+過去分詞の形になると「〜してしまった」という表現ができます。
例えば以下の「have finished」のような感じです。
I have finished my homework.
(ボクは宿題終えてしまったよ)
英文法で「完了形」と呼ばれる用法ですね。
「have」が現在形なら現在完了形、過去形の「had」と一緒に使うなら過去完了形になります。
ちなみに「have+現在分詞」の形は存在しません。
ただし「been」を使って完了形の進行形(have+been+現在分詞)や完了形の受動態(have+been+過去分詞)を作ることは可能です。
英語の「分詞」と「動名詞」の違い
最後に「分詞(現在分詞)」と「動名詞」との違いにも触れておきますね。
まず、現在分詞も動名詞も「〜ing」という見た目の形についてはまったく同じです。
違いはずばり、以下の点となっています。
分詞と動名詞の違い
- 分詞 …… 形容詞や副詞の役割
- 動名詞 …… 名詞の役割
分詞は形容詞や副詞として機能しますが、その名のとおり、動名詞は名詞としての役割しかありません。
動名詞は名詞なので文の構造の中では主語(S)や目的語(O)の位置に置かれます。
例えば以下の英文の「playing(すること)」が動名詞です。
Plaing games is my hobby.
(ゲームをするのがあたしの趣味だよ)
「playing games」で「ゲームをすること」という1つの主語になっています。
このように、分詞は他の言葉を修飾しますが動名詞は他の言葉を修飾しません。
形は同じ「〜ing」ですが、英語圏の文法でも分詞と動名詞は別モノとして扱われていますよ。
英語で動名詞は「gerund」言い、分詞(participle)とは別の表現とされています。
まとめ
今回紹介した「分詞」という言葉ですが、まとめると次のようになります。
分詞のまとめ
- 分詞は、「現在分詞」「過去分詞」の2種類
- 名詞修飾・名詞以外を修飾の役割
- 進行形・受動態・完了形としても機能
- 動名詞と分詞は別モノ