毎年10月31日はハロウィン(Halloween)です。
ここアメリカでは、9月に入るとお店では夏用の商品がしまわれ、一気に秋の装いになります。
家の装飾に手をかける人も多く、お店にはハロウィングッズがどんどん並びます。
今回は、秋に入って最初の大きなイベンである「ハロウィン」がどんな日なのか、またどんな感じで過ごすのかについてアメリカでの過ごし方を例にまとめました。
目次
ハロウィンってどんな日?
ハロウィンですが、「Samhain(サムハイン)」と呼ばれるケルト人の収穫祭が元だと言われています。
「ハロウィン(Halloween)」という言葉の日本語訳は「万聖節の前夜祭」です。
そもそもこの言葉の語源は何なのでしょうか? Wikipediaではこのようにありました。
英語の「ハロウィン」は「諸聖人の日(万聖節)の夜」を意味する "All-hallow Evening" の短縮形をその語源としており[20][※ 13]、現在確認されている使用例は、16世紀にみられるものが最古である[22]。
ハロウィン - Wikipedia
「All-hallow Evening(すべての聖人の夜)」の短縮形だという説ですね。
※「hallow」は動詞で「〜を神聖にする」という意味です。
ハロウィンはいつ?
ハロウィンは毎年10月31日に行われます。
つまり、2023年のハロウィンも
10月31日です。
サンクスギビングが11月の第4木曜日……のような日にちなのとは違いますね。毎年固定で決まっています。
ハロウィンの日はアメリカでも祝日ではありませんが、特に子どもには、ちょっとしたお祭りのような日です。
ハロウィンとは?
毎年10月31日に行われる「死者の霊が現世に戻ってくる」と信じられていた日。
アメリカでもこの日は祝日ではないがお祭りのような日。
もともと、ケルト人にとっての1年の終わりが10月31日だったそうで、つまり10月31日の夜は「太陽の季節(夏)と暗闇の季節(冬)の境目」でした。
その境目の夜に死者の霊が現世に戻ってくると信じられていたんです。
おもしろいことに、こういう「境目には悪いことが起こる」と考えるのはいろんな文化で共通のようですね。
「境目」は、かの有名なアニメ『君の名は。』のストーリーにも大きく関わってきましたし。
ハロウィンはなぜやるの?
死者が戻ってくると聞くと「日本のお盆みたいなもの?」と思いますが、ハロウィンでの「死者」はどちらかというとネガティブです。
その中には悪霊もいて、悪霊に自分が憑依されると信じられていたようです。
そこで、悪霊に取り憑かれないように、自分も悪霊の姿になる……という仮装が始まったんです!
私は人間じゃなくてあなたたちの仲間です!とアピールするんですね!
ハロウィンに仮装するのは悪霊に「あなたたちの仲間です」とアピールし取り憑かれないようにするため。
今では宗教色のない民間行事
こういうお話を聞くと「ハロウィン」って、宗教のお祝いっぽい気がしませんか?
もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事でした。
でも現代ではアメリカでは完全に民間行事として定着しています。
アメリカでは完全に、特に子どもが楽しめる「民間行事」です。
「祝う」というよりは「楽しむ」という感じで、宗教色はほとんどありません。
ハロウィンには何をするの?
ハロウィンが近くなると、家の内外に飾りつけをしたり、町の各地でいろんなイベントが開かれます。
ハロウィン当日は「ジャック・オー・ランタン」を玄関先に置き、おとなも子どもも仮装したりして、その日を楽しみます。
お店の店員さんが仮装していた……なんてことも普通にあります。
では、ハロウィンにアメリカで行われていることを細かく紹介します!
「秋を表すもの」を飾る
ハロウィンの飾りといえば、「pumpkin(かぼちゃ)」をすぐに思い浮かべるかもしれません。
アメリカでは、9月中ごろになると、カボチャを飾る家が多いですが、実はこれは「ハロウィンだから」ではありません。
秋なので、「秋を感じさせるもの」を飾るんです。
カボチャだけでなく、「ドライコーン」や「干し草」、「かかし」の置き物や、「紅葉した葉」の付いたリースなども飾ります。
この「飾り物」のカボチャやドライコーンなどは本物だったり、作り物だったりでいろいろですが、私たちが「ハロウィンの飾り物」として連想するような、不気味な感じではありません。
時期的にハロウィンと重なるため、ごっちゃになっているんですね。
夫は、「秋分の日(The autumnal equinox)を境に秋になるから」と言い、その日以降に秋の飾り物をしたがっていました。
この「秋の飾り物」は、早いところでは、9月半ばから飾り始め、11月下旬の「サンクスギビング」まで飾っておきます。
飾るカボチャはどんなものでもOK
ハロウィンのpumpkinといえば、「ジャック・オー・ランタン」に使われる、大きなオレンジ色のものが一般的です。
でも、それ以外の種類のかぼちゃでもかまいません。
実際、アメリカでは、いろんな形や色をした観賞用の「pumpkin」が売り出されています。
アメリカのかぼちゃについて
こちらが9月半ばにアメリカのお店で撮ってきた写真です。こんな感じで売られています。
こちらのカボチャたちは主には観賞用ですが食べられます。
味的には微妙なものもあるみたいですけどね(※ ハロウィンの時期にしか見かけません)。
カボチャは、切ったりして傷をつけなければ、けっこう日持ちします。
日本のお餅みたいに、飾ったあとは食べられるのもいいですね(笑)。
Jack-o'-lantern(ジャック・オー・ランタン)とは?
「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-lantern)」とは、パンプキンをくり抜いて作った「ランタン(lantern: ランプのような照明)」です。
もともと、ケルト人はカボチャではなくカブ(turnip)で作っていたそうです。
ところが、アメリカに伝わったハロウィンの文化ですが、アメリカにはカブがメジャーではありません。
そこで、たくさん取れるカボチャ(pumpkin)が代用されるようになったのが始まりだと言われています。
こちらが「ジャック・オー・ランタン」用のカボチャです。
中にろうそくなどを入れて、明かりをともします。
悪霊を怖がらせて追い払うために飾ると言われています。
実は、「ジャック・オー・ランタン」用のカボチャですが、「種」を食べることができます(実も食べられないことはないようですが)。
絡みついているわたをきれいに取り除き、種だけをオーブンでローストするそうです。
詳しい「ジャック・オー・ランタン」の作り方はこちらです!
「spooky(不気味)」なものを飾る
ハロウィンには「spooky」という言葉を耳にします。「不気味な」とか「気味が悪い」という意味です。
「ハロウィン」用の飾りつけは、「spooky」と感じるものが多いです。
たとえば、こういうものです。
ハロウィンに飾るもの
家のデコレーションは、凝っているお宅はすごいです。
場所によっては、コミュニティで力を入れているところもあり、通り一帯がすごいことになっているところもあります(経済的に少し余裕のある人が住む地区だと思いますが)。
主な飾り付けのモチーフはこちらです。
Jack-o'-lantern(ジャック・オー・ランタン)
先ほども紹介したカボチャのお化けが「Jack-o'-lantern(ジャック・オー・ランタン)」です。
「カボチャ(pumpkin)」をくり抜いて作ります。
Witch(魔女)
そして「Witch(魔女)」です。
ホウキを持って黒いとんがり帽子をかぶった姿でよく見かけます。
Ghost(おばけ)
「Ghost(おばけ)」もよく見かけます。
白く(透明?)で足がない姿で描かれますね。
Black Cat(黒猫)
「黒猫(Black Cat)」もよくモチーフになっています。
黒い猫自体はお化けでも妖怪でもありませんが、黒猫は魔女の使いだったからでしょうね。
道の前を横切ると縁起が悪いとも言われますし。
Bat(コウモリ)
ハロウィンには「コウモリ(Bat)」も頻繁に見かけますね。
コウモリも魔女の使いとして有名です。上の写真だと「Owl(フクロウ)」もありますね。
昔は、夜に空をビュンビュンと飛ぶコウモリの姿が恐怖の対象だったんでしょうね。
Spider(蜘蛛)
「Spider(蜘蛛)」も魔女の使いとしてよく描かれるので、モチーフとしても見かけます。
蜘蛛もですが、「蜘蛛の巣」が「haunted house(お化け屋敷)= 古い家」のイメージにも一致するのもあるでしょうね。
思いっきり仮装をする
そして、ハロウィンと言えば仮装です。仮装抜きにはハロウィンは語れません。
もともとは悪霊のフリをして取り憑かれないために始めた「仮装」ですが、今は楽しむためのものになっています。
思いきって仮装をすると、楽しさが倍増しますよね!
ハロウィンなので「spooky(不気味)」じゃないと……と思うかもしれませんが、仮装もなんだっていいんです。
「spooky」というより「コスプレ」
小さい女の子だと、ディズニーのプリンセスのキャラクターの格好をしていたりもしますし、男の子だとスパイダーマンやバットマンなどのヒーローものが多いような。
おとなも仮装しますが、こちらも「spooky」なものにこだわりません。
ナースとか、ファンタジー映画のヒロインっぽい衣装とか、もはやコスプレですね。
人を不快にさせるようなものでなければいいようです。
上の写真はお店で売っているところですが、キャラクターもの、ヒーローもの、ちょっとコスプレっぽいものまで簡単に手に入ります。
中にはもはや「着ぐるみ」の人もいます。
コスチュームを手作りする人もいます。裁縫だったり、工作だったり。
私も、娘がアヒルを好きだったので、縫ってみました。
こういうコスチュームを作るために、型紙や材料が簡単に手に入るのも、さすがアメリカですね。
コスプレをされる方にはこんなお店もオススメです♪
コスプレにオススメ
イベントに参加する
ハロウィンには各地で「ハロウィン・イベント」が開催されます。
それに参加するために、こぞって仮装を競い合う方も多いです。
たとえば、ショッピングモールでもお店でキャンディを用意していてお店に子どもたちの行列ができるんです。
ハロウィンの日は祝日ではないため、学校の終わる時間以降ははっきり言って商売ができないレベルです。
お店の入り口にこんな張り紙をしていましたよ。
こんな張り紙が
右側の「お菓子はありません」は用意していないお店とか、用意していたお菓子がなくなってしまったお店ですね。
お菓子をもらいにまわる(子どものみ)
さて、最後は子どもたちが楽しみにしているお菓子をもらってまわることです。
これを、お菓子をもらうときのセリフそのままの「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」と呼んでいます。
家々を訪ね、「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)!!」言って、お菓子を集めて回ります。
訪ねてこられる家では、当日までに大量のキャンディを用意します。
スーパーでは、それ用の大きな袋に入ったキャンディが、それはたくさん売られています。
私の家の周りでは、少し薄暗くなってくる6時くらいから8時くらいまで、その小さな訪問者たちがやってきます。
バケツなど、もらったお菓子を入れるための「入れ物」も持って回るんですよ。
お菓子周りの手順
来られる側の手順としては、こんな感じです。
お菓子周りの手順
- インターホンを鳴らされる
- ドアを開ける
- 戸口に仮装した子どもが立っていて「Trick or Treat!」と言う
- ちょっと驚いた表情をしたり、「Wow!!」とか言ったりしながら……
- 「Happy Halloween!!」と言って、お菓子を渡す
- ドアを閉める
かけ声の「Trick or Treat!!」について
「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)!!」という言葉は、「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!!」という日本語に訳されています。
直訳すると、「いたずら(をされるの)がいい? それともお菓子(を渡すの)がいい?」といった感じです。
お菓子をもらえないと、本当にいたずらをするのか……ですが、そういうわけではなく、ハロウィンにお菓子をもらうための「決まり文句」です。
子どものかわいい「脅し文句」のような感じですね。
ですから、言われたときの「それは困った!」という驚いた表情や「Wow!!」という言葉も生きてくるのです。
ちなみに「Trick or Treat」を発音するときにはリンキングに気をつけて「トリッコアトリート」のように発音します。
「知らない人」が来ることについて
日本では、近所づきあいが希薄になりつつあります。
アメリカでも、新しい住宅地では特にその傾向にあり、「ご近所さん」の顔がわからないこともよくあります。
でも、住宅地の一戸建てなら、この日はどうしても「トリック・オア・トリート」の訪問者は現れると覚悟した方がいいかもしれません。
誰かが来たら、ドアにある小さな穴(ドアスコープ)から覗いて、どんな人が来たのか確認してから開けましょう。
少しでも嫌だと感じたり、怪しいと思ったら、ドアは絶対開けてはいけません。
寂しい世の中だと思いますが、犯罪がないとも限らないので、確認せずに安易にドアを開けるのは不用心すぎます。
訪ねて回る側も、幼児くらいだと親も一緒に戸口にいて、10歳くらいだと少し離れたところに親がいるような感じです。
こんなティーンエイジャーも……
ティーンエイジャー(10代)くらいになると、子どもだけで回ることも普通になってきます。
残念ながら小さい子どもたちのようなかわいさはまったくありません。
仮装もせずに「Trick or Treat!!」ではなく「Do you have candy?(お菓子ある?)」と、なんとも興ざめなことを言われることもあり……難しいお年頃です。
まぁ、嫌ならドアを開けなければいいんですけどね。
インスタでも投稿しています!
まとめ
年に一度のハロウィン。アメリカではこんな感じで楽しんでいます。
日本でも、最近では浸透してきているようなので、今年は「ジャック・オー・ランタン」を作ったり、少しハロウィンの飾りつけをしてみてはいかがでしょう?
コスプレをされる方は、こんなお店もオススメです。
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