世界で話題になっている位置ゲーこと「ポケモンGO」。
この「ポケモン」を英語表記では「Pokémon GO」って書くことをご存じですか?
この「 e 」の上にある「チョン」は何なんでしょうか?
本記事では、「ポケモンGO」の英語表記にある「 e 」の上の「チョン」について解説します。
目次
「Pokémon」の「 é 」にチョンがある
国外で先に話題になっていた「Pokémon GO(ポケモンGO)」が8年前に日本で解禁になりました。
地球規模で大フィーバーした「Pokémon Go」ですが、この英語表記を見て「アレッ?」と思いませんか?
Pokémon GO is now available in Canada! Discover and capture Pokémon all around you. pic.twitter.com/uTXwIk85IZ
— Pokémon GO (@PokemonGoApp) July 17, 2016
それは「 é 」の上に付いている「チョン」のことです。
専門的には「アキュート・アクセント」と呼ぶ
このチョンですが、専門的には「アキュート・アクセント( ´ )」と呼びます。
アクセントとして付けるときもあったり、発音の区別のためにつけたりといろんなときに使われます。
では「Pokémon」ではどんな意味なのでしょうか?
実はここでは「エ」と読ませるためにアキュート・アクセントをつけています。
「Pokemon」はなんて読む?
おそらく、日本人の場合は次のように思うのが普通でしょう。
え?「Pokemon」はどう読んでも「ポケモン」でしょ?
ところが、英語圏の人は「Pokemon」と書いても「ポケモン」とは読んでくれません。
どのように読むのかというと「ポゥキモン」です。
ポゥキモン!
え? なんで?
「 e 」は英語表記の中でも、頻繁に使われるアルファベットです。
でも、そのほとんどが「あいまい母音」として適当な発音をします(← また別記事で書きます)。
そして「 e 」にアクセントを置いて強く発音するときは「e(エ)」か「i:(イー)」の発音になります。
「エ」と発音してほしいのに「イー」と発音される
傾向としては、語頭(単語の頭)にくる場合は「egg(卵)」「end(終わり)」のように「 e 」を「エ」と読むことが多いです。
「English」みたいに「i(イ)」と発音することもありますが。
逆に語尾(単語の最後)に「 e 」が来るときには「i:(イー)」と読むことが多いです。たとえば……
語尾に「 e 」がつく例
全部、日本語ですが、本来読んでほしい「エ」の発音ではなく「イー」の発音で読まれます。
さらにレアな読み方には「cafe(カフェ=『キャフェイ』のような発音)」のように「 e 」を「ei」と読む例外もありますけどね。
そういえば、20歳のときにアメリカに行ってたんですけど、そのときに『バーチャファイター』ってゲームが流行ってたんですよ。
その中に、「影丸」というキャラがいるんですね。
で、画面では「Kage」という名前で表示されるんですけど、それをアメリカ人の友達は全員「ケイジ」と呼んでいたんです。
これは「マジックE」と呼ばれる現象で通常は語尾に来る「 e 」の発音はしなくなります。
とにかく、単語の最後の「 e 」を「エ」と読むのは英語では激レアというわけです。
「エ」と読んでもらうためには印が必要
というわけで、ふつうに読むと「イー」と読んでしまう部分で、あえて「エ」と読んでもらうには記号が必要になります。
それが「アキュート・アクセント」です。
たとえばわたしの名前の「Yosuke」を「ヨゥスゥキー」ではなく「ヨウスケ」と読んでもらうには「Yosuké」と表記しなければなりません。
「Pokemon」もまったく同じです。この例では語尾ではありませんが、ふつうに読むと「ポゥキモン」と発音するはずです。
わたしもこれが日本語だと知らされてなければ「ポゥキモン」と読んでいたでしょう。もしくは「poke(つっつく)」という単語に引っ張られて、「ポゥクモン(poukmon)」と読むかもしれません。
「なんで?」と言われると説明が難しいのですが、こういう並びのときには「エ」と発音する例がない(もしくは激レア)だからです。
ということで「Pokémon」の「 é 」のチョンは、ふだんの読み方「イー」とは違う「エ」という読み方だよという印でした。これがないと英語圏の人の99%の人は「イー」と読むので。
追記: それでも英語圏の人は「ポゥキモン」と呼ぶ
ちなみに、この「 é 」をつけても英語圏の人で「ポケモン」と呼ぶ人はほぼいません(笑)。
日本語の「ヴ」ぐらい意味がない、どちらかというと一応やっている側面が強いのかなと思います。
日本語で「ヴ」という表記は普通に使われますが、それを「bu」ではなく「vu」と発音する日本人はいません。
むしろ「 v 」を正式な発音で言うと「え??」とコミュニケーションの阻害になりそう。つまり「ヴァイオリン」と書かれてても「バイオリン」と発音するべきなんですね。
「ヴ」の表記は学校で正式にも習わないし、そもそも「 v 」を正しく発音できないし、使い分ける必然性が日本語にはないからです。
英語の「 é 」も同じで、あってもなくても「イー」と発音するのが慣習になってて、正しく「ポケモン」と発音できないことで困らないってことですね(笑)。
まとめ
さて、今回の話ですが、20歳のときになんとなく気づいていました。
だって、アメリカ人の友達は、わたしのことを「ヨウスケ」ではなく「ヨゥスゥキー」とみんながみんな呼びますからね。
もちろんそのときは「アキュート・アクセント」のことを知りませんでした。「ヨゥスゥキーじゃなくてヨウスケだよ!」と口頭で言っていたので、親しい人だけは「ヨウスケ」と呼んでくれていましたが。