「部屋の中で」って英語で何と言うかわかりますか?
答えは「in the room」なのですが、文法的にこれを副詞句と呼びます。
今回は英語の「副詞句」について、副詞節や名詞句・形容詞句との違いや4つの作り方など詳しく紹介しますね。
副詞句について
はじめに、副詞句とは何かを見ていきましょう。
副詞節や名詞句・形容詞句との違いも紹介していきますね。
英語の副詞句とは?
まず、副詞句とは何かをハッキリさせましょう。
形容詞句の定義
英語の副詞句とは、副詞の働きをする句のことです。
句とは英文法では「1つの品詞の働きをする2語以上のかたまり」のことですよ(参考:区と節について)。
副詞句の例文
たとえば以下の英文の「to eat carrots(ニンジンを食べるために)」が副詞句ですよ。
I open the fridge to eat carrots.
(ニンジンを食べるために冷蔵庫を開けます)
この場合、「ニンジンを食べるために(to eat carrots)」は「開ける(open)」という動詞を修飾していますよね?
動詞を修飾できる品詞は副詞なので「to eat carrots」の部分は副詞の役割です。
しかも2語以上のかたまり=「句」なので、これは副詞句だと言えますよ。
副詞句と副詞節
英語では副詞句に似た表現として副詞節がありますが、それぞれ以下の違いがあります。
副詞句と副詞節の違い
たとえば、以下の「I open the fridge because I eat carrots.」の「because」以下の部分が副詞節です。
I open the fridge because I eat carrots.
(ニンジンを食べるから冷蔵庫を開ける)
「I(私)」という主語と「eat(食べる)」という述語(動詞)が含まれていますよね?
このように「誰が」「どうする」という主語・動詞が含まれているなら「句」ではなく「節」という区分になりますよ。
副詞節については別記事で紹介しているので、詳しくはそちらをご覧ください。
名詞句・形容詞句との違いは?
基本がわかったところで、名詞句・形容詞句との違いも見ておきましょう。
英語の句は副詞句の他に名詞句・形容詞句があります。
それぞれ以下の特徴がありますよ。
名詞句・形容詞句の特徴
2語以上のかたまりという点は副詞句と同じです(もちろんSVは含みません)。
でもその名前の通り、名詞句は名詞の役割、形容詞句は形容詞の役割をしますよ。
名詞句との違い
たとえば、以下の「to play video games(ゲームをすること)」が名詞句です。
I love to play video games.
(ゲームをすることが大好きなんだ)
「〜すること」という名詞として機能することで、目的語の位置に置かれています。
形容詞句との違い
そして、形容詞句は、形容詞の役割をするので名詞を修飾しますよ。
以下の「to drink(飲むための)」の部分が形容詞句です。
I want something to drink.
(何か飲み物が欲しいな)
「飲むための(to drink)」の部分が「何か(something)」という名詞を修飾していますよね?
だから形容詞の役割をしているとわかりますよ。
なかなかパッと見では判断しづらいので、副詞句・名詞句・形容詞句はその役割で判別するようにしましょう。
名詞句・形容詞句については別記事でまとめているので、そちらを参考にしてみてくださいね。
ちなみに英語で副詞句は「Adverb Phrase」と言いますよ!
英語の「副詞句」の4つの作り方
英語の副詞句とは何かがわかったところで、実際に作ってみましょう。
4つの作り方があるのでそれぞれ紹介していきますね!
前置詞句
まずは「前置詞句」です。
前置詞句とは「in」や「on」や「for」などの前置詞+名詞の組み合わせのことですよ。
たとえば、以下の「under the bed(ベッドの下)」が前置詞句となっています。
I found my phone under the bed.
(ベッドの下でスマホを見つけたよ)
「ベッドの下で(under the bed)」の部分が「found(見つけた)」という動詞を修飾しているので、副詞の役割だと言えますよ。
前置詞句は次のように場所や時間の表現が作りやすいのでおすすめです。
場所・時間の表現
前置詞としての「like(〜のように)」を使って「like a rolling stone(転がる石のように)」なんて表現も前置詞句ですよ!
不定詞
お次は「不定詞」です。
英語の不定詞とは「to+動詞」の形のことですね。
不定詞にはいくつかの役割があり、その中の1つとして「副詞的用法」がありますよ。
たとえば、以下の英文の「to find the treasure(宝を探すために)」の部分が不定詞です。
Let's go outside to find the treasure !
(お宝を探しに外に行こうよ!)
「宝を探すために(to find the treasure)」は「外に行く(go outside)」という動詞を修飾していますよね?
だからその「to不定詞」は副詞として機能していると言えますよ。
副詞句としての不定詞はいくつかの日本語訳が当たりますが、「〜のために」の意味で考えると作りやすいです。
他には「〜して」の意味もよく使われますよ。
たとえば「I'm glad to see you.(あなたに会えてうれしい)」の「to see you」が「〜して」の意味の不定詞です!
分詞構文
続いては「分詞構文」を見てみましょう。
英語では動詞を「〜ing」や「〜ed」の形にしたものを「分詞」と呼びます(現在分詞と過去分詞があります)。
その分詞を使って「副詞」の役割として機能させるのが分詞構文という表現です。
たとえば、以下の「Seen from a distance(遠くから見ると)」が分詞構文ですよ。
Seen from a distance, it looks like Pikachu !
(遠くから見ると、それってピカチュウに見えるんだよ!)
「遠くから見ると(Seen from a distance)」が「〜に見える(look)」という動詞を修飾しているので、副詞の役割をしていると判断できます。
この分詞構文の場合は動詞「see」を過去分詞「seen」に変化させることで成立していますよ。
基本的に主語を省略して分詞をど〜んと文の最初に置くことが分詞構文の特徴です。
熟語・慣用表現
最後に紹介するのは「熟語・慣用表現」です。
特定の文法というわけでなく、お決まりのフレーズで副詞の役割をしているものもありますよ。
たとえば、以下の「as〜as possilbe(できるだけ〜)」などがそうですね。
I'll go back home as soon as possible.
(できるだけ早く家に帰るよ)
他には「thank you very much」の「very much」もそうです。
毎日の意味の「every day」も副詞句と言えますね。
これらは品詞がどうこう細かく考えるよりも、まとめて1つの副詞句として捉えたほうが実践的です。