英語の「過去分詞」とは?

サッシ

執筆者

WEBライター。旅をしながらブログを書いて生活。塾で英語を約20年教えた経験あり。早稲田大学 教育学部卒業。→ サッシについてはこちら

「中古車」を英語で言うときに「使われた車」という表現で「used car」のように言います。

used car(使われた車=中古車)

この「used」ですが、文法では「過去分詞」と呼ばれるものです。

今回は「過去分詞」について、過去形や現在分詞との違いから「4つの使い方」まで、を詳しく紹介します。

英語の過去分詞とは何か

まず「英語の過去分詞とは何か?」という基本的なところから見てみましょう。

過去分詞の形や意味を確認していきますね。

「過去分詞」は動詞の変化形の1つ

まず、過去分詞とはひとことで言うとなんでしょうか?

ずばり、動詞が変化した形だと言えます。

過去分詞とは?
動詞が変化した形

もともとは動詞だったのが、形が変化して「動詞以外の役割になったもの」というイメージですね。

動詞の過去分詞=変化して「動詞以外の役割」になったもの

たとえば「break(壊れる)」という動詞を過去分詞にすると「broken(壊れた)」となります。

原形過去分詞形
break(壊れる)broken(壊れた)

そして、その過去分詞「broken」を使って「broken window(壊れた窓)」のような表現ができるように!

過去分詞を使った例

broken window壊れた窓)

次の項目で紹介しますが、この「broken」は、もはや動詞ではなく形容詞です。

「過去分詞の」意味

お次は過去分詞の意味を見てみましょう。

動詞を過去分詞形にすると、「〜される / 〜された」という「形容詞」の意味になります。

「過去分詞」は「形容詞」と同じ役目に

たとえば「big(大きい)」という形容詞を使って「car(車)」という名詞を修飾すると、「big car(大きな車)」となりますよね。

そこで「use(使う)」という動詞を過去分詞形にすると「used(使われた)」という意味に。

これを同じように「car」の前に置くと「used car(使われた車 = 中古車)」となって、「big car」とまったく同じ形になるんです!

big car
(形容詞+名詞)
大きな車
used car
(過去分詞+名詞)
使われた車
(=中古車)
形容詞と過去分詞の比較

過去分詞は基本的にこのような「形容詞的用法」のイメージを持つとわかりやすいですよ。

「過去分詞」には動詞的な使い方も

上で紹介したように、過去分詞の「形容詞的用法」に加えて、さらに以下のような「動詞的な使い方(verbal)」も可能です。

2種類の「動詞的な使い方」

  1. 受動態(be動詞 + 過去分詞形)
  2. 完了形(have + 過去分詞形)

具体的な過去分詞の使い方は後で詳しく紹介しますね!

「規則変化」と「不規則変化」について

今度は、動詞が過去分詞になって変化したときの形について紹介します。

動詞が過去分詞になるときの変化には以下の2種類があります。

過去分詞の変化の種類

  1. 規則変化
  2. 不規則変化

「規則変化」は規則的な変化をする動詞のことで、「不規則動詞」は規則のない変化をする動詞のことです。

なんか聞き慣れない言葉ですが、今から説明しますね。

過去分詞の規則変化

まずは、「規則変化」をする動詞について紹介します。

次の例にある「play」のように、語尾に「〜ed」を付けるだけで過去分詞形になる動詞を規則変化をする動詞と言います。

原形過去形過去分詞形
playplayedplayed
「play」の活用

規則変化をする動詞のパターンは、動詞の「過去形」と同じなので覚えるのも簡単ですよ。

過去分詞の不規則変化

そして、規則的に変化しない動詞を、不規則に変化する動詞のように呼びます。

残念ながら動詞すべてが「規則変化」をするわけではないんですよ……。

日常的によく使う動詞にも、不規則変化をするものがたくさんあります。

では、どんな変化をするのかというと……文字通り「不規則」です。

たとえば「go(行く)」や「sing(歌う)」という動詞の場合は以下のようになります。

原形過去形過去分詞形
go(行く)wentgone
sing(歌う)sangsung
動詞の不規則変化の例

なんだか微妙に法則性がありそうな・ないような感じですよね……。

不規則変化する動詞の一覧表は後で改めて紹介しています。

「pp」って?

過去分詞の話が出てくるときに「pp」という表示を見ることがあります。

これ、実はただの「過去分詞」の英語の略称なんです。

過去分詞は英語で「past participle」と言います。それを略して「pp」というわけですね。

動詞の略称の「V」も付けて「Vpp」と書くこともありますよ。

過去形や現在分詞との違いは?

過去分詞の基本が分かったところで過去分詞と過去形/現在分詞との違いをまとめてみましょう。

同じ点・異なる点を比べてみてくださいね。

「過去形」と「過去分詞形」の違い

まずは、動詞の「過去形」と「過去分詞形」の比較です。

【規則動詞】「過去形」「過去分詞形」は形が同じ

両者には「規則動詞」だと形が同じという共通点があります。

たとえば、先ほども紹介しましたが、「play(〜する)」の場合、過去形も「played」で過去分詞形も「played」なんですよ。

原形過去形過去分詞形
playplayedplayed
「play」の活用

この場合は見た目の形はまったく同じなので、文脈・前後関係で過去形なのか過去分詞形なのかは判断します。

【不規則動詞】「過去形」「過去分詞」の違い

不規則変化の動詞の場合は、過去形と過去分詞形は同じものもあれば違うものもあり、さまざまです。

こちらの例をご覧ください。

原形過去形過去分詞形
findfoundfound
dodiddone
動詞の不規則変化の例

上の例にある「find」のように過去形と過去分詞形が「同じ」不規則動詞もあれば、「do」のように過去形と過去分詞形が「異なる」不規則動詞もあるのです。

「過去形」ではできないこと

なにより「過去形」が「過去分詞形」と大きく異なるのは以下の点です。

過去形・過去分詞形の違い

  • 「過去形」は形容詞として使うことはできない
  • 「過去形」は受動態や完了形を作ることはできない

「現在分詞」と「過去分詞」の違い

では「現在分詞」と「過去分詞」を比べるとどうでしょうか。

「現在分詞」と「過去分詞」の共通点

両者とも以下の点は共通しています。

現在分詞・過去分詞の共通点

  • 「形容詞」として使える
  • 「分詞構文」が作れる

どちらも形容詞として使え、分詞構文で使えるのですね。

「現在分詞」と「過去分詞」は意味が異なる

しかし、どちらも形容詞として使えるものの「意味」や「訳」が異なります

現在分詞は「〜する・〜している」という能動的な意味で、過去分詞は「〜される・〜された」という受動的な意味になるんです。

現在分詞・過去分詞の意味の違い

  • 現在分詞(Ving)
    〜する・〜している(能動的な意味)
  • 過去分詞(Vpp)
    〜される・〜された(受動的な意味)

「動詞的表現」が異なる

さらに、ほかの言葉と組み合わせて使う「動詞的表現」が違います。

簡単に言うと、「現在分詞」を使う動詞的表現は「現在進行形」になります。

以下に違いをまとめますね。

現在分詞・過去分詞の「動詞的表現」の違い

  • 現在分詞(Ving)を使った動詞的表現
    be動詞 + 動詞の現在分詞現在進行形
  • 過去分詞(Vpp)を使った動詞的表現
    be動詞 + 動詞の過去分詞受動態
    have + 動詞の過去分詞完了形

受動態や完了形の使い方はこの後で詳しく紹介していきますね!

なお、「現在分詞」についてはこちらをご覧ください。

過去分詞の4つの使い方・例文

では、過去分詞の具体的な使い方を例文で見てみましょう。

以下の4つの用法を順番に紹介していきますね。

過去分詞の「受動態(受け身)」

まずは過去分詞を使った「受動態」という表現です。

受動態とは、「〜する」ではなく「〜される・〜された」という受け身の形のことを言います。

be動詞」と「過去分詞形」を組み合わせることで、「〜される・〜された」という受け身の表現を作れるんですよ。

「broken」を使った例

My smartphone is broken.
(スマホが壊れてる)

同じbe動詞の表現でも、「be動詞」と「現在分詞形」を組み合わせると「現在進行形」ですよ!

受動態(受身形)についてはこちらをどうぞ!

過去分詞の「名詞修飾」

2つ目は過去分詞の「名詞修飾名詞を修飾する用法)」です。

たとえば「break(壊れる)」という動詞が過去分詞形「broken」になると「壊れた〜(壊された〜)」という意味になり、名詞を修飾する「形容詞の役割」になります。

Why are there broken plates on the table?
(なんで壊れたお皿がテーブルにあるのかな?)

Well, I don't know...
(さ、さぁ、知らないな……)

名詞を修飾するときは「語順」に注意

過去分詞形を名詞の「前」に置くか「後」に置くかは、実はちょっとしたルールがあります。

名詞を修飾する語順のルール

  • 1語で修飾
    名詞の「
  • 2語以上で修飾
    名詞の「

どういうことか、例文でわかりやすく説明しますね。

修飾される名詞が1語の場合

「broken(壊れている)」という過去分詞で「smartphone(スマホ)」という名詞を修飾するとします。

まず「壊れたスマホ」なら以下のようになるんです。

Why is there a broken smartphone on the table ?
(なんで壊れたスマホがテーブルにあるのかな?)

日本語の「壊れたスマホ」と同じ語順でわかりやすいですね。

さらに過去分詞の「名詞修飾」に詳しく書いていますよ!

修飾される名詞が2語以上の場合

でも、「こちらがお母さんに叱られたかわいそうなウサギです」だと以下のような語順になります。

This is the poor rabbit scolded by her mother.
(こちらがお母さんに叱られたかわいそうなウサギです)

「scolded by her mother」は2語以上のかたまり(=フレーズ)なので、「後」から修飾しています。

フレーズが長いと言いづらいから後回し!」というイメージでいてください。

過去分詞の「完了形」

3つ目は「完了形」です。

過去の時間から続いてきた動作が「完了」したときに使う表現を「完了形」と言います。

と言われても、ちょっとイメージしづらいですよね……。

まずは以下の例文をご覧ください。

「been」を使った例

I have been to Tokyo.
(東京に行ったことあるんだ〜)

Wow ! I'm so jealous !
(わお!いいな〜!)

過去形で「I was in Tokyo.」だとシンプルに「東京にいた」という事実を指すだけですが、完了形にすることで「過去にそうした経験を(現在)持っているよ」というニュアンスを出すことができます。

完了形で使う「have」は、主語が「三単現」のときは「has」になり、話題の中心が過去のときは「had」になりますよ。

さらに詳しくは完了形についてをご覧ください。

過去分詞の「分詞構文」

最後は「分詞構文」です。

主に文の先頭に過去分詞を置くことによって、「文全体」を修飾することができる表現を「分詞構文」と言います。

「compared」を使った例

Compared with my brother, I think I'm not an anime geek.
(うちの兄ちゃんと比べると、あたしはそれほどアニメオタクじゃないと思うな〜)

Hmm... kind of.
(そ、そうだね……)

この文の場合、「Compared with my brother(うちの兄と比べると〜)」は、その後の文全体を修飾していますよね?

このように分詞を使ったフレーズで他の文をまるごと修飾できる表現を「分詞構文」と言います。

分詞構文は「現在分詞」を使っても作れますよ!

覚えておきたい「過去分詞形」まとめ

最後に、基本的な「覚えておきたい過去分詞形」を紹介します。

「なんだっけ?」と迷う過去分詞形

まずは、よく「あれれ? 過去分詞はどんな形だっけ?」と悩んでしまうものをリストアップします。

「ride」の過去分詞 →「riden」

「ride(乗る)」の過去分詞形は「riden」です。「ride」に「 n 」をプラスすると覚えましょう。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
rideridesridingroderiden
「ride」の活用

ただ、過去形が「rode」なのでじゃっかんややこしいですね。

「meet」の過去分詞 →「met」

「meet(会う)」の過去分詞形は過去形と同じく「met」になります。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
meetmeetsmeetingmetmet
「meet」の活用

こちらは「meet」の「 e 」を1つ取るというイレギュラーな変化です。

「wear」の過去分詞 →「worn」

「wear(身につけている・すり減る)」の過去分詞は「worn」です。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
wearwearswearingworeworn
「wear」の活用

語形変化は「I was born in 〜(〜で生まれた)」でおなじみ「bear(生む)」の過去分詞「born」と同じルールです。

「want」の過去分詞 →「wanted」

「want」の過去分詞は「wanted」です。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
wantwantswantingwantedwanted
「want」の活用

この単語、「あれ? 特別な形だっけ?」と思ってしまいますが、規則変化なんです♪

ちなみに、「お尋ね者」という意味での「ウォンテッド」ですが、この過去分詞「wanted(求められている)」ですね!

「have」の過去分詞 →「had」

「have(持っている)」の過去分詞形は「had」です。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
havehashavinghadhad
「have」の活用

現在完了形だと「I have had」みたいに「have」の後ろに「had」が来て、なんか妙に見えますが、正しいです(笑)。

「do」の過去分詞→「done」

「do」の過去分詞形は「done」になります。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
dodoesdoingdiddone
「do」の活用

「tell」の過去分詞 →「told」

「tell(話す)」の過去分詞は「told」です。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
telltellstellingtoldtold
「tell」の活用

「laugh」の過去分詞 →「laughed」

「laugh(笑う)」の過去分詞形は「laughed」で、そのまんま「ed」が付くだけ。

原形三人称単数現在分詞形過去形過去分詞形
laughlaughslaughinglaughedlaughed
「laugh」の活用

「teach(教える)」の過去・過去分詞形が「taught」で、スペルが似ているのでややこしいですよね(笑)。

中学英語の基本的な「不規則変化の過去分詞形」一覧表

最後に中学校で習うレベルの不規則変化の過去分詞形を一覧表にしてまとめておきますね。

どれも日常会話でもよく使う単語ですよ。

意味原形過去形過去分詞形現在分詞形
~である
いる
be
(is / am / are )
were beenbeing
~になるbecomebecamebecomebecoming
始めるbeginbeganbegunbeginning
壊す/壊れるbreakbrokebrokenbreaking
持ってくるbringbroughtbroughtbringing
~を建てるbuildbuiltbuiltbuilding
~を買うbuyboughtboughtbuying
~をつかまえるcatchcaughtcaughtcatching
来るcomecamecomecoming
~を切るcutcutcutcutting
~をするdodiddonedoing
~を飲むdrinkdrankdrunkdrinking
運転するdrivedrovedrivendriving
~を食べるeatateeateneating
落ちるfallfellfallenfalling
感じるfeelfeltfeltfeeling
~を見つける・わかるfindfoundfoundfinding
~を忘れるforgetforgotforgotten(forgot)forgetting
~を得るgetgotgotten(got)getting
~を与えるgivegavegivengiving
行くgo wentgonegoing
成長するgrowgrew growngrowing
持つhave(has)hadhadhaving
聞くhearheardheardhearing
キープするkeepkeptkeptkeeping
~を知っているknowknewknownknowing
去る・出発するleaveleftleftleaving
~を失うloselostlostlosing
作る/AをBにするmakemademademaking
意味するmeanmeantmeantmeaning
~に会うmeetmetmetmeeting
置くputputputputting
~を読むread
(リード)
read
(レッド)
read
(レッド)
reading
乗るrideroderiddenriding
のぼるriseroserisenrising
走るrunranrunrunning
言うsaysaidsaidsaying
見るseesawseenseeing
売るsellsoldsoldselling
送るsendsentsentsending
中学英語の基本的な「不規則変化の過去分詞形」一覧表

まとめ

最後に過去分詞についてまとめます!

過去分詞まとめ

  • 過去分詞とは、動詞が変化して「形容詞(〜される・〜された)」の働きをする形
  • 規則変化と不規則変化がある
  • 用法は「名詞修飾」「受動態」「完了形」「分詞構文」の4つ

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中村サッシ
サッシ
塾講師として英語・国語の指導を約20年してきた経験のある「英語の文法オタク」。早稲田大学 教育学部卒。小学生の時から英語を学んでいた経験もあり。「毎日が生まれたて」という月間に100万回以上読まれる人気ブログも運営。>>サッシについて詳しくはこちら
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