基本的に英語では、自動詞と他動詞で同じ単語を使います。たとえば「開ける」も「開く」もどちらも「open」をつかうように。
ところが、自動詞と他動詞で違う単語をつかうという「例外」があるのです。
具体的には、こちらになります。
自動詞・他動詞が違う単語
覚えるのがなかなか……なのですが、今回はこの違いを簡単に覚える方法をイラストとともに紹介しますね。
最後におまけで、活用を暗記できているかの確認もできますよ。
目次
英語で自動詞と他動詞で違う単語のもの
では、英語で自動詞、他動詞で「違う単語」をつかうものをまとめます。
自動詞と他動詞で違う単語をつかうもの
これがすこし覚えにくいので、暗記方法もいっしょに紹介しますね。
自動詞「lie」/ 他動詞「lay」
わたしが若いころ、覚えるのに苦労したのが自動詞「lie(横なる)」と他動詞「lay(横にする)」の違いです。
この2つがごっちゃごちゃになってややこしいのですが、どう覚えればいいのでしょうか?
自動詞「lie」
まずは「lie(横になる)」から覚えていきましょう。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
lie | lies | lying | lay | lain |
「lie」は「横になる」という意味で、自動詞になります。
I lie here after lunch everyday.
(あたいは毎日、ランチのあとはここで横になるよ)
「lie(自動詞:横になる)」は「わたしが横になる」のように自分がやることに使われます。
こちらのイラストで覚えましょう。
「lie」の「 i 」がオオカミになっていますね。自分を指さしながら「 I(アイ)」と言っています。
「lie」は自分がすることなので、「 I 」=「わたし」というふうに覚えてください。
発音も「 I(アイ)」がすることだから「るぁアイ」って覚えられるね!
他動詞「lay」
今度は他動詞「lay(横にする)」を見てみましょう。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
lay | lays | laying | laid | laid |
この「lay」は、さきほどの「lie」の過去形も「lay」になって、同じスペルというややこしさもあります(この件については後述しています)。
「lay(横にする)」は次のように使います。
I laid the baby on the bed.
(赤ちゃんをベッドの上で横にしたよ)
先ほどの「lie」は自分がすることに使う「自動詞」でしたが、こちらの「lay」は自分がすることではなく、ほかのものに使う「他動詞」です。
では、こちらのアニメーションをご覧ください。
「Lay」の「 a 」がオオカミになっていますね。
しかも、「えいっ!」と何かを投げている、つまり何かに作用しているイメージです。
作用する対象を文法用語では目的語と呼びます(参考:第三文型とは?)。
自分ではなく、ほかのものに作用するイメージで「えいっ!」と覚えてください。
「えいっ!」だから「るぅエイ(レイ)」って発音するんだね! こじつけだけど覚えやすい!
自動詞「rise」/ 他動詞「raise」
つづいて、「rise(自動詞)」と「raise(他動詞)」の覚え方を紹介します。
自動詞「rise」
まずは自動詞の「rise(上がる)」の覚え方から説明します。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
rise | rises | rising | rose | risen |
「日の出」を意味する「sunrise」にある「rise」ですね。
The sun rises in the east.
(太陽は東から昇る)
この例のように、主語(太陽)自身が上がる(昇る)ときに使います。
こちらも、さきほどと同じ要領で覚えてしまいましょう。
「lie」と同じく、自分を指さしながら「 I(アイ)」と言っているオオカミが見えます。
「rise」も「lie」と同じように、自分の動作をさして使う「自動詞」だから「 I(=わたし)」のように覚えられますね。
「アイ」だから、発音も「rise(るぅアイず)」って覚えたらいいのか!
他動詞「raise」
そして、自動詞である「rise」に対応する他動詞「raise」を見てみましょう。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
raise | raises | raising | raised | raised |
自動詞「rise」は自分が上がるときに使う自動詞でしたが、「raise」は他動詞なので、ほかのものに作用するときにつかいます。
I raised my hand.
(手をあげたよ)
上の例では「自分自身」が上がるのではなく、わたしが「自分の手」に作用して、「(手を)上げる」という内容ですね。
さきほどの他動詞「lay」の「 a(エイ) 」を思い出しながら次のイラストをご覧ください。
「lay」と同じように「 a(エイ)」がオオカミになって「エイッ!」とやっていますね。
これも、他動詞なので「えいっ!」とほかのもの(目的語)に作用しているイメージで覚えてください。
「raise」の発音も「エイ」が入った「るぅエイず」だね。
【補足】「lie と lay」「rise と raise」
さらっと説明してきましたが、発音と活用について補足があります。
「lie」「rise」は「L」と「R」の違いがある
この記事では「lie」を「るぅアイ」のように、「rise」を「るぅアイず」のようにカタカナ英語で書きました。
でも「 L 」の発音と「 R 」の発音はぜんぜん違うので、ご注意ください。
くわしくは下記の記事を。
「lie」には「うそをつく」という意味もある
「lie」は「横になる」という意味ですが、「うそをつく」という意味もあります。
この場合は、「横になる」という意味のときとは活用がガラッと変わるので見てみましょう。
「うそをつく」の「lie」
「うそをつく」の「lie」の活用は次のように単純です。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
lie | lies | lying | lied | lied |
過去形も過去分詞形も「lied」と、「 d 」がつくだけです。
「ウソをつくのが簡単なように、簡単に覚えられる」と覚えてください。
「横になる」の「lie」
そして、さきほども見た「横になる」の「lie」を、「うそをつく」の「lie」と比べてみましょう。
原形 | 三人称単数 | 現在分詞形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|---|---|
lie (うそをつく) | lies | lying | lied | lied |
lie (横になる) | lies | lying | lay | lain |
ややこしいのが過去形と過去分詞形の2つです。
「横になる」の「lie」
自動詞「lie(横になる)」の過去形「lay」と、他動詞「lay(横にする)」が同じスペルなのもややこしいですよね……。
間違えないように気をつけてくださいね。
【暗記できたかチェック!】
「lie と lay」「rise と raise」
最後にきちんと暗記できたかのチェックをしましょう。
【確認】自動詞「lie」/ 他動詞「lay」の活用
まずは、自動詞「lie」/ 他動詞「lay」の活用を覚えているかのチェックです。
【確認】「lie(横になる)」の活用
「lie(横になる)」の活用を暗記できているかチェックしましょう。
原形 | lie |
---|---|
三人称単数 | lies |
現在分詞形 | lying |
過去形 | lay |
過去分詞形 | lain |
【確認】lay(横にする)の活用
「lay(横にする)」の活用を暗記できているかチェックしましょう。
原形 | lay |
---|---|
三人称単数 | lays |
現在分詞形 | laying |
過去形 | laid |
過去分詞形 | laid |
【確認】自動詞「rise」/ 他動詞「raise」の活用
自動詞「rise」/ 他動詞「raise」の活用を覚えられましたか? 確認してみましょう。
【確認】rise(上がる)の活用
「rise(上がる)」の活用を暗記できているかチェックしましょう。
原形 | rise |
---|---|
三人称単数 | rises |
現在分詞形 | rising |
過去形 | rose |
過去分詞形 | risen |
【確認】raise(上げる)の活用
「raise(上げる)」の活用を暗記できているかチェックしましょう。
原形 | raise |
---|---|
三人称単数 | raises |
現在分詞形 | raising |
過去形 | raised |
過去分詞形 | raised |
【確認】lie(うそをつく)の活用
おまけに「lie(うそをつく)」の活用を暗記できているかチェックしましょう。
原形 | lie |
---|---|
三人称単数 | lies |
現在分詞形 | lying |
過去形 | lied |
過去分詞形 | lied |
まとめ
さて、今回は英語で覚えるのに苦戦する「lie(自動詞)/ lay(他動詞)」、そして「rise(自動詞)/ raise(他動詞)」の覚え方でした。
ぜひ「どっちだっけなぁ……」と悩んだときは、イラストを思い出してくださいね。
「アイ(=自分)」と言いながら「自分」を指しているオオカミは自動詞。
「エイっ」と言いながら「他のもの」に作用しているオオカミは他動詞。
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