よく「日本人は英語が話せない」と言われますが、それは本当なのでしょうか?
日本人は英語を長く習っているわりには、話せるようになる人が圧倒的に少ないのは事実です。
今回は、なぜ日本人は英語が苦手なのか、英語を話せるようにならないのかについて言語教師の視点からまとめました。
さらには、解決方法もまとめているので参考になりますよ!
日本人が英語を話せない理由
ではさっそく日本人の英語がなかなか上達しない理由、話せない理由についてまとめていきます。
最初にまとめると、こちらになります。
日本の英語教育に問題がある
まず最初に、よく言われている日本の英語教育についてです。
日本の英語教育はまったくコミュニケーション向けではありません。まとめるとこちらになります。
日本の英語教育の特徴
- 勉強という意識が強すぎる
- まだまだ文法中心
- 先生がネイティブじゃない
- 文法ミスに厳しすぎる
- 先生に「言語としての日本語」の知識がない
- 日本文化を引きずりすぎる
- 正しい発音をすると笑われる
こんな特徴が、日本の英語教育にあります。
特に、英語は正しい文法で話さなくてはならないという強迫観念が授業中に植え付けられることが大きな問題ですね。
たとえば「He likes」が「He like」になっているだけでバツというのは厳しいです。
こういう体験が続くと、英語を話すときに、頭の中で完璧な文法を組み立ててから話すように……。
そもそも日本人の英語が伝わらないのは文法がおかしいのではなく、発音が伝わらないからなのに。
詳しくは日本の英語の授教育に問題があるもご覧ください。。
日本人の「国民性」が邪魔をしている
お次は「日本人の国民性」について。
国民性が英語習得を邪魔しているんですよね(「国民性」という言葉は嫌いなのですが、いい表現が見つからないので使っています)。
たとえばこういうことですね。
日本人の国民性
- 曖昧に言いたがる
- 意見をガンガン言わない
- 恥ずかしがり(シャイ)
- 非言語表現が乏しい
- 聞き返さない
日本は察してもらう文化というのが大きな弊害になっているかもしれません。
くわしくは日本人の「国民性」が英語の上達を邪魔をしているもご覧ください。
「カタカナ語」の発達によるカタカナ英語
そして、カタカナ語の存在です。
「カタカナ語」というのは、英語の単語が日本に入ってきたときに無理やりカタカナに当てはめられた言葉です。
カタカナ語は「日本語」ですよ!
たとえば、「apple」を「アップル」と読んだり、「girl」を「ガール」と読んだりする発音ですね。
「カタカナ語」は「英語」ではなく「日本語」なのです。
重要!
カタカナ語 = 英語 日本語
特に問題なのが「日本語にはないけど英語にはある」という発音のとき。
日本人には「light(光)」も「right(右)」も同じ発音に聞こえますよね? それは、「L」と「R」の発音の区別がないからです。
発音が違うのに同じ表記になる
そのため、日本語での表記では以下のような「表記の混同」が問題としてあります。
表記の混同
- light …… ライト
- right ……ライト
日本語では、どちらも「ライト」と表記します。困りますよね……。
ところが、この2つの発音はネイティブが聞くと「なぜこんなにぜんぜん違う発音なのに?!」と混乱するほど違います。
カタカナ語の問題点をまとめると
カタカナ語の問題点をまとめてみましょう。
カタカナ語の問題点
- 違う単語が同じ発音になる
- 一つの言語として流通し日本人にしか伝わらない
- 英語の発音をした気になってしまう
- 日常生活ではカタカナ語の方が重要
- 本物っぽく発音すると馬鹿にされる
- 和製英語という存在
「カタカナ語」が発展しすぎたがゆえに、日本人同士にしか通じない「カタカナ英語」という新しい言語ができています。
なまりがあるだけなら伝わるぶんマシなんです。でもカタカナ英語は日本人にしか通じません。
「カタカナ語」は日本人の英語の発音をひどくする悪の根源もどうぞ。
日本語と英語が言語的に違いすぎる
そして、日本語と英語が「言語的」に違いすぎるという問題です。
たとえば日本語と中国語なら
たとえば、日本語と中国語を比べてみましょう。
日本人が中国語を勉強するときに、発音は超難しいのですが、書く方は英語の何倍も楽なのをご存じですか?
中国語では同じ表記である漢字を使うからですね!
ところが英語は発音も違いすぎるし、表記も違いすぎる……。あまりにも遠いところに存在する言語なんです。
事実として、言語的な距離が遠いと習得に時間がかかります。
逆に同じアルファベットを使う国、たとえばドイツ人やフランス人が英語をマスターする方がラクということです。
表記だけでなく文法なども違う
日本語と英語の言語的な違いをまとめるとこちらになります。
日本語と英語の違い
- 英語と日本語は文法が違いすぎる
- 英語は主語を省略できない
- 英語と日本語は表記が違いすぎる
- 英語と日本語は発音が違いすぎる
- 英語は「抑揚」・日本語は「ピッチ」
- 文化が違いすぎることによる影響
大雑把に言うとこんな感じです。
日本語と英語が言語的に違いすぎるもご覧ください。
英語学習を甘く見すぎている
ちょっとキツめの表現であえて言いますが、日本人は英語学習をナメています。
だって週に1時間だけ英会話学校に通っている人が、半年続けたぐらいで「英語がうまくならない!」のように言っていますからね。
そのくらいで英語がしゃべれるようになるかーー!!!
最低でも2,000時間の学習が必要
なにかを習得するときに「2,000時間の壁」という言葉があります。
最低でも学習時間が2,000時間を超えないとスタートに立てないという話ですね。
英会話学校に週に1回通っているAさんの5年間の学習時間を計算してみましょう(家では全く勉強しないと仮定)。
Aさんの勉強時間
1時間 × 50週 = 50時間
50時間 × 5年 = 250時間
5年やってもたった250時間です。2,000時間には、はてしなく遠い……。
このペースだと2,000時間に到達するには40年もかかっちゃいます!
学校の英語教育の質が上がれば?
もちろん、スタートをゼロとしてカウントしていますが、学校での英語教育もカウントするべきです。
ですが、上でも書きましたが、学校の授業はコミュニケーションツールとしての英語ではなく、あくまで「受験対策」として機能しています。
ということは、ここが改善されれば、日本人の英語が変わるという希望もありますね!
日本人は英語の勉強を甘く見すぎているもぜひご覧ください。
日本に住んでいると英語がいっさい不要である
そして、日本に住んでいることがすでに英語の上達を妨げているという問題もあります。
日本語さえ話せれば成り立つ国
日本では義務教育で日本語を学びます。そのため、ほぼすべての日本居住者が日本語を話せるという状況です。
逆を言うと、日本語さえあれば意思疎通ができるので、「英語なんてなんで勉強する必要があるの?」というレベル。
しかも、1億人以上も国民がいて(まぁ、減っていっていますけど)、国内だけを見ていれば商売も成り立つ場合がほとんど。
英語を学ぶ理由を探すほうが難しいかもしれません。
英語がないと成り立たない国も
シンガポールのような多民族国家だと、「英語」という媒介語がないと、違う民族(マレー系と中国系のような)での会話が成り立ちません。
そうなると英語を嫌でも使わないと生きていけないんですね。
シンガポール人が英語をペラペラと話せるのもこういう違いがあるんです。
日本に住んでいると英語が不要もご覧ください。
「英語」が憧れの対象で終わっている
最後に「英語」があこがれの対象で完了していること。
「あこがれているからがんばれる」と思いそうなんですが、「あこがれ」は永遠に届かないことが前提です。
ほら、芸能人に憧れるけど、本気でその芸能人との結婚を目指して努力する人って非常に少ないですよね? そんな感じです。
じゃあどうすればいいのかというと、「あこがれ」から「現実的にクリアするべき課題」として転化することです。
それだけで英語の習得率はUPするはず。
英語はあくまで「何を表現するか?」の手段
そして覚えておいてほしいのは、英語は他人とコミュニケーションを取るための手段にすぎないこと。
大切なのは「英語で何を表現するか?」です。
「うわー、あの人英語ペラペラでカッコイイ!」と思っている人の会話は、実は下品な内容かもしれませんよ。
英語を「憧れの対象」にしている限り英語は上達しないも参考になります。
【解決方法】どうすれば英語を話せるようになるの?
さて、日本人が英語を話せない理由について述べてきました。
では具体的になにをすれば、日本人の英語が上達するのでしょうか?
ここまでに書いてきた「逆」のことをすればいいだけですね。
解決方法
- 日本の英語教育をコミュニケーション中心にする
- 英語を習うときだけ「意識」を変える
- 「カタカナ英語」は日本語だと意識する
- 英語は遠い言語だと知った上で勉強する
- 学習時間をたくさんとる
- 英語を話さなければならない時間を設ける
- 具体的な「英語」の目標をもつ
日本の英語教育をコミュニケーション中心にする
まずは、日本の英語教育をコミュニケーション中心にすること。
とはいえ、この仕組みは個人がどうすることもできません(笑)。
日本の英語教育を否定するのはカンタンですが、知っておきたいのは文法もすごく重要だということ!
学校では文法をキッチリと学び、「家では会話の勉強に力を入れる」とすみ分けをすれば鬼に金棒でしょう。
オンライン英会話なら、毎日20分間英会話をしても月々5,000円程度ですむのでオススメです。
英語を習うときだけ「意識」を変える
そして、英語を習うときだけでいいので「意識」を変えることです。
たとえば、英語で話すときは曖昧に言うのではなく、ハッキリと言うことを意識する。
ジェスチャーを大きくしてみる、わからない言葉があれば積極的に質問する。
このように変えるだけでも、英語でのコミュニケーション力が数段アップします。
じつは単語力よりも、こういう意識のほうが重要だったりします。
英会話でわからない言葉が出てきたら「英語で」質問しようも参考に!
「カタカナ英語」は日本語だと意識する
つづいても「意識」についてです。カタカナ英語は「日本語の一種」だということを肝に銘じておきましょう。
日本語なまりの英語ではなく、完全に日本語なのです。
でも日本人にとっては「カタカナ英語」を理解することも必要なので、「カタカナ英語も勉強している」という意識を持ちましょう。
自分で勉強する「英語」とはまったく違う言語という意識をもつのです!
英語の発音を知るために、ぜひ英語の発音についてもご覧ください。
英語は遠い言語だと知った上で勉強する
そして、英語は日本語とは遠い言語という事実をちゃんと知っておくと、落胆も減ります。
英会話スクールに1年通って「ぜんぜん上達しない……」と落ち込まず、「だって難しいから当たり前♪」と開き直るのです。
英語は日本人にとってはむずかしい。逆に英語圏の人にとって日本語はむずかしい。
そんなものです。ゆえに勉強をがんばるのです!
学習時間をたくさんとる
そして、学習時間をたくさんとること。
まずはなにも考えずに英会話で2,000時間を突破することを目標にしましょう。
それを突破できるころには、間違いなく自分の英語力への変化に気づいているでしょう。
毎日オンライン英会話をコツコツとやるのがオススメです。
英語を話すための「口の筋肉」を鍛えるという話も参考になりますよ。
「英語を話さなければならない時間」を設ける
日本で住んでいると英語を話せなくてもまったく問題ないと書きました。
それが問題なので、意図的に「英語を話さなければならない時間」を作りましょう。
たったこれだけで、英会話力アップの道は開きます。
ではどうすれば……ということですが、カンタンです。オンライン英会話がありますから。
月々たった数千円で、毎日英語を話せる環境が手に入るなんて……今の時代でよかったです。
具体的な「英語」の目標をもつ
そして具体的な英語の目標をもちましょう。
なんのために、どの程度の英語力を身に着けたいのかということですね。
英語力を使って何がしたいのでしょうか?
英語力がついたときの目標
こういう目標があると、挫折をする確率も減りますし、目的達成のためにがんばれます。
まとめ
今回は日本人が英語が苦手(ヘタ)な理由と、その解決方法についてまとめました。
とにかく英語に触れて「下手でいいから口に出す」。これが一番の近道です。
英語にたくさん触れて、英語をたくさん口に出すにはオンライン英会話は本当にオススメですよ。
安くて気軽に家で始められる「オンライン英会話」を利用して、毎日英語を話す習慣を身につけましょう!