英語には日本語にはないストレス(音の強弱)があります。
今回は英語のストレスアクセント(stress accent: 強勢アクセント)についてまとめます。
目次
ストレスアクセントってなに?
英語のストレスアクセントというのは何でしょうか?
よく辞書で見かける「チョン」のことですね。
ストレスアクセント
coffee [ kɔ́ːfi ]
この「 ɔ(国際音声記号)」の上にあるチョンですよ!
じゃあこのチョンは何の印なのかというと、ここを強く読むというのを伝える役目です。
ちなみに「Pokémon」の「 é 」のチョンのように、逆向きのチョンは「アキュート・アクセント」で別モノです。
英語は「音声の強弱」を要する言語
少し専門的なお話になりますが、英語は「Stress - Rhythm Language(ストレス・リズムの言語)」です。
「ストレスアクセント(Stress Accent: 長いので以降は『ストレス』と表示します)」と呼ばれる種類のアクセントを単語の中に持っています。
日本語では「強勢アクセント」や「強弱アクセント」と呼ばれ、単に「ストレス」と呼ばれることもあります。
つまり英語は、単語の中に強弱のアクセントを置くことで成り立っています。
ストレスは母音にしかこない
このストレスですが、母音にしか来ないという性質があります。
たとえば「crazy(クレイジー)」という単語ですが、「Wisdom」の英和辞典ではこのようにストレスを表記しています。
母音の上の「ストレス」
kréizi
ほら、母音の上にチョンがきていますよね?
このように、ストレスは必ず母音にきます! 子音には来ません。
でも、Oxford(オックスフォード)の英和辞典を見てみるとこんな表記に?!
子音の前の「ストレス」
'kreizi
母音にストレスが来ることには違わないのですが、辞書によってストレスの記号を付けるルールが違うだけです。
Oxfordの場合は、ストレスの来る母音の前の「子音」のさらに前に来るようになっています。
この場合は「kr」が子音×2ですので、その前に来ていますが。
ストレスはどのように発音する?
では、具体的に「ストレスアクセント」ってどのように発音するのでしょうか?
基本的には「強く」発音するという意識で大丈夫です。あと、長めに発音します。
こちらの「people」と「apple」の発音を聞いてみてください。
それぞれ、「people [píːpl]」の「ピー」の部分、「apple [ǽpl]」の「アー」の部分にストレスがきています。
「ピー」も「アー」も、どちらも長めに発音しているのがわかりますか?
ストレスの来る母音は長めに強調するかのように発音するのがコツです!
同じスペルなのに「ストレス」の場所で意味が変わる例
英単語の中には、同じスペルなのに「ストレス」の場所で意味が変わるものがあります。
たとえば、「suspect」という単語。
「suspéct」の後半の音節「pect」にストレスを置くと「疑う(動詞)」という意味です。
でも「súspect」の前半の音節「sus」にストレスを置くと(強く発音すると)「容疑者(名詞)」になります。
ちょっと言葉だけでは伝わりづらいので、音声をお聞きください(声: ヨス)。
最初に言った「suspéct」は後ろにストレスがあるので「疑う(動詞)」という意味ですね。
2回目の「súspect」は前の方にストレスがあるので「容疑者(名詞)」です(音声ではこれを2回繰り返してます)。
ちなみに、同じスペルでもストレスの場所によって名詞/動詞になる単語はいろいろあります。
名詞 | 動詞 | |
---|---|---|
suspect | suspect(容疑者) | suspect(疑う) |
contract | contract(契約) | contract(契約する) |
decrease | decrease(減少) | decrease(減少する) |
present | present(贈り物) | present(贈る) |
increase | increase(増加) | increase(増加する) |
このような感じで、ストレスの位置で品詞が変わる単語の場合は、こんなルールの場合が多いです。
品詞が変わる単語の特徴
日本語は「音の高低」が意味に関係する
一方で日本語は、どうでしょうか?
実は日本語は、音の強弱では言葉の意味は変わりません。
でも「橋」とか「箸」でアクセントが違うけど? あれは違うの?
「橋」「箸」を発音してみてください。
音の強弱(ストレス)ではなく、音の高低(ピッチ)で区別しているのがなんとなくおわかりでしょうか?
専門的には「ピッチアクセント(Pitch Accent)」、日本語で「高低アクセント」と呼ばれます。
英語 | 日本語 |
---|---|
Stress Accent (ストレスアクセント) |
Pitch Accent (ピッチアクセント) |
強弱アクセント (強勢アクセント) |
高低アクセント |
言葉にするとややこしいですが、日本語では声の高さを変えて「橋」「箸」「端」を使い分けているんです。
これは英語の「ストレス(声の大きさ)」とはまったく違いますのでご注意を!
まとめ
今回は、どうしたら英語っぽく発音できるのか? ということで、日本と違う英語の「ストレスアクセント(強勢アクセント)」についてまとめました。
日本語のピッチアクセント(高低アクセント)との違いが最初は難しいかもしれません。
でも、シャドーイングをやることで英語の「ストレス」にもなれますので練習あるのみですね!
こちらも日本人が英語の発音をするときにかかせないので、ぜひご覧ください。