英語のネイティブスピーカーと話をするときに、自分の英語の日本語なまりが気になりませんか?
今回は日本人の話す「日本語なまりの英語」を矯正する方法をまとめました!
目次
日本人の英語のなまりを矯正する方法
日本人の英語の発音が、英語圏の人に伝わらない理由は、日本語の発音の特性のせいです。
簡単に言うと日本語の発音が英語の発音と違いすぎることが原因です。
では、日本人がやりがちな発音のミスを見ていきながら、どうしたら日本語なまりが矯正できるのかを見ていきましょう。
子音と子音の間に母音をはさまない
まずは、日本人が英単語に余計な母音を足してしまうという現象があります。
これは「日本語が「開音節言語」で英語が「閉音節言語」」ということが原因です!
って書いても意味わかりませんよね……。
日本語は子音が続くことがない
つまり、日本語は子音だけが音声的に続くことがほぼない言語なんです。
逆に英語は、子音だけがふつうに続く言語。例を見てみます。
例
instructor [ instrʌ́ktər ]
こんな感じで、「nstr」なんか4つも子音が続いていますよ!
この「instructor」ですが、日本語だと「インストラクター」です。ローマ字で書いてみます。
例
insutorakuta:(インストラクター)
上の赤い文字が、日本語にするときに追加される母音です。
こんなにいっぱい母音を追加しなければ、日本語では発音できないんですよ。
言語学では「音挿入」と呼ばれる現象です。
カタカナ英語で「インストラクター」と言っても通じない理由がわかりました?
子音で終わる単語に母音を付けない
そして、日本語は子音だけでは終われないという特性。
たとえば「cut」の発音ですが、日本人は「カット」と言ってしまいますが、最後の「 t 」は、子音の「 t 」だけを発音します。
日本人の発音だと「katto」になってしまいますよね?
日本語の影響で、最後に母音を付け足してしまうんですね。
母音で終わる英単語の場合
逆に英語には「母音で終わる」ものもあります。
「data」とか、「candy」などがそうですが、中には「 o 」で終わる珍しいものも。
「Toronto(トロント: カナダの都市名)」。「Tokyo(東京)」もそうですね。
この場合は「トロント」ではなく、「トロントゥ」のような発音になるのでご注意ください。
単語単語を区切って発音しない
そして、日本人の英語にすごく特徴的なのが、英単語ごとに区切って読んでしまうことです。
たとえば……
例
This is a pen.
これですが、「ディス・イス・ア・ペン」って読んでいませんか?
スペースを取り「リンキング」する
英語を文字にするときには単語と単語を「スペース」で区切ります。
そのため、「単語!」という主張が強くなるため、ついつい「ディス・イズ・ア・ペン」と読んでしまうんですよね。
ということでいったん、スペースを取っ払って、リンキングさせて読んでみましょう!
例
Thisisapen.
「ディスィズァペン」と読めますよね! この方がナチュラルな英語の発音に近いです。
ぜひスペースをとっぱらって読むことを覚えておいてください。詳しくはこちら。
二重母音を「ー(長音)」に置き換えない
英語には二重母音と言うものがあります。
ところが、日本語にはそれがないため、発音がうまく伝わらない、もしくは変に聞こえるんです。
「tomato」は「トメートー」じゃない
たとえば「トマト」を英語で言ったときの「tomato [ təméitou ]」。
カタカナ英語では「トメートー」みたいに書きますが。「トメィトゥ」の方が近いです。
同じに見えますが、日本語の「長音(ー)」は母音を長く伸ばすだけで、二重母音とはまったく異質なものです。
「R音性母音」を「ー(長音)」に置き換えない
アメリカ英語に限りますが、「R音性母音」というものがあります。
たとえば「mother(母親)」という単語を何と読みますか?
「マザー」と発音しますよね? でもぜんぜん違うのです。
例
mother [ mʌ́ðəɹ ]
※ 辞書では「mʌ́ðər」と表記されます。
上の赤い部分「 əɹ 」が「R音性母音」ですね。
「R音性母音」の発音
「ー(長音)」を使った「マザー」の発音は間違っているんですね。
具体的に「R音性母音」はどんな発音でしょうか? 5種類の例を聞いてみましょう。
こちらの5つを順番に発音していますが、なんか粘っこいような発音ですよね?
- ɑɹ
- əɹ
- ɛəɹ
- ɔɹ
- ɪəɹ
母音に「 ɹ(英語の『 r 』の本来の発音記号) 」の発音がくっついた音声ですね。「 R 」の発音に関してはこちらの記事を。
「ストレスアクセント」を意識する
英語には「ストレスアクセント(強勢アクセント)」があります。
何かというと、母音の強弱のアクセントのことです。
アクセントのある母音を長く強く発音する
こちらの「people」と「apple」の発音を聞いてみてください。
それぞれ、「people [píːpl]」の「ピー」の部分、「apple [ǽpl]」の「アー」の部分にストレスがきています。
「ピー」も「アー」も、どちらも長めに発音しているのがわかりますか?「ストレスアクセントのある場所は母音を長く、強く言います。
日本語は「ピッチアクセント」の言語
ところが日本語は「ピッチアクセント(強弱アクセント)」の言語なんです。
「箸」や「橋」は、「音の強弱」ではなく「音の高低」で区別しているのがなんとなくわかりますか?
この違いに関してはこちらの記事を。
「あいまい母音」をしっかりと発音しない
英語の発音で、日本人の難しいものに「あいまい母音」と呼ばれるものがあります。
英語では「シュワー(schwa)」と呼び、アルファベットの「 e 」がひっくり返った「 ə 」という表記が使われます。
特に上で書いたストレスアクセントのない母音は、あいまい母音になることが多いです。
英語のスペル | 発音記号 |
---|---|
data | déitə |
interesting | íntəɹəstiŋ |
station | stéiʃən |
「 n 」を「ん(撥音)」に置き換えない
日本人は「 n 」の発音を「= ん」だと思っている方が多いです。
ですが、日本語の「ん」にはいろんな発音があるので、注意が必要です。
下記の記事では、なぜ「 n 」と「ん」の違いについてひたすら語っています。
LとRの発音はまったく違うと知っておく
日本人にとって「 L 」の発音と「 R 」の発音は同じにしか聞こえません。
でも、英語圏の人にとっては「同じに聞こえるなんて意味不明!」というレベルで違うんです。
ということで、むちゃくちゃ長くなるのでくわしくはこちらの記事を。
まとめ
さて、今回は「発音」に焦点を当て、日本語なまりの英語を矯正する方法を紹介しました。
こんな記事を書いていてアレですが、発音が悪くても通じます。
言語って、結局はコミュニケーションを取るための道具にすぎないので、コミュニケーション力の方が大事だったりしますから(笑)。
ただ、自分の日本語なまりの英語を直したい方には、この記事がきっと役に立つと思うので、ぜひトライしてみてください。