日本語の「ん」と英語の「n」の違いは?!「n+母音」がキーワードです

ヨス

こんにちは! 言語オタクのヨスです。

外国人が「恋愛(renai)」という日本語を読むときに「ん」が発音できず「レナイ」と読んでしまう現象をご存じでしょうか?

これは日本語の「ん」と「 n 」がイコールじゃないことが原因です。

というよりも、日本語の「ん」が子音なのに、ありえない特徴を持っていることが原因なんです!

今回は日本語の「ん」と英語の「 n 」の違いについて、音声マニアのわたしが徹底的に紹介します。

「ジュンイチ」を外国人が読むと?

わたしが学生時代、英会話の授業を習っていたとき、クラスメートに「ジュンイチ」という子がいました。

その子の名前を先生(アメリカ人)が呼ぶとき、必ずこう呼んでいたんです。

先生

ジュニチ

そのたびに、その子は「No, I'm ジュンイチ」と言うのですが、先生は何度トライしても言えないんです。

そのときは、こんなふうに思っていました。

ヨス

いや、なんで「ジュンイチ」が言えんのじゃい!!

でも、その数年後、日本語教師になる勉強をしているときにやっと気づきました。

それは先生側の問題ではなく、日本語の「ん」が独自の特性を持っていることが原因だったということ。

先生が「ジュニチ」と発音する理由

では、先ほどの英語の先生がなぜ、「ジュンイチ」を「ジュニチ」と読むのかを分析しましょう。

アルファベットにすると一目瞭然です。

Ju(ジュ)ni()chi()

そう。現象を分析してみると、「 n(ん) 」と次につづく「 i (い)」が合体してしまい、「ジュニチ」と読んでいるということですね(参考: 英語の「リンキング」)。

なんでこんなことになるのでしょうか?

「子音+母音」は1つの音になる

その答えを知るために、まずは言語の特性をお話しましょう。

英語、日本語にかかわらず、すべての言語は「子音」と「母音(日本語だと『あ・い・う・え・お』)で成り立っています。

そして、「子音」と「母音」が連続すると、音声的には「子音+母音」の音になるんです。

ヨス

分かりづらいと思うので、日本語を例に出します。

たとえば「か(ka)」という音声ですが、実はこんな構造になっています。

子音は「音」・母音は「声」
子音は「音」・母音は「声」

そう。「か」は「k + a(あ)」という「子音+母音」の構造で成り立っています。

子音のあとに母音がくっつくと、音声もつながって1つの音になります。

それは「 n 」という子音も例外ではありません。

日本語の「ナ行」について

さて「子音+母音」になると、合体して1つの音になると紹介しました。

上では子音の「 k 」を例に出しましたが、今度は「ん」をアルファベット表記したときに使われる子音「 n 」を見てみましょう。

「 n 」の発音
「 n 」の発音

「 n 」はこんなふうに、舌先を歯の根元当たりにぴったりとくっつけて、口から出す声をせきとめ、鼻から出す音です。

ヨス

日本語でも「な・に・ぬ・ね・の」の子音として活躍している音ですよね。

「ひらがな」と「アルファベット」の比較
ひらがな な・に・ぬ・ね・の
アルファベット na・ni・nu・ne・no

「な・に・ぬ・ね・の」をアルファベットにするとわかるように、「 n 」のうしろに母音がくると、「な(na)」のように、日本語ではひとつの言葉として使われます。

子音「 n 」のあとに母音が続くと合体するという現象は、日本語でも適応されているということが分かりますね。

英語の「n」の例

今度は英語で子音の「 n 」が使われている例を見てみましょう。

英語の「 n 」は、まぎれもなく子音の種類のうちの1つです。

たとえば、「unimportant(重要ではない)」を発音するとき、「アン・インポータント」と読んでいませんか?

下記を見て、「子音+母音」は、合体して音声が1つになるという法則を思い出してください。

子音「n」+母音「i」

unimportant

発音は「アン・インポータント」ではなく、「アンポータント」のようになります。

ヨス

「un」の「 n 」と「important」の「 i(母音)」が合体するからです。

同じ理由で「an apple」も「アン・アポー」と発音もせず、「ポー(anapple)」に近い発音に、「running」も「ランニング」ではなく「ラング」に近い発音になります。

問題が生じるのは「ん」のあとに「母音」が来るとき

日本語と英語での例を見てきましたが、最初に見た「ジュニチ」の話に戻りましょう。

Junichi(ジュンイチ)」の読み方が、日本人が読むときと外国人が読んだときはまったく違っているというお話でした。

「Junichi」の読み方

ジュンイ
ジュ

つまり、こういうことですね。

ヨス

日本語の「ん」は子音だけど、普通の子音にはない特性を持っている!!

ん ≠ n
※「ん」と「 n 」はイコールではなく、まったく別モノ!

そして、この問題が生じるのは、常に「ん」のあとに「母音(あ・い・う・え・お)」が来るときということです。ほかの例を見てみましょう。

「ん(n)」+母音になる例
日本人が読むとき 外国人が読むとき
い(恋愛) renai(レナイ)
ん(婚姻) konin(コニン)
ん(金運) kinun(キヌン)
き(現役) geneki(ゲネキ)
け(棺桶) kanoke(カノケ)

全部、「ん」のあとに「母音」が来ているものばかりですね!

「ん」を普通の子音「 n 」として発音すると、どうしても上の表の右側のような発音になってしまいます!

「ん」が「1拍」として数えられる特性

日本語の「ん」ですが、実はもう1つ知っておくべき特性があります。

それが「拍(モーラ)」です。「ん」は1拍として発音されるんですよ!

1拍」というのはこちらのアニメーション画像を見ればわかりやすいと思います。まずは「英語」として「Junichi」を読んでみましょう。

英語で「Junichi」を発音した場合
英語で「Junichi」を発音した場合

1拍を拍手のマークで表現していますが、ほんとうに手拍子をして言ってみるとさらに分かりやすいです。

上のアニメーションのように、本来は子音だけでは1つの拍を取れないんですね。

そのため、英語では「Junichi」を3拍で「ジュニチ」と発音します(「ジュ」は2文字ですが1つの音です)。

子音は母音とくっつかないと1拍にならないので、上のように、「 n(子音)」と「 i(母音)」がくっついて発音されることで1拍になります。

では、今度は日本語として「Junichi」を読んでみましょう。

日本語で「Junichi」を発音した場合
日本語で「Junichi」を発音した場合

というわけで、日本語と英語を比べると、日本語の方が1拍多いんですね!

日本語の「 ん」は、普通の子音とは違って子音のくせに単体で1拍として数えられるという特性があることを覚えておいてください。

おまけ:「ん」は後ろにくる音声で発音が変わる

日本語の「ん」は後ろに来る音声によって発音が変わるという特性があります。

今回のように「母音の前に来る『ん』」は「直前の母音が鼻母音化した発音」になります(ナチュラルスピードで発音したとき)。

「鼻母音」の発音
「鼻母音」の発音

日本語の「ん」の発音変化については、こちらの記事をどうぞ。よく読まれています。

さて、今回は日本語の「ん」と英語の「 n 」は全く違うものということを紹介しました。

日本語の「ん」の特性を知ることで、英語の「 n 」をよく理解できたと思います。

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執筆者: ヨス
アメリカに留学した経験から言語に興味を持ち、日本語教師に。日本語教育を学んでいたときに自分が「音声学」に猛烈に惹かれることに気づく。一般的には学ばない「日本語の音声」を学ぶことで英語の発音を習得。ヨッセンスという月間に100万回以上読まれている人気ブログも運営。

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