「受動態」という言葉を聞いたことがありますか? たとえば「〜される」というような表現で、「受身形」と呼ばれることもあります。
今回は、受動態の意味・形や能動態からの書き換えから「進行形」「完了形」との組み合わせまで、英語の「受動態」を詳しく紹介します。
英語の受動態(受身形)とは?
ではまず、英語の受動態とは何かを紹介しますね。
受動態の意味・形
「受動態」というのは「〜される」という意味の受け身と呼ばれる表現のことです。
受動態の意味
〜されるという受け身の表現
これだけでは説明不足なので例文を挙げますね。以下の文の「was stolen」の部分が受動態です。
My wallet was stolen !
(サイフが盗まれちゃった!)
文法上は、この例文で使った「was」は「be動詞」で「stolen」は動詞の「過去分詞形」に当たります。
「過去分詞形」が分からない場合は、過去分詞形についてを!
つまり受動態の形は以下のようになっていると覚えておいてくださいね。
受動態の形
be動詞+過去分詞形
受動態と「能動態」の違い
受動態と似た言葉で「能動態」というものがあります。
ちょっと名前は紛らわしいですが、意味は正反対なんですよ。並べて比べると分かりやすいので、以下に箇条書きしてみますね。
能動態 | 〜する |
---|---|
受動態 | 〜される |
はい。めちゃくちゃシンプルな違いですよね(笑)。
英文法で「〜態」というのはこの2つだけです。ものすごく大ざっぱに言えば「ふつうの文が能動態」と思ってもらえばOKですよ!
ちなみに英語では能動態は「active voices」、受動態は「passive voices」と言います。
受動態(受身形)の作り方
では、実際に受動態の文を作ってみましょう。その手順を詳しく紹介しますね。
受動態は「be動詞+過去分詞」と「by」
改めて受動態の形を詳しく紹介すると、以下のようになっています。
受動態の形
Be動詞+過去分詞形+(by〜)
例えばウサギがジョンに呼ばれたとしますね。その場合は以下のようになりますよ。
Usagi was called by John.
(ウサギはジョンに呼ばれたよ)
「○○に」を表す「by 〜」は省略するときもあります。
能動態から受動態への書き換えは次の項目でくわしく紹介しているよ!
能動態から受動態への書き換えの仕方
今度は、能動態から受動態への書き換えの仕方を見てみましょう。
同じ意味を持つ「能動態」の文と、「受動態」の文を見てみてください。
1能動態
John called Usagi.
(ジョンはウサギを呼んだ)
2受動態(受身形)
Usagi was called by John.
(ウサギはジョンに呼ばれた)
上側が「ジョンがウサギを呼んだ」……つまりジョンに焦点を当てています。逆に下側は「ウサギがジョンに呼ばれた」で、ウサギに焦点を当てていますね。
では具体的にどうやって書き換えるのかをアニメーション画像で見てみましょう。
この画像だけでは不十分なので、さらにくわしく紹介しますね。
「主語」と「目的語」を見分ける
能動態の文を受動態に書き換えするには、注目してほしいポイントが2つあります。
それが「主語(Subject)」と「目的語(Object)」です。
主語 | 動作をする人 |
---|---|
目的語 | 動作を受ける人 |
「ジョンがウサギを呼んだ」という例文の場合、主語と目的語は何かわかりますか?
そう。「ジョン」が主語で「ウサギ」が目的語ですね!
ジョンがウサギを呼んだ
主語と目的語の位置を入れ替える
主語と目的語が何か分かったら、主語(Subject)と目的語(Object)の位置を入れ替えます。
順序が真逆になりますね。
動詞を「be動詞+過去分詞形」に書き換える
次に動詞を「be動詞 + 過去分詞形」に書き換えましょう。
上の画像の「Vpp」というのは、「過去分詞化した動詞」を表す専門的な書き方です。ややこしくてすみません。
過去分詞形については下の記事をどうぞ。
必要に応じて「by」を付ける
最後に、必要に応じて「by」をつけます。
今までの流れをまとめると
今までの流れを図で説明するとこういうふうになります。
もう一度、最初に見たアニメーション画像をはっておきますね。
「能動態」と「受動態」の形
能動態
S + V + O 〜.
受動態
O + be動詞 + Vpp〜 by S.
受動態が可能な文型
ちょっとマニアックな知識ですが、「受動態を作れる文型は決まっている」というお話も紹介しておきますね。
そもそも英語の文型は以下の5つに分かれます。
英語の5つの文型
- 第1文型S V
- 第2文型S V C
- 第3文型S V O
- 第4文型S V O O
- 第5文型S V O C
Sが主語、Vが動詞、Cが補語、Oが目的語
この5つの中で、受動態を作れるのは「第3・第4・第5文型」の3つです。なんと「第1・第2文型」は受動態にできません!
なぜなら、第1・第2文型には「目的語(Object)」が無いからです。
先ほど「能動態から受動態への書き換え方」のところで「SとOの位置を交換する」という手順がありましたよね?
そう。つまり「主語」「目的語」というセットが無いとそもそも受動態が成り立たないんです。
「へ〜そうなんだ」くらいに知っておいてやってください(笑)。
目的語を取らない「自動詞(intransitive verb)」の文はダメで、「他動詞(transitive verb)」の文はOKとも言えますよ!
【参考】日本語の受動態は「自動詞」も使える
補足としてですが、じつは日本語の受動態では「自動詞」も使えます(文法用語で「迷惑の受け身」と呼ばれる用法です)。
たとえば「雨に降られた」のように「雨が降る(自動詞)」を受け身にすることができるのです(参考: 日本語の自動詞について)。
日本語の「迷惑の受け身」
雨が降る
雨に降られた
迷惑を被ったり、ネガティブな感情を表すという意味になるので「迷惑の受け身」と呼ばれます。
ほかにも「彼女に結婚された」とか「先に死なれた」とかも同じく「迷惑の受け身」ですね。
ただし、これは
日本語の場合だけです!!
ところが、英語では「I was rained」のようには言えないので混同しないように気をつけてくださいね。
受動態の使い方【例文】
受動態の基本を押さえたところで、受動態の使い方をもう少し詳しく見てみましょう。
いろいろなパターンの受動態の例文を紹介しますね。
受動態の疑問文・否定文
まずは「疑問文」と「否定文」の場合です。
ウサギさんに「疑問文」、オオカミさんに「否定文」の受動態をそれぞれ言ってもらいますね。
1受動態の疑問文
Why were my carrots eaten ?
(なぜあたしのニンジンは食べられたのだろう?)
2受動態の否定文
Hmmm...I think they were not eaten by your family.
(ん〜、家族に食べられたのではないと思うなぁ)
はい。特に受動態の作り方は変わりません。ふつうに動詞の部分を「be動詞+過去分詞形」に書き換えればOKですよ。
受動態の過去形
お次は「過去形」の場合です。
過去形の場合も同じです。be動詞を過去形にして「過去分詞形」をくっ付けます。
My wallet was stolen yesterday.
(昨日サイフを盗まれちゃった)
Really?
(マジで!?)
ちなみに上の例の場合、現在形なら「is」になりますよ。
受動態の未来形(助動詞)
では、受動態の「未来形」の場合はどうでしょうか?
まずは例文をご覧ください。
This game's sequel will be released by this winter !
(このゲームの続編は冬までに出るはずっ!)
I hope so.
(だといいね〜)
英語で未来形を表す「will」の後に、受動態の「be動詞の原形 + 過去分詞形」を続ければ大丈夫です。
ちなみに「will」は品詞で言えば「助動詞」なので、「can」や「must」などの助動詞で受動態を表現するときもパターンは同じですよ。
受動態の進行形
続いては「be動詞 + Ving」で表す「進行形(〜している)」です。
現在進行形や過去進行形だって受動態にできるんですよ。受動態の進行形は「being(be動詞の進行形)」を使って以下の形になります。
進行形の受動態
be動詞+being+過去分詞形
Your car is being repaired just now.
(アンタの車はちょうどいま修理されているところだよ)
OK.
(オッケー)
受動態の完了形
さらに受動態の完了形です。「have + 過去分詞形」で表す「完了形(〜したところ・〜してしまった)」も受動態にできます。
進行形で「being」を間に挟んだように、完了形では「been(be動詞の過去完了形)」を使って作りますよ。
受動態の完了形
have+been+過去分詞形
I have been asked to take care of the baby.
(赤ちゃんの世話を頼まれちゃった)
Kidding ! You ?
(ウソだろ、キミに!?)
受動態の動名詞
最後は「動名詞(〜こと)」です。
なんと「Ving」だけで表す動名詞も受動態にできちゃうんですよ!
形は以下のようになります。
動名詞の受動態
Being+過去分詞形
Being written in English is important in this case.
(この場合、英語で書かれていることが重要なんだ)
Ah, I see.
(あ〜なるほどね)
なんだか賢そうなやりとりになりましたが(笑)。
ちなみに「不定詞」の場合も「to be 過去分詞形」で受動態にできますよ!
まとめ
では最後に英語の受動態についてまとめます。
受動態のまとめ
- 受動態の意味は「〜される」(能動態は「〜する」)
- 受動態の形は「be動詞 + 過去分詞形」
- 能動態と受動態は書き換え可能
- 「過去・未来」「進行形」「完了形」「動名詞・不定詞」でも受動態にできる
受動態を覚えると表現力がさらにアップするので、ぜひ使いこなせるように練習してみて下さいね!
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